032 引っ越し
冒険者ギルドに戻り、契約の続きをする。
「じゃあ、ベリンダさんお願いします」
金貨100枚を渡し、契約書にサインした。
「はい、これで契約は完了です」
「やったー!」
クランの拠点を手に入れた。
まずは引っ越しだ。僕は拠点の掃除と引っ越しを行う。
シャルとアルエには家具を購入してもらうことにした。
「僕は荷物運びと掃除をするから、シャルとアルエは家具や調度品を買ってきてほしい」
「いいよ!アルエ行こう!」
この館は何故ボロボロに朽ち果てたフリをしていたのだろう。他にも何か仕掛けがあるかもしれないので、慎重に掃除を行う。
「なにこれ?部屋多すぎない……?」
「ロキよ、この場所は拡張魔法がかけられているぞ」
館には多数の部屋があり、どう考えても外から見た館の大きさよりも中の方が広いと言う事に気づいた。
「本当だ。これは掃除が大変だぁ。メイドさんが欲しくなるよ」
そして、部屋の種類も豊富だ。寝室、キッチン、暖炉付きリビング、風呂、錬金術の部屋まである。
「錬金術?元の持ち主の趣味なのかな?」
「暖炉は我が貰うからな。好き勝手に薪をくべるでないぞ」
サラは暖炉の守護神になるつもりのようだ。
そうこうしているとシャルとアルエが帰ってきた。
「おかえり。この館は広すぎて1人じゃ手に負えないよ。手伝ってくれない?」
「マスター、承知しました」
「分かったよー」
2人が手伝ってくれたおかげで、かなりキレイになった。シャルはたまに転んで逆に汚したりしてたけど。
「ありがとう、助かったよ」
「どんなご命令でも従います」
「アルエちゃんは真面目すぎだよね」
ちなみにシャルが買ってきた家具は自然をイメージする木の家具が多く、アルエの買ってきた物は未来感のある金属製の物が多かった。
「チグハグな感じだけど、まぁいっか」
各自の部屋に好きな家具を運び入れた。
引っ越しが完了するまで1週間かかった。
「ふぅー……」
この館には貴族顔負けのお風呂がついている。そこで引っ越し完了記念ということで人生初のお風呂に入ったのだ。
「貴族はこんなお風呂に毎日入っているんだねぇ」
あまりの気持ちよさからそんな独り言を呟く。
「マスター、お背中を流しに来ました」
アルエが脱衣場から声をかけてくる。
「え!?いいよ!恥ずかしいし!」
「アルエー脱衣所で何やってんの?お風呂入るなら一緒に入ろうよ!」
シャルの声も聞こえてきた。
「ちょっと待って!僕が今入ってるから!すぐ出るから!」
慌てて浴槽から立ち上がる。だが、遅かったようだ。2人が風呂に入ってきた。
「うわあああ!」
僕は目を塞いだが、2人の笑い声が聞こえてきた。
「アハハ、ドッキリでした〜!驚いた?」
そっと目を開けると2人は下着姿のような格好だった。
「これは水着っていうお風呂に入るときに着る物なんだってさ。アルエが作ってくれたんだよ!」
「マスターもどうぞ」
アルエが水着を渡してくれた。そして、僕は全裸だった事を思い出してしまった。
「ああー!」
僕はダッシュでその場を逃げる事しか出来なかった。
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