第7話 地平線の先

 僕は何も無い真っ白な世界を旅しています。どこに向かっているのか分かりませんし、何のために歩いているのかも分かりませんでした。なぜなら、何も無い世界では目標になるものがないからです。かすかに見えるのは、真っ白な大地と真っ白な空の境界線だけでした。僕はその地平線の先に、何かがあることを期待して歩き続けています。僕たちは〈はっきりとした目標が見えない世界でも、期待を持つことだけはできる〉そんな生き物なのかもしれません。そんなことを思いながら、しばらくの間歩いていました。するとなんだか暗くなってきたのです。日が陰ってきたのであります。僕は空を見上げました。そこには、いつのまにか灰色の雲が浮かんでいて、真っ白な時計の光を遮っていたのであります。


※ https://youtu.be/lygGVIsVbe8

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