第3話 復縁か!?

彼と付き合ってる最中私は浮気を2回した。浮気と言っても肉体関係はない。でもそれは私にとっては浮気である。友人たちからは怒られた。何故そのことを彼に言ってしまうのか!?と。私は嘘を付けない。彼と付き合う時にも約束した。「お互いに好きな人が出来たらちゃんと報告しよう。肉体関係を持ってしまう前にちゃんと聞きたい」と。だから馬鹿みたいに素直に私は彼に好きな人が出来たことを2回とも報告した。彼は「大丈夫。えみは必ず僕の元に戻ってくるから」と言うばかりであり、実際その通りになった。好きな人が出来る=両想いなる、訳ではない。ただ単に私の片思いだった。だから彼は許したのだろう。3回目の浮気は肉体関係を持ってしまい、そしてそれがその男の二股だと分かり何故か私は病んでしまった。そんな屑人間の私を彼は見守ってくれていた。


その優しい彼の堪忍袋の緒が切れたのは、私が彼のアシスタントに恋をしたときである。私は案の定馬鹿正直に彼にそのことを話したが、彼は泣きながら「何故僕じゃだめなんだ?」と言い放った。私はきっと自己肯定感が低い人間だから、こういう彼を試すようなことで彼の愛情を毎回試していたのだと今なら思う。


彼から「しばらく距離を置こう」と言われたのもこの頃だった。私は確信していた。すぐに元に戻ると。


しかし、彼は頑なだった。3年間連絡がつかなかった。着信拒否をされていた。

その間にも私は他に好きな人を作ったりしていた。いずれは彼とよりを戻すのだからと、、、。


世の中には偶然というものが存在する。東京というこの人口が多い都内で、彼は事務所を私のアパートのすぐ近くに移転していたのだった。私も彼も全く気が付かずに。


ある夜、仕事を終えて自分のアパートに向かっていると向こうから見知った顔が歩いてくる。彼だ!心臓が止まるとはこのことだ。彼も私に気が付いた。お互いに足を止めた。

「久しぶり。飲みにでも行く?」と私は口にしていた。断られることを前提に。

ところが彼は「いいよ。飲みに行こう」と返事をした。


かくして、私たちは2人で飲みに行き、近況を報告しあった。そしてその後も何度か2人で飲み行くようになった。


私は復縁することが当たり前だと思っていたし、彼も私と復縁するつもりだろう、なんて呑気なことを考えていた。


その年の11月。珍しく彼の方から電話があった。「明日、時間あるかな?もしよかったらカフェでも行かない?」と。私は直ぐに承諾し、翌日を楽しみにしていたのだった。

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