第2話 万屋登録

 ナグサは一階に降りイチカのいる受付窓口へ向かう。周りには武士の様な鎧を着こみ刀を下げた人たちや簡易な和装に杖を背負っている人など様々だ。周りの格好に興味津々に辺りを見まわしているとイチカが声をかけてくる。

「まずはこちらで会員登録をします。登録料は事前にアサギさんに払っていただいたので大丈夫ですよ、これが会員証です」とイチカはナグサへ銅のプレートをナグサに手渡し「次は適正審査をするので私についてきてください」と言い、イチカは隣の部屋に向かって歩き出したためナグサとアサギは後に続く。

 ドアを開け部屋に入ると部屋は六畳ほどの広さで部屋には1メートルほどの機械の様なものに縦三十センチ横五十センチほどのガラス板のようなものが立てられた。近づいてみると中心には何かを差し込むような丸いくぼみがあり、くぼみから細い溝のようなものが機械の端までいくつも伸びている。ナグサはこれが何なのかをイチカに尋ねる。


「これは先ほど言った適正を調べるための魔工機関からくりです、この中心のくぼみに指を入れて血をこの魔工機関に読み込ませると魔法術の適正とどの属性の魔法術を使えるのかをおおまかに記してくれます」


そう説明しイチカは魔工機関をいじりはじめ「ナグサさん、準備が出来ましたよ」とナグサに声をかけると魔工機関が一瞬光った後ガラス板が紫色の光を放ち光った。


「ここに入れればいいの?」

「はい、そこの穴に奥まで指を入れてください」

 

イチカに促され魔工機関に指先を差し込む。指をいれ指のくぼみの奥を指先で押し込んだような感覚がした。直後、差し込んだ指がちくりと痛みわずかに熱を持つ。その後くぼみから血がみぞに流れ指を差し込んでいるくぼみと溝がわずかに光りはじめる。


「もう大丈夫なので指を抜いてください」と言われイチカの指示に従い指を抜き止血用の紙で血を拭きながらガラス板を見る。ガラス板の左側に六角形のパラメータが表示され、パラメータの横には何やら文字のようなものが表示されている。魔公機関からくりが止まったのを確認したイチカはガラス板の表示を見ながら説明し始める。


「ナグサさんは魔法術の適正があるみたいですね、炎とつちと いかづちが使えるみたいですね」


イチカはナグサの魔法術の適正を教えた後に魔法術の種類を教えてくれた。どうやら魔法術には炎、水、地、雷、風の五種類の属性の魔法術があり、その五つの魔法術以外にも自身や他者の身体能力を強化したり減退させる事が出来る補助魔法術があるらしい。補助魔法術はカテゴリーは別だが魔法術の適正によって使える補助魔法術が変わるようだ。イチカの説明が終わったのを確認したアサギはナグサの装備を整えるためナグサを商店通りへ案内するためナグサに声をかける。ナグサはアサギと共に商店通りへと向かうために部屋を出て行った。

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