神様も眠ってる

@tom0415

第1話

 ふと目が覚めた。枕もとの携帯を見れば、5時30分。自分にしては早起き。いつもならまだ寝てる時間。ぬくもりに包まれながら、そのまましばらくゴロゴロ。手持ち無沙汰で携帯をいじるも、面白いニュースはなく、数分で飽きた。

 そういえば、初詣まだだ。めんどくさがりな僕は、神社前に少しでも行列ができているとすぐ諦める。空いたときに時に行こう、で翌年になることもザラだ。

 今がチャンスでは、といつもはないやる気が出たので、服を着替え、コートを羽織って玄関を出る。マフラーをしてても、冬の空気は冷たい。ピンと糸を張り詰めたみみたいな感じが僕は好きだった。怠けた心の背中を叩いてもらうみたいな冬の朝。この時、あんな出会いがあるなんて、僕も風も知らなかった。

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