057 昇級
数日後、ロキ達は王都に戻ってきた。クラン対抗戦の結果は、冒険者ギルドが厳正なる判断を行い、追って連絡があるらしい。まずは城に行き、師匠に報告をする。
「……それで最後はウィリアムの軍団と戦ってなんとか勝ったんです」
「なるほど、まずは生還おめでとう。しかし、当初の目的は級位を上げることだからな。結果が出るまでは油断するんじゃないぞ」
「はい、大丈夫です。きっとなんとかなりますよ」
「ちょっと気が弛んでるんじゃないのか?もし結果が悪かったら地獄の特訓が待っているから、そのつもりでいるように!」
「地獄の特訓!?想像するだけで恐ろしすぎます……」
「今日は長旅で疲れているだろうから、特訓は明日からでいいぞ。今日は帰ってよし!」
「明日からまたよろしくお願いします!」
師匠のお許しが出たので、今日はクランの拠点に帰宅した。
「うへ〜、まだダイヤモンド・タートル号に揺られてる感じがするよ」
シャルは乗り物酔いでダウンしている。
「マスター、庭の手入れをする許可をください」
アルエは草が生え放題の庭を手入れしたいようだ。
「いいよ。というか、僕も手伝うよ」
アルエと2人で庭をキレイにした。家の中も少し埃っぽかったので掃除を行った。その日は疲れを取る為に早めに就寝した。
次の日から、城で特訓を行いながら拠点で結果を待つ日々となった。ちなみにロックゴーレムは家で警備をしてもらっている。
数日後、冒険者ギルドから呼び出しがあった。
ロキヘイムのメンバー全員で冒険者ギルドに着くと、ベリンダさんからギルドマスターの部屋に行くように言われた。ギルドマスターの部屋に行くと、ギルドマスターは笑顔で出迎えた。
「おお!よく来たな!まぁ、座ってくれ」
全員がソファに座ると、ギルドマスターが話し出す。
「この前のクラン対抗戦の結果が出た。厳正なる判断の結果、君たちロキヘイムは優勝が確定した。おめでとう!」
「優勝!?」
「やったー!凄いね!」
ギルドマスターは大きく頷くと説明を始めた。
「これは、功績、クラン規模、個人の優秀さを考慮した結果だ。冒険者ギルド本部から優勝者が出て、本部としても嬉しい出来事だ」
「級位は上げてもらえるんですか?」
僕は地獄の特訓を恐れるあまり聞いてしまった。
「ああ、聞いて驚け。なんと今回は特例として2階級上がることに決定したぞ」
「えええええええ!?」
シャルが物凄く驚いている。
「あらまぁ〜」
ロザリーさんは相変わらず微笑んでいるが、一応驚いているようだ。
「……」
アルエは興味がないようだ。
「それって、つまり……金級からアダマンタイト級に飛び級ってことですか!?」
「ああ、そういうことだ」
なんということでしょう?白金級を飛び越えてアダマンタイト級になってしまった。
「今回のクラン対抗戦には銅級からアダマンタイト級まで入り乱れていたのだからな。そんな中で優勝したのだから、飛び級も当然だ」
「そうなんですね〜今日の内に昇級の手続きをしてもらえるんですか?」
「ああ、ベリンダに冒険者プレートを渡せばすぐに手続きをしてもらえるぞ」
「ありがとうございます!」
「今後は指名依頼も増えるだろう。その時は邪険にせず出来るだけ引き受けてくれると助かる」
「分かりました」
ギルドマスターの部屋を出て受付のベリンダさんに冒険者プレートを渡した。
「お待たせしました。こちらからロキ様、シャル様、アルエ様、ロザリー様の冒険者プレートです。お受取りください」
「様付けなんてやめてくださいよ〜。いつも通りロキ君でいいですから」
「そうだよ!ベリンダさんのイジワル」
「ふふふ、ごめんなさいね。どういう反応をするか試してみたかったのよ。今日からアダマンタイト級冒険者として頑張ってね」
「「はい!」」
アダマンタイト製の冒険者プレートを受け取った。
名前:ロキ
スキル:死んだふり
級位:アダマンタイト
ランキング:24位
シャルやロザリーさんも同じ順位からスタートみたいだ。
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