第1377.5話 学園・情報発信端末・誰でもチャット掲示板121




701、名無しの冒険者3年生

 ついに明日は〈ミーティア〉VS〈百鬼夜行〉か~。

 久々のSランク戦だな!


702、名無しの陽炎2年生

 少し前に〈エデン〉がSランク戦を超える何かをしたばかりだけどな。


703、名無しの剣士2年生

 それで魔法使いさん、調子はどうっすか!?


704、名無しの魔法使い3年生

 とりあえず、出来るだけの準備はしたわ。


705、名無しの神官3年生

 風の噂で〈エデン店〉の特別室に何度か通されてたって話があったが?

 何か特別な装備またはアイテムを購入したのではないか、囁かれていたが本当なのか?


706、名無しの魔法使い3年生

 ……神官、調査先輩の部下としてなかなか板に付いてきたのね。

 確かに、〈エデン店〉で特別製の装備を購入したのだわ。

 お披露目は本番だからまだ秘密なのだけど。

 ……神官、それよりも〈百鬼夜行〉について何か情報はないの?


707、名無しの剣士2年生

 おお! 魔法使いさんが神官さんに情報を求めているっす!


708、名無しの陽炎2年生

 神官のやつ、出世したな。


709、名無しの冒険者3年生

 ぐぅ!


710、名無しの紅盾2年生

 はいはい。冒険者先輩は悲しくて悔しいですね~。

 癒してあげますよ~。

 なんて言ってほしいですか?


711、名無しの冒険者3年生

 な、なにもいらわん!!


712、名無しの司書2年生

 おい冒険者、口調が乱れてるぞ。

 最後わんって言っているのはどういうことだ?


713、名無しの紅盾2年生

 もう~、そんな我慢なんかしなくても良いのに~。

 欲しくなったらいつでも言ってくださいね?


714、名無しの神官3年生

 とても優しい言葉のはずなのに、内容が優しくない件。

 それはともかくだ。〈百鬼夜行〉も今年度に入って初の防衛戦だからな。

 色々と準備を整えているという話だぜ?

 噂では元〈彫金ノ技工士〉のギルドマスター、寡黙なクラフト技士に何やら依頼しているとか。


715、名無しの剣士2年生

 寡黙技士さん、聞いたことあるっす。

 先生にスカウトされたけどそっちよりも技士の方が性に合うって1学期で移籍した方っす!


716、名無しの司書2年生

 あの方、腕は良いのに全然喋らないからな。

 そりゃ技士の方があってるだろう。今は学園が技士を大募集しているのも相まって引き抜かれたとの話も聞いたぞ。


717、名無しの神官3年生

 噂では学園の依頼を担当する、上級専門の技士になったらしい。

 ほら交換所に並ぶあれを作っているところな。

 ただ、商品がない場合、クエストの報酬を使って受注生産もしてくれるんだよ。


 ・

 ・

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52、名無しの神官3年生

 ついにやって来ました、Sランク戦ギルドバトル!

 いったいどっちが勝つのか!

 新しいSランクギルド誕生なるか!?

 それとも3度目もまた防衛されてしまうのか!!


53、名無しの剣士2年生

 魔法使いさん頑張れーっす!


54、名無しの支援先生

 Sランク戦〈城取り〉。久しぶりのお祭りだな。

 おかげで観客席のチケットが即完売したという話だ。


55、名無しの剣士2年生

 やっぱり注目度高いっすね!

〈エデン〉と比べて少し少なくなった様な気がしたっすが、気のせいだったっす!


56、名無しの司書2年生

 Sランク戦と言えば学園の華だからな。

 ……つい1年前までは本当に学園が誇る最高峰のギルドバトルだったんだ。

 ほら、一応来賓の方々が凄いだろ?


57、名無しの陽炎2年生

 一応とか付いているし。


58、名無しの支援先生

 実は剣士の勘は外れてはいない。


59、名無しの冒険者3年生

 というと?


60、名無しの支援先生

 司書氏が言ったように来賓の方々がたくさん席を占めているだろう?

〈エデン〉の練習ギルドバトルの時は学生が大半だった。


61、名無しの剣士2年生

 あ、確かにそうっす!

 つまりは見物する学生自体は減っているってことっすか!?


62、名無しの支援先生

 そういうことになるな。

 とはいえSランク戦が人気なのは変わらん。

 チケット完売に加え、実況席には最近話題のキャス&スティーブンが呼ばれている。

 あ、ちなみに名前出しは本人に許可をもらっているぞ。


63、名無しの剣士2年生

 それ前にも言ってたっすね!

