#02

 どうして人間は「女性」または「男性」に変化しなければならないのか。


 多分それは、生物として人間という種の保存のためだとは思っている。

 最近、「性別」を選択する欄に「男性」「女性」のほかに「その他」の選択肢があるのを見かけることがある。

 「男性」「女性」「その他」。この中から選ぶとすれば、ボクならばどれかと問われれば、「女性」なんじゃないかと思う。

 だって、ボクが心の中でどう思っていようが、どう感じていようが、生物学的には「女性」だ。自分の身体がそれを物語っている。戸籍がとかいう問題でもない。それ以前に自分の肉体は「女性」だ。間違いなく「男性」ではない。


 そう、


 であれば「女性」にならなければならないのだろうか。

 さもなくば「その他」。


 ――というか、「その他」って何?


「男性」でも「女性」でもない、「その他」。

 トランスジェンダーであれば、分かりやすいのかもしれない。

 でも、ボクは「男性」になりたい訳ではない。「女性」である自分を否定するわけでもない。


 ああ、そうか。

 多分、「男性」ではないボクが嫌なんだ。


 だから、「男性」でもない「女性」でもない、「その他」もあり得ない。


 そう思うのは、欲張りなんだろうか。


 そもそも「性別」なんていう宣言、必要なのか?

 ボクには、そこから理解できない。

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