第1391話 水着お披露目会行くぞー! 1年生と生産職!




「かはっ!」


「あ、生きてた。大丈夫マリー、傷は浅くないよ!」


「それは深いと同じことなんよ!」


 おっとここでマリー先輩復活。

 実は先程からメイリー先輩に介抱されていたのだ。

 いったいなにがどうして意識を飛ばしていたのか。

 復活したマリー先輩が息を若干乱しながら俺に問う。ダメージは深そうだ。


「なぁ兄さん。〈エデン〉ってマジこんなことやってたんか!?」


「話には聞いてたけど、実際見てみるとびっくり」


「あ、聞いてたんだ」


「まあ煽った――じゃなくて、勧めたんはうちやけどな。なんや兄さんに水着装備プレゼントされる言うメンバーがどうしても報いたいて言ってきおったから、そんなん水着姿を見せれば特大のお礼になるでって、最初に教えといたんや。まさか自分に返ってくるとは――」


「マリー先輩のおかげか!」


 意外なルーツ発覚。

〈海ダン〉や〈秘境ダン〉で水着を見せに来る〈エデン〉の伝統になりつつあるこれ、まさかのマリー先輩が発信源だった件!

 あと今煽ったって言いかけなかった? 気のせいか?


「とりあえず、周りと比較したらアカン! 兄さん、今回はうちとメイリーの水着まで用意してくれてありがとな! どや兄さん。これで礼になったかいな」


 そうキリッとした顔で俺を見ながら胸を張るマリー先輩。その姿は競泳水着タイプだった。シェリアが着ているのとは結構違うが、少なくともスク水ではない。

 マリー先輩は絶対スク水だと思ってたのに!

 それはメイリー先輩も同じだったらしく。


「マリーには是非スク水装備を着てほしかったんだけど」


「あんな装備着れるかい!?」


 絶対マリー先輩に似合うと思うスク水だが、マリー先輩にはお気に召さなかった模様だ。残念。

 ちなみにメイリー先輩はマリー先輩と色違いの競泳水着である。なぜかメイリー先輩が着るとなかなか様になっていた。海が得意という話が本当だという説得力があふれ出ている気がする!


「だが、2人とも魅力的だぞ。メイリー先輩とか凄く様になってるな! なんかかっこいいぞ」


「えへ」


「あと、俺もマリー先輩のスク水姿は拝んでおきたかった」


「拝むなし! そんな縁起のええもんでは断じてないかんな!?」


 マリー先輩は否定していたが、そんな事はないと思うんだマリー先輩のスク水姿。

 メイリー先輩に目配せすると隠しグーされた。うむ。


 マリー先輩とメイリー先輩がなぜか幼女に混じって海で遊び始めたところでやってきたのは、ニーコの手を引くカイリとアルルだった。


「待たせたねゼフィルス君。ニーコ君がいきなりビーチチェアでくつろぎ始めたから引っ張ってきたんだ」


「まだ休むには早いなぁニーコはん」


「はっは、やだな、ほんの冗談だよ。だからその手を離してもいいんだよ?」


「「却下(やな)」」


「よくやったぞ2人とも! 勲章を授けよう」


「ぼくを連れてくるだけで勲章ものってどういう意味だい!?」


 ほんのジョークを交えつつ3人の姿を見る。

 カイリは、紺のモノキニだった。上下繋がっているが脇腹部分が無いタイプだ。これは良い。あまり無かったタイプだ。足がスラリと長く、日よけ帽子にサングラスを掛けていてライフセイバーみたいな溌剌はつらつさを感じた。凄く良い。


 アルルは――あ、こっちは紺のスク水だった。胸にしっかり『あるる』と書かれてる! これ、まさかマリー先輩の仕業か? こっちもいいな。スク水を着たマリー先輩と並べたかった。


 そしてニーコは、白スクタイプに半透明の白のスカートを履き、白いちょっとした上着を軽く羽織る感じにして肩に載せ、葉っぱ型の団扇を持っていた。

 おいおいニーコ、くつろぐ気満々じゃねぇか! ニーコを海に連れ出せば勲章。あながち誇張では無かったのかもしれない?


 ちなみにアルルのスク水は、まあ色々あったそうだ。き、気になるんですけど?

 とはいえアルルがそんな気にする性格でもないので、特にスク水を恥ずかしがってはいなかったけどな。


 3人ともグーして褒めておいたよ。


 さーて、そろそろ少なくなってきたか?

