第4話:軍資金とかほしいよな
「でも魔王をぶっ○すってなると、ヒノキの棒より、伝説的強い武器で倒したほうがスッキリと物語を完結させることが出来るよな」
「ま、まぁ……倒される側の僕が言うのもなんですが」
「この小説って、かなり短く物語を終了させなきゃいけないから、道中で強い武器を集めるために、それっぽいドラゴンとかゴーレムを倒すようなイベントなんて全然用意することができないんだよ」
「はぁ……」
「だから、道端に偶然にも100億円が落ちていてな、それを片手に店に行ったら、なんかつえー武器が50億円くらいで売っているって算段なわけよ。そうすれば合理的につえー武器をゲットすることが出来るじゃん?」
「その……残りの50億円はどうするのですか?」
「着服するに決まってるじゃん。何いってんのお前?」
「(仮にも魔王を倒そうとしている人が言っちゃいけないような不正経理発言キター!!!)」
「魔王を倒したら元の世界に帰れるわけじゃん。そしたら再び学生に戻るわけなんだが、それでもやっぱり将来クソみたいな仕事をしたくないから、ニートしたいわけよ。そしたら金がいるじゃん? 異世界で楽に手に入れたお金を持ち帰りたいわけじゃん?」
「(これ僕じゃなくて、この人のほうが魔王にふさわしいんじゃないかな)」
「でも平凡に地方でのんびり暮らすとかじゃなくって、できれば都内の一等地でリッチに生活したいわけよ。お前も魔王城っていうデカいタワマン住んでいるんだからわかるだろ?」
「(あれタワマンだったのかぁ……)」
「というわけで、俺の足元に100億円が落ちているっていう設定で、今拾い上げたわけだが」
「……あの、都合が良すぎるというか、そもそも100億円を拾うってなんですか? 札束の山を物理的に持ち上げることは難しいと思いますが」
「重たいの嫌だから小切手にした。10,000,000,000円って書いてあるやつな」
「(小説って自由に何でもできるから都合が良くっていいよね)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます