第1436話 学園公式ギルド6番目〈ダンジョン商委員会〉!
――――〈ダンジョン商委員会〉。
それは新しく発足された6個目の学園公式委員会だ。
これで公式ギルドは
公式ギルド増えすぎじゃね!? ゲームでは三大学園公式ギルドだったのに!
そして〈ダンジョン商委員会〉は学園公式ギルドになるほど重要な役目を担うことになる。
それが〈ダンジョンショップ〉の運営だ。
マリアから色々聞いていたが、現在〈マッシュン〉もとい〈マッシュルームキャラバン
さらに【商人】系の上級職、【マーチャントキャラバン】も30人も用意したとのことだ。学園の本気度が伺える。
ちなみに上級職への発現条件は俺がそれとなく研究所に流したのは公然の秘密だ。
従業員も含めれば〈ダンジョン商委員会〉に所属する人数は100人近くにもなり、最初からかなりの大所帯のギルドとなっている。これは〈救護委員会〉〈秩序風紀委員会〉に次ぐ規模だ。さらに数はまだまだ増やしていく見込みとのことである。
最初は〈ダンジョンショップ〉を初級ダンジョン9箇所と中級下位から中級上位の特定のダンジョン3箇所ずつに送り、最奥でお店を開くのだ。
〈ダンジョン商委員会〉に所属するみなさんが〈マッシュン〉を最奥に持っていき、
営業時間は授業がある日は放課後から夜20時まで。
学園が休みの期間は朝8時から夜の20時まで営業するらしい。
交代要員は現在超特急で準備中だってマリアが言ってたよ。
とはいえ、最近はエリアボスが毎日数百という単位で倒されており、〈幸猫様〉の恩恵もあってかなりの〈上級転職チケット〉が手に入るようになっているので、そう時間は掛からないらしい。
今でこそ最低限の運用だが、徐々に規模を拡大していき、中級ダンジョン29箇所の最奥を全て網羅したら上級ダンジョンの最奥にも〈ダンジョンショップ〉を開く予定とのことだ。
マリアがすげぇ輝いてるよ。
あ、ちなみになぜ29箇所なのかというと、中級上位ダンジョンのランク10は最奥にお店が置けないのでそこだけ除外されて29箇所となっているわけだ。
「では、これより授与式を行なう。〈ダンジョン商委員会〉の初代商隊長、マリアンヌ殿」
「はい!」
放課後になると、〈商業1号館〉で〈ダンジョン商委員会〉の正式な発表とメンバーのお披露目、そして授与式が行なわれた。
学園長が初代隊長となるマリアに書状を渡す。
「これよりたくさんの苦難がそなたを待ち受けているだろう。挫けそうなとき、落ち込むこともあるじゃろう。何かあれば我々先生方に頼りなさい。これは学生をさらに成長させ、飛躍させることのできる重要な役職じゃ。いくらでも力になるぞい」
「はい! ありがとうございます!」
「うむ。改めて、〈ダンジョン商委員会〉の隊長をここに任命する。マリアンヌ殿、どうか頑張ってほしい」
そう言って学園長が渡した書状をマリアが恭しく受け取る。
そこで集まった人たちから万雷の拍手がマリアたちを贈られた。
俺もたくさん拍手を贈る。
「「「「おおおおおお!」」」」
「ようやく〈ダンジョンショップ〉が正式オープンするぞーーー!!」
「これで俺も!」
「中級ボスなんて粉砕してやる!」
「めでたい! 第6の委員会の誕生、めでたい!」
「俺の活躍の序章が始まる音が聞こえた気がする!」
「気のせいだ」
「混沌!」
「おい、今誰か混沌って言わなかったか?」
「いや、拍手と声がうるさくて聞こえなかったが」
「気のせいか?」
マリアがその声に応えて書状を広げて見せると、さらに歓声が鳴り響いた。
〈攻略先生委員会〉や〈ハンター委員会〉が発足したときよりデカい歓声な気がする。
しかしそれも仕方ない。
〈攻略先生委員会〉や〈ハンター委員会〉は、いわゆる上級ダンジョン攻略のためのギルド。
あまり関係ないという学生も多かった。
しかし今回の〈ダンジョン商委員会〉は学生密着型。
1年生から3年生まで全員がその恩恵にありつける。自身のステップアップにとても貢献してくれるギルドだ。
もう歓迎しない学生なんてほぼ皆無だろう。
俺も大歓迎だ。
学園長がこの暑い中髭を摩りながらそれを眺め、あれ? いや、なんか遠い目をしているのは気のせいかな? 大丈夫かな学園長? 熱中症かな?
あ、クール秘書のコレットさんがコップを持っていったな。だけどコップからすげぇ熱そうな湯気が出ているのは気のせいだろうか?
学園長がそれを碌に確かめもせず飲む。あ、体がビクビクンってなった。
大丈夫か? 動けるか? 動けないか?
結局、この熱の入った騒ぎは復活した学園長が閉幕を宣言してもしばらくの間続くことになった。
みんな待ちわびてたんだろうな~。
夏休み中はどんなエラーが起きるか分からないからってたくさん試行錯誤しながら臨時運用しまくっていた〈ダンジョンショップ〉。
だが、その恩恵に
「ではこれから〈ダンジョンショップ〉、その第一陣が発進しまーす」
「「「「「おおおおおおおおお!!」」」」」
「俺もすぐにいくぜ!」
「いや俺なんか最奥で待ってるぜ!」
「いやいや俺なんか先に攻略してるぜ!」
「先に攻略したら意味なくね!?」
「混沌!」
おお~、マリアたち〈ダンジョン商委員会〉が歩けば学生たちが自ら周りを囲む、いや、護衛するように配置に付く。
大事にされまくってるじゃん。
マリアは初代隊長としてギルドメンバーに一度朝礼(昼礼)すると、それぞれがばらけて各ダンジョンに向かって行った。
それを追いかけようとしてダンジョンの受付にできる長蛇の列。
その隙にマリアたちは顔パスでダンジョンに潜っていったのだった。冗談だ、先に受付は済ませておいたのだろう。
マリアが今日受け持つのは中級上位ダンジョンのランク3、〈猪突の猛進ダンジョン〉。
これ以降の強力なダンジョンには、まだ〈ダンジョンショップ〉はオープンできないらしい。【マーチャントキャラバン】も〈マッシュン〉も、足りないらしい。
だが、中級上位ダンジョンの攻略は多くの学生の切望。
それを叶えるためにも、頑張れマリア!
なお、その日から毎日のように学生の階層記録が塗り替えられていったそうだ。
それまでは
学園はとても満足なようで、もっと〈ダンジョン商委員会〉の規模を拡大しようとやる気のようだ。
素晴らしい。
俺たちも負けてはいられないな!
クラス対抗戦まで、あと3週間。
ここでも優勝を飾るため、俺たちはクラスメイトも誘ってとあるダンジョンにアタックすることに決定した。
それは
ランク10―――〈大亀の
――――――――――――
後書き失礼いたします!
〈ダン活〉小説10巻が、初めてブックウォーカーの新文芸月間ランキングで1位を取りました! すっごく嬉しいです!
〈ダン活〉書籍版をご購入してくださった皆様、誠にありがとうございました!
作者の夢が、1つ叶いましたー!
今後もバリバリがんばって書いていきます! どうか今後も、よろしくお願いいたします!
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