 

 あ、メルトがミサトとなんかやり始めて乱入してきたルキアによって追いかけっこを始めたぞ。兎人を2人も、メルトも良い御身分だぞサトル、言ってやれ。

 と思ったらすでにサトルは居なかった。どこに行ったんだろう? いや、きっと海を満喫しているだろう。


 ちなみにルキアは黒のリボンビキニタイプだった。ミサトと同じく兎人なのでぽよぽよが強い。


「やばい。そろそろ褒め言葉の在庫が切れそう。あと何があったっけ?」


 かなり用意してきたはずの褒め言葉の在庫はすでに底を突きかけだ。

 しかし、そろそろ終わりならば問題は無いだろう。

 そう思っていたが、そこでノーアが出てきた。


「ゼフィルス様! 続いて1年生組でしてよ!」


「お、おおお!」


 そういえばまだ1年生はロリレンジャーしか出てきてなかった!

 1年生代表(?)のような雰囲気で出てきたノーアは、まさに大迫力。

 これで1年生なのかとびっくりするレベルだ。はっ!? マリー先輩から視線を感じる気がする!


 いかんいかん、水着に集中しよう。いや、水着も凄いんだがな。

 お嬢様のノーアは赤紫にも似たクロスホルダータイプの水着だったのだが、あまり直視できない感じ。峡谷がすっごいとだけここに記載しておく。


「お嬢様、私を置いていかないでください」


「クラリス、遅いですわよ~」


「お嬢様が早すぎるのです」


 クラリスも来た! クラリスは緑系のノースリーブのインナーの様な上に、ビキニの下という組み合わせだった。少しボーイッシュで動きやすい感じでクラリスによく似合っている。


 俺が数が少なくなったボキャブラリーを組み合わせてなんとか褒めて見送ると、次はカグヤとサーシャの番。先手必勝!


「2人とも可愛いな!」


「ストレート!」


「ド直球過ぎますの! もう少し変化を付けて褒めてくださいですの!」


 思わず口から本音が飛び出したら、サーシャの言うことがもっともすぎるセリフをいただいた! 俺の中のサーシャたちに対するスイッチがカチリと入った気がした。


「ふっふっふ、いいのかい?」


「な、なんですの? なんか妖しい雰囲気ですの!」


「サーシャ、ここは危険だよ!」


「ふはは! もう遅い!」


 カグヤは黄色のバンドゥビキニタイプだったが、胸の中央が狐の顔型に穴が空いていた。もう見た瞬間可愛いと思ったね。頭の狐耳はピンと立ってるし、尻尾のもふもふはふわふわ揺れているしで凄く良い。


 サーシャはフリルがたくさんあしらったワンピース型水着だった。半透明で涼しげな、海と同じようなエメラルドグリーンな姿は、揺れる長い髪と相まって可愛さと癒やしを感じる。


 そう、思ったことを口にしてみると2人が悶えてた。


「よ、よーく分かったよ!?」


「な、なんか熱の入りようが尋常じゃなかったですの!」


 そう言い返しながら海へびゅーっと走って行く2人を見送った。

 おっと、ここで俺のブーストが切れる。

 カグヤやサーシャが相手だとなぜかゆらりと妙なスイッチが入るのはなんでだろう? きっと俺が悪いわけではない。


 ちなみにカグヤやサーシャは向かった先で鼻を押さえて上を向いていたヴァンを蹴り飛ばしていた。

 いったいどうしたというのだろうか。


「次は、私たちです! よろしくお願いいたします!」


「えっと、お手柔らかにお願いします。いえ、本当に……。本校ってこんな伝統があるなんて知らなかったんだよ……」


 続いてやってきたのは、アルテとクイナダだ。

 なぜか気合いの入っているアルテとは裏腹にクイナダは少し怯えた雰囲気を出しているのはなんでだろう? 後半は声が小さくて聞き取れなかったんだ。


 アルテは青と白のワンピース水着だった。下はスカートタイプだが、ヘソまでは体のラインが出るタイプでお腹がキュート。スカートが可愛いという感じ。

 騎士にしてはかなり小さい体型ということもあって、アルテは可愛い系で来たようだ。


 対してクイナダはスタイル抜群ということも相まって黒のビキニ。胸の中央に和風の文字のような紋が赤い紐で作られている、下はローライズ系で左右を赤い紐で結ぶタイプだ。

 さらに上着となるのは和服のようなカラーリングの羽衣。総じて和風水着? と思わせる水着だった。狼の耳と意外に大きな尻尾もグッド。


 もちろん2人も褒める。

 褒められて元気100倍になったアルテと顔を赤くしたクイナダが横にズレると、ナキキとミジュの背中を押しながらシュミネがやって来た。


「はい。私たちの番ですよ。水着の素材を用意してくださったゼフィルス様に是非見ていただきましょう」


「りょ、了解っす!」


「んお、やっと出番?」


「ゼフィルス様。まずはお礼を。この度は水着素材を用意してくださり、ありがとうございました」


「「ありがとうございました(っす)」」


 相変わらず我が子のお披露目だと言わんばかりの言動のシュミネに緊張気味のナキキとぼーっとしたいつも通りのミジュだ。


 シュミネの水着は黄緑色のオフショルダーにパレオを巻いた水着。さすがはスラッとしているエルフ。年下なのにまるで年上の雰囲気すら醸し出す見事な雰囲気の水着だった。


 ナキキは下を青系のボーイレッグ。上は半透明でノースリーブのシャツみたいな水着を着ていた。胸元には黄色の造花が2つ付けられている。活発系か!


