第6話 降る時間
僕はしばらくの間、真っ白な時計を眺めていました。その時計は「光と時間はひとつのものである」とでもいうように時を刻んでいます。時計から真っ白な光が降り注いでいます。それと同じように、真っ白な時間も降り注いできているように感じられました。雲から降ってきた雨が地面に吸収され、消えてしまうように、真っ白な時計から降ってきた時間も、真っ白な空間へと吸収され、消えていっているようです。刻一刻と時間は生まれ、そして音もなく消えているのです。僕はじっとしていられなくなりました。僕は何もない真っ白な世界を歩き始めました。あたりを見回しても、変化するものは何もありません。ただひとつ、僕の足元にできた影だけが、僕のあとをゆっくりと着いてきているようです。その間も絶え間なく時間は生まれ、そして消えていきました。
https://youtu.be/m828DDwf-rA
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