第4章 アダマンタイト級
058 師匠の命令
早速、城に行き師匠に報告することにした。
「師匠!無事に昇級しました!」
「おお!それは良かった。白金級の特訓メニューは考えてあるぞ」
「師匠、白金級じゃないですよ。アダマンタイト級に昇級したんです。飛び級です!」
「なんだと!?」
師匠が真剣な表情で聞いてくる。
「本当です。ほら!」
「なんてことだ!せっかくの白金級の特訓メニューが水の泡だ。アダマンタイト級ってことは……」
師匠は黙り込んで何やら考え事のようだ。
「師匠……?」
師匠はニヤリと笑うとロキ達の方を見た。
「こうなったら、地獄の特訓しかない」
「結局そうなるのーーーー!?」
「だが、今回はそれだけじゃないぞ」
「まだ他の地獄が!?」
「そうじゃない、ロキやロキの仲間の武器防具を強化もしくは新調する必要がある」
「今の装備じゃダメなんですか?」
「アダマンタイト級の冒険者ならばオーダーメイドで作ってもらうのが普通だ。それくらいしないと、指名依頼をこなすことが出来ないだろう」
「そんなに大変な依頼なんですか?」
「ああ、俺の時は下級のドラゴンと戦ったこともあったな」
「ドラゴン!」
まさに冒険者の倒したい魔物ナンバーワンと言っても過言ではない。ドラゴンスレイヤーの称号は冒険者の憧れだ。
「たしかにドラゴンと戦えと言われると、装備が
ロザリーさんも同意見のようだ。
「分かりました。装備も整えます」
ロキは師匠の言いつけ通りにすることにした。
「心配するな。腕の良い鍛冶屋を紹介してやる。まず装備を整えてから特訓を始めることにしよう」
師匠からおすすめの鍛冶屋を教えてもらい、すぐに鍛冶屋に行くことにした。
鍛冶屋は王都の外にあるらしい。王都の北の森の中にひっそりと山小屋があり、そこで鍛冶屋を営んでいるようだ。
「北の森か。懐かしいなぁ」
「ロキに最初に出会ったのも、この森だったよね」
シャルと出会った時の事を思い出した。盗賊に襲われてたのを助けたんだっけ。
「そうだね。あれから色々あったなぁ」
色んな事がありすぎて遠い昔の事のようにも思えてしまう。
「マスター、あれを見てください」
アルエが指差す方を見ると、山小屋があった。
師匠から教えてもらった鍛冶屋だと思う。
「こんにちはー!」
外から声をかけるが返事はない。ドアに鍵はかかってないようだ。
「入りますよー!」
「なんだお前らは!」
突然後ろから声をかけられて心臓が飛び出るほど驚いた。見るとガタイの良く見事な髭を蓄えたドワーフが立っていた。
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