20話

 色々あった食事が終わった。

 普通ならこれからお風呂に入るのだが今日はドタバタして、お風呂が洗えていない。

 縁は離れたくないと言って俺を離してくれない。

 そのくせ早く寝よ! などと寝る事をせかしてくる。

 おそらくあれだ、明日の朝、今日買ったお茶碗が使いたいのだろう。

 残念だが明日の朝飯はパンだと勝手に決めている。

 たまには俺の好きなものぐらい食べさせてもらっても良いはずだ。

 そんな訳で、今はソファーの上に寝転がって縁にくっつかれているのでした。

 流石にため息も吐きたくなる。

 何がって、縁が可愛くて仕方ない。

 あまり気にしていなかったが、ここに来てからと言うもの、心拍数が下がらずに困っている。

 そろそろ心臓を休ませてあげないと。あ、政治は関係ないですよ。あの人は一般人に戻ったので。十分に休んでいると思いますよ。

 と言うわけだ。

 どう言うわけだ!?

 ごめん。テンションがおかしい。

 だって、さっきの夕飯だって、急に縁があーんって言って口をつけた箸で食べさせてこようとするんですよ。

 間接キスですよ。萌えますね。

 可愛いです。

 そして何かと言いますと、その表情に一切の悪意がないのですよ。断ろうともできない笑顔です。

 俺はそれを受け入れましたよ。

 でも心臓さんはとんでもなく動いている訳です。

 もう痛いったらありゃしない。

 ちょっと休みたいが、この家にいる以上はドキドキしっぱなしなんです。

「縁、ごめん。風呂洗ってくるから離してくれないですか?」

「あ、ごめんゆーくん」

 と謝る縁。

 あー可愛い。

 どうせ今日も一緒に入るんだろうな俺。

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