第13話 カンタンな結末①

 三週間だ、三週間も同じ夢を見続けている。厳密には、完全に同じとではない。だが、出てくるバケモノが違うだけで、展開は同じだ。化け物が襲ってくる、迎え撃つ。相変わらず、城周辺に釘付けだ。あれから次のステージに移るのかと思ったが、そんなことはなかった。


 ノボルは、そろそろ飽きてきた。そろそろ別の夢が見たい。新しいシートを貰いに行こうと、立ち寄ってみたら、店はなくなっていた。近所の人に尋ねてみたが、みな、そんな店あったかしらねぇ、と首を傾げた。結局カン氏の連絡先は分からなかった。


 もしかしたら、今夜こそは多少進展があるかもしれない。淡い期待を抱いて眠りについてみたが、やはり目覚めたのは兵舎の中だった。


 召集のラッパが鳴らされた。敵襲だ。また同じパターン。げんなりだ。隊長の指示が、右耳から左へと抜けて行く。

 ザックが心配そうにこちらを眺めているが、生返事をして外に向かう。


 押し寄せてくる敵を目にした途端、つい、吹き出しそうになった。何だよ、あのシマウマのような柄は。今回は人型で、ユラユラ揺れながら迫って来た。何だよ、こいつら。タイツでも着ているのかよ、センスないな。


 もういいや、とノボルは思った。最初は面白いと思ったけれど、これにも飽きてしまった。あの枕も捨ててしまおう。ログアウトだ。とっとと目を覚ますとしよう。


 ノボルは思い切り、戦槌を捨てた。身につけた暑苦しいアーマーを脱ぎ捨て、思いっきり放り投げた。バケモノたちは、意外と高速で、すぐそこまでに迫っていた。

「馬鹿、何をしている!!」

 ザックが怒鳴っていたが、ノボルは無視した。関係ないさ、どうせ夢なんだし。一匹のバケモノが、ノボルの腕に噛みついた。


 痛い!! 

 激痛が走った。何なんだ、この痛みは。おかしいな、これは夢なのに。バケモノたちは、次々にノボルに食らいついていった。自身の血に染まっていく中で、ノボルは全てを思い出した。

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