 ミジュは黄緑色のロリビキニ。胸の真ん中にリボンがあるタイプ。シンプルに良きだ。あと少し後ろ向いてもらうとクマ尻尾はちゃんとあった。

 ミジュがまさかのビキニかと思ったが、そういえば獣人系のビキニ率は高いな。やはり尻尾の関係かな? ローライズ的なものが多い気がする。


「3人とも、凄くいいな。シュミネは大人びているし、ナキキは活発系で可愛い。ミジュもシンプルによく似合っているよ」


「ありがとうございます!」


「うおっす! なんか元気が沸いてきた気分っす!」


「またねゼフィ先輩」


 こうしてやっと1年生組も終わる。これで終わりかと思ったら、今度はマリアとメリーナ先輩がやって来ていた。


「今度は〈アークアルカディア〉の生産組ですね」


「ゼフィルスさん、今年の水着はどうかしら」


 一難去ってまた一難!? 続いて生産組です!

 マリアは相変わらず攻めたビキニ、今回はシエラと同じ三角ビキニで攻めてきていた。とはいえ戦力は乏しい。

 隣のメリーナ先輩は今年もお姉さん系。ビキニなのだが、その上から白の上着を被り胸の真ん中で結んでいる。下はパレオで、頭には麦わら帽子、手にはトロピカルなジュースまで持っていた。さ、さすがはメリーナ先輩。マリアは不利か!?


 もちろん2人とも褒めたけどな。

 マリアも大胆な水着で魅力度は高い。ありがとうございます!


 続いてやってきたのはアルストリアさんとシレイアさん、それにサティナさんだ。


「海は初めてですが、よろしくお願いいたしますわ!」

 

「は、はい! 私もよろしくお願いいたします! 水着、ありがとうございます!」


「えっと、私も? です。いつもはギルド外で活動していますからこうしてギルドで合宿に参加させていただいて嬉しく思っています」


 サティナさんは出張が多くてギルドにいないことがほとんどだ。だが、最近は【アイテムエンハンス】を育てようという動きができて来ているので、直にサティナさんに代わる人材も現れ、ギルドに戻ってくることも多くなるだろう。


 アルストリアさんは〈秘境ダン〉の時とは少し違う赤のビキニだった。フリルが入っていて少し可愛い感じのやつだ。


 シレイアさんは黄緑色のスク水タイプ。シンプルだがよく似合う。緊張しながらも手を前に重ねて心を籠めてお礼を言ってきていた。もちろんしっかり受け取っておいたよ。


 サティナさんは黒寄りのクロスホルダー水着で、これが素晴らしく着こなしていた。さすがはアイテムの申し子。着こなしもプロ級ということなのかもしれない。


 なお、〈採集無双〉のもう1人の女子、アンベルさんはすでにモナたちと採集に出かけてしまいここにはいない。普通の赤のビキニだった。パワーを思わせるビキニだったよ。


 そしてとうとうラスト。生産組のラストを飾るとなると、最後はやはりハンナしかいない!

 俺の目の前には少し照れ顔のハンナが1人立っていた。


「ゼフィルス君。今回の水着はどうかな?」


「いつも通りのやり取りで悪いが――最高だ、ハンナ!」


「えへへ」


 照れながらその場でクルリと回ってくれるハンナが最高です。

 ハンナは今回もビキニタイプ。去年と同様ボーダーラインは外せないのか水色と白のボーダーの入った水着だ。さらにフリルがあしらわれており、黄色のリボンで可愛く彩られていた。


「ハンナ、すっげぇ似合ってる! 可愛い水着だな」


「ありがとうゼフィルス君。ゼフィルス君もかっこいいよ」


「サンキュー!」


 褒めてくれるハンナが尊い。


「行くか」


「うん! 今回も、目一杯遊ぼうね!」


「おう! 俺に付いてこいハンナ! 俺が海の遊び方を教えてやるぜ!」


 俺はハンナと共に海へと駆けだした。




 ―――――――――――――

 後書き失礼します!


 海回書いてたら海行ってみたくなったので、ちょっと一泊で行ってきます!

 ということで今日は感想返しできないのでご注意ください!

 明日の投稿分は予約しておきますので安心してくださいね!


 では、いってきまーす!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る