052 大規模クランを狙え
「う〜ん、汚いですねぇ〜」
砦を見て回ったロザリーさんは苦笑しながら言った。
「これだから男達はダメなのよね!」
シャルも怒っている。
「ぼ、僕は防衛の準備をしてくるよ!」
男であるロキはその場から退散することにした。
砦の門の所まで来た。まずはここを守らなければいけない。
「うーん、何か罠でも仕掛ける?それとも砦の周囲を堀で囲む?どっちにしても1人では大変だなぁ……あっ、そういえば良い事を思いついた!」
収納胃袋からロックゴーレムを取り出す。ロックゴーレムは死んだように動かない。
「【
ロックゴーレムの目に光が灯る。
「……ガガ」
膝をついて服従の姿勢を見せる。
「おおー!」
よく分からないけど命令を聞いてくれるみたいだ。
「砦の周りに堀を作ってほしいんだけど、出来る?」
「……ガ」
首を振るロックゴーレム。単純な命令しか聞けないみたいだ。
「じゃあ、僕を肩に乗せて」
「ガガ!」
ロックゴーレムの肩に乗った。
「この道具を持って、ここから壁沿いに真っ直ぐ掘って」
土を掘る道具の代わりにゴブリンが持っていた剣を渡した。
「ガガ」
肩に乗ったまま指示を出せばちゃんと働いてくれるみたいだ。そのまま砦の周りに堀を作っていった。
「ゴーレム最高!」
堀作り、橋の設置、門の強化をした後は門番として見張りをしてもらうことにした。
砦内は掃除が終わったようなので、旧拠点の無事だった家具を収納胃袋から取り出して設置していった。
「ふー、これで過ごしやすくなったね!」
シャルは掃除をやりきった達成感でスッキリした顔をしている。
アルエは壊れた道具や壁などを補修してくれたみたいだ。
「ありがとう、みんな」
今日はもう疲れたので美味しい夕食と風呂で癒やされて早めに就寝した。
翌日、作戦会議を開いた。
「昨日は襲撃されて、ちょっと予定は狂ったけど、今日から他クランが持っている★を狙っていきたいと思う。みんなもそれでいい?」
「いいよ!」
「私もそれでいいです〜」
「命令を承りました」
「我はここを守っておく。皆、気をつけて行ってこい」
サラに見送られて砦を出発した。
「北西の森に大規模クランがあるみたいだよ。最初の目標はそこにしよう」
「北西へゴー!」
歩いて1日かかったが、クランが根城にしていると思われる森に着いた。
「慎重に進もう」
音をなるべく立てないように静かに移動する。森に少し入った所を北上すると、獣道のような道と、人の足跡を発見した。
「みんな、足跡があったよ。これを辿れば相手クランの拠点に行けるかもしれない」
僕達は頷き合うと更に慎重に森を進んだ。
「見つけた……」
拠点の方向を指差して全員が場所を把握する。計画は既に打ち合わせ済みだ。
ロキは拠点の門に収納胃袋から取り出した金属球を投げつける。
「【
金属球から剣や槍が飛び出し、門が粉々に破壊された。
カァン!カァン!
「敵襲ー!敵襲だー!」
「門が破壊されたぞ!」
冒険者達がわらわらと飛び出してきた。
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