第12話:今度こそリハーサルやるぞ
「いいか、俺がお前を攻撃して倒すから、良い感じに倒れるんだ。後ろにソファがあるから思い切り倒れて良いぞ」
「は、はい」
「ちなみに私こと女神はカメラ担当ね」
「活躍シーン無いからな」
「おだまりっ!」
ちなみにカメラについて詳しくないからスマホのシネマモードを使って、それっぽい加工演出にて撮影することにする。
動画編集代行サービスというものもここ最近で増えてきているので、一番品質が良くて早くて安いところに武器を片手にお願いしに行こうと思う。
「ところで、個人的な感想なんだけどな」
「うん」
「よくトップクラスの動画配信者って、広告収益が溜まりに溜まって、次に会社を作ってビジネスにする傾向にあるじゃんか」
「そうね、税金対策かしら」
「そんでもって、会社として何人かのアシスタントを雇ったりするわけじゃん」
「作業負担の軽減もあるけど、こちらも一種の税金対策ね」
「たまにトップ配信者の1日の仕事ぶりに密着!みたいな動画あるじゃん」
「人気よね」
「時折見切れているけど、アシスタントがチラッと写ってたりするじゃん」
「結構いるわよね」
「そこで1つ気になったこととして」
「うん」
「動画に出演している本人よりも、動画編集とかアシスタントとか営業とか、周りの人間が異様にイキり散らかしているように見えるのは気のせいかなって思ってな」
「気のせいじゃないと思うわ。きっと田舎から飛び出して、憧れの渋谷でトップ配信者の近くにいられるから、気分が高揚しているのよ。それを誰かに自慢して、承認欲求を満たすために自慢しているんだと思うわ」
「所詮は脇役だって言うのに、なんか主役よりイキリ散らかすんだよな」
「自分自身は何もできないくせにね。そういうやつほど、福利厚生とか給与とか異様にうるさいのよね。それで他の会社に転職したときに、大した仕事についていないくせに、やたら顔出しでホームページに載っかったりして。SNSでは虎ノ門でランチしたことを自慢して、自宅では節約のために安いレトルトカレー食べるのよね」
「無能ほど承認欲求モンスターとはよく言ったものだな」
「あの、これ作者の怨念込められています?」
「「ソンナコトナイヨー」」
うん、全然ソンナコトナイヨー
こんなの業界だと氷山のイッカクダシ―
……
……
とまあ、気を取り直して。
「リハーサルでいくつか撮影しつつ、一番いい感じのものをベースとして本番のコンテとして採用しようと思う」
「はい、わかりました」
「案の定、またリハーサルする前に無駄話で1000文字使っちゃったから、節約しながら行くぞ」
「(いつの間にか文字数制限のこと忘れているような)」
……
……
えっと、多分テイク7とか8とかそこら辺
俺と魔王がかっこよく接戦している!
キンキンキンキン!
キンキンキンキン!
勝負が決まりそうだ―!
「くらえっ! ファイナルフィナーレ!」
「ぐえー死んだンゴー!!!!!!!」
バタン
「……よし、完璧だ」
「(文字数制限のこと今思い出して、とりあえずOK出しているなぁ……まるで小学校の運動会の前日のダンスが多少下手でもOK出しちゃう先生みたいだ)」
あとは本番でかっこよく書けば良し!
「(最近のラノベって戦闘描写書くの楽になったのね―)」←煎餅食べながら
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