第18話:ウェミダーからの

「なんというか、海を見てウェミダー! って叫ぶのは別段良いんだけどさ、正直、海辺でパシャパシャーキャハーに対して対して萌えないみたいな感覚があるんだけど、同意してくれる人はリツイートしてくれないかな」


「「リツイート」」


「実際にみんなで来たりとかしたら、そりゃあ場の温度感でワーキャーなると思うし、実際のところ楽しいし、いい思い出になると思うけど、少人数で来た場合だと、なぜだかあのテンションっていうのが湧いてこないのよね」

「あれは皆で何かやっているから楽しいのであって、海だろうが花火大会だろうが文化祭だろうが初詣だろうが楽しいものは楽しいのです」

「だから海単体っていう考え方をすると、どうしても濡れちゃうとかあるから水着に着替えてという考えには至らないし、なんなら濡れない前提のファッションサンダルだから、海に足を入れるとかも正直イヤね。ベトベトになっちゃう」


「(女神って普通にサンダル履くんだなー。この手の作品のその手のキャラクターって、機能性を完全無視した露出度の高い衣装に、多分宗教上の理由なんだろうけど、ド派手なニーソとハイヒール系の靴を履きがちなのに、なぜだか本作の女神はブラウン系のカットソーのTシャツに、ベージュ系のヒザ下スカートと黒いサンダルという大学生がバイト代で購入しそうな今どきコード感で旅行に来てるもん)」


「今は脱スーツが進んできていますし、女神さんも私服勤務なんですか?」

「もちろん。私服勤務って洋服選びが大変とかいう人いるけど、正直他人のまとっている洋服なんていちいち見ないし、適当に数着用意して回していけばそれなりにやっていけるから随分と楽なのよね」

「あっ、わかります。地味にお昼ごはんを外に食べに行くときに、事務服だとちょっと行きにくいかなーみたいなお店でも、私服だと行っちゃえみたいになりがちですものね」

「250グラムステーキのトッピングにニンニク増しは入れちゃうわね」


 それくらい私服勤務って究極的に楽。

 スーツは燃やして捨てよう!


「ところで何だっけ? 旅行シーンだっけ?」

「はい、そうです。海に来ましたよ、っていう設定ですので、僕らは上手にはしゃいで楽しみつつ、BBQとかでお肉を食べての描写を読者の皆様にお届けすれば、閲覧数が伸びまくってバッチリです」

「でもああいうシーンって、アニメだと静止画で適当に流しているから、文章でどうやって楽しんでいる描写を書けばいいかわかりにくいわね」

「というか、あの手の素材を実際に制作しているアート界隈の皆さまって、夏休み取って旅行代払って海に行けるような時間と予算は……」

「それ以上はいけないっ!!!!」


 皆一生懸命に頑張っているというのに。

 ねっ、製作委員会。

 

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