第8話 数字の水溜まり

 だんだんと雲が増えてきました。空は雲に、覆われて、もう真っ白な時計は見えなくなりました。辺りは薄暗いです。そんな中でも僕は歩き続けています。すると、僕の頭にコツンと何かが当たり、地面に落ちました。僕は地面に落ちた物を拾い上げました。それは数字でした。きっと、灰色の雲は真っ白な時計から出た光を吸収するだけではなく、それに加えて、真っ白な時計から出た時間もたくさん吸収したのでしょう。灰色の雲の中で、たくさんの時間が集められ、固められて、時間は数字へと姿を変えたのでしょう。灰色の雲から、たくさんの数字が降ってきました。数字の雨はドンドンと降り注ぎ、ピチャピチャと地面を叩きました。しばらくすると、僕の足元には、数字の水溜りができていました。


https://youtu.be/Fk5x6lgariA

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