第13話:じゃあ準備出来たし時間までサボるか

「ピザでも頼んでテレビ見ようぜ」

「はーい」


「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」


「……ねえ、このままだとマジで13話がしょうもない終わり方しそうだから、一応ツッコミに回るわね」

「……」

「……」


「せめて時間潰す編を書くにしても、もうちょいなんか会話させる仕草させるとかしなさいよ―!!!!!!!!!!!!!!」


 ん? この女神……作者に直接語りかけているのか……?

 できれば声が刺さる系の声優さんに罵ってもらえると嬉しいな。


「『!』が多いぞ。どうした? 文字数が減るぞ」

「しょうもない揚げ足取りありがとね。っていうか、魔王城が駅チカ5分の、スーパーとドラッグストアの導線の良い、オフィスにも使える55平米の鉄筋で、しかも魔王城に主役が住み込んだ挙げ句、世界を支配していない魔王をなんとなく倒す必要があるけど、血を見るのが嫌だから演技でなんとか終わらせようとしている時点でおかしな話なのに、なんで残りの話数はそんな適当なのよ―!」


「おっ、前の話を読んだけど忘れた読者に対して説明口調で現状の説明をしてくれてありがとな。愛してるぞ、女神」

「ぽっ……ってなるかボケー! 恋愛フラグ0のクソ小説で無理やりラブロマンスにつなげるとか海外映画かー!」

「あーあ、海外映画ディスってるよこの女神。なんか硬派なアクション映画って聞いたのに、最後は女のために墓穴掘ってピンチになる系の作品をド派手にディスりまくってますよ」

「130分くらいの長い映画の、なぜか70分あたりからチラチラヒロインっぽいのがポッと登場してくるの見ると、なんとなく察するものがありますよね」


 高校生たちが戦車で戦う映画を見習ってほしいな。

 バトルシーン硬派でおじさんたちが泣くんだぞ。


「っていうか、なんで閑話休題みたいなシーンなのに、いちいち面倒なトークしなきゃいけないんだよ」

「この作品って、小説なのよねー。アニメとかなら、たまに会話はないけど雰囲気で感じ取れ系のやつがあっても良いかもしれないけど、小説だとそうもいかないのよねー三点リーダーをチョンチョンチョチョんと書いているだけで妄想力を広げろとか、正直無限の可能性がありすぎて小説崩壊するのよねー」


「でも会話することなんて今は無いぞ。だってスマホ触りつつお菓子食いながら常に喋り続けているとか、ある意味恐怖でしか無いじゃんか」

「あーもースマホとか」


 異世界って何でも揃ってていいよね。


「まあ……せめて心の中で何を考えているかくらいは描写しても良いかもしれないな」

「最終決戦を目前にして、みたいな意気込みみたいな?」

「そ、そうそう。そういうのって口に出したらかっこ悪いだろ? だからあえて何も語らなかったんだ、なっ、魔王?」

「いちいちこの後に嘘がバレるまでの会話が数度発生するのが面倒ですので、違いますよね、とだけ言って裕介さんの意見を今のうちに潰しておきます」


 コノヤロウ、節約家め。


「ああそうだ、心の中の描写を書くのは良いとして、ここで一旦話を終了にさせていいか」

「なんでよ? これからっていうタイミングで」

「ウェブ小説の読者は長い文章見てくれないからな、ぶった切ることにしてる」

「きゃー! 合理的!」


 女神が裕介に抱きついておいてフラグを立てておく。

 あーこれは後でラブロマンスになっても仕方ないよな―

 はいはいフラグフラグ〜!

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