 僕もキャス&スティーブンさんの実況好きなので楽しみっす!


64、名無しの神官3年生

 噂では今回も調査先輩がゲストとして呼ばれているらしいぞ。


65、名無しの陽炎2年生

 さすがだな。

 お、早速ゲストの登場らしい。

 皆の者、拝聴せよ!

 調査先輩の――――ん?


66、名無しの冒険者3年生

 あ?


67、名無しの神官3年生

 は?


68、名無しの剣士2年生

 へ?


69、名無しの闇錬金2年生

 勇者君きちゃああああああああああ!!!!!!


70、名無しの混沌2年生

 混沌! 混沌!! こんとーん!!!!


71、名無しの司書2年生

 勇者じゃねぇか!?

 ちょっと待て、調査の姉御はどこ行ったんだ!?


72、名無しの神官3年生

 ちょ、調査先輩マジどこ消えたーーー!?!?

 あれ!? 今朝Sランク戦で解説役のゲストとして参加するって自分で言ってたのに!?


73、名無しの剣士2年生

 勇者さんと入れ替わってるっすーーー!!


74、名無しの冒険者3年生

 誰だ勇者と調査先輩を入れ替えたのは!?

 混沌か!?


75、名無しの混沌2年生

 混沌!


76、名無しの神官3年生

 それじゃわかんねーっつってんだろうがこの混沌野郎が!!


77、名無しの支援先生

 落ち着け。

 今情報が入った。

 調査のやつが急に用事が入ったとかでな。急遽勇者氏に依頼したとのことだ。


78、名無しの陽炎2年生

 急遽なのにこいつらとんでもない人を連れて来たぞ!?


79、名無しの闇錬金2年生

 何言ってるのよ、最高の人選じゃ無いの!

 学園グッジョブ! すっごくグッジョブよ!


80、名無しの神官3年生

 観客席も凄い盛り上がりだぞ。

 勇者が紹介された瞬間一瞬シーンってなったのに、今では阿鼻叫喚と黄色い悲鳴が相次いでらぁ!

 勇者ファンが勇者の実況が聞けるとすげぇうるさいぞ!


81、名無しの闇錬金2年生

 勇者君の実況が聞ける、勇者君の実況が聞ける!


82、名無しの冒険者3年生

 勇者の絶叫が聞ける?


83、名無しの闇錬金2年生

 勇者君の絶叫が聞ける、勇者君の絶叫が――って絶叫!?

 勇者君の絶叫!? 何それ凄い!


84、名無しの混沌2年生

 混沌!!


85、名無しの神官3年生

 落ち着け!?

 これ以上は混沌が調子づくから!

 冒険者も妙な誘導してんじゃねぇ!!


86、名無しの陽炎2年生

 ほら、モチッコやるから。


87、名無しの闇錬金2年生

 そんなものいらないわ!


88、名無しの冒険者3年生

 モチつけモチつけ。

 ふう、モチついた。


89、名無しの混沌2年生

 混沌!!


90、名無しの支援先生

 入って来た選手たちが観客席のざわめきにびっくりしつつも手を振り返してきている……。

 違うんだ、君たちの入場にざわめいていた訳じゃないんだ。


91、名無しの真白1年生

 あ、そういえば会場って実況席や観客席の声が歓声やざわめきにしか聞こえないんでしたよね。


92、名無しの冒険者3年生

 ぶわぁ(涙)。


 ・

 ・

 ・


269、名無しの神官3年生

 初動が終わった!

 現在〈ミーティア〉が4城! 〈百鬼夜行〉が5城!


270、名無しの剣士2年生

 ここで対人戦っすーー!!

 勇者さんの言うとおりになってるっすーー!?


271、名無しの闇錬金2年生

 勇者君が半端ないわーーーーー!!


272、名無しの司書2年生

 というか〈クマライダー・バワー〉がやべぇ!?

 これどうやって手に入れたんだ!?

 確かまだ〈救護委員会〉〈攻略先生委員会〉〈エデン〉の3ギルドにしかなかったはずだろ!?


273、名無しの支援先生

 実は違う。

 現在レシピは学園が管理していてな。学園の生産職が作製し交換所で販売をしているのだ。


274、名無しの魔殴留学生

 マージで!?

 あんなもんが交換所で交換できるってマージ!?


275、名無しの戦慄留学生

 震える。


276、名無しの支援先生

 とはいえ売る対象はAランクギルド以上の実力がしっかり伴っているギルドに限定されているがな。

 未熟なものが〈乗り物〉に乗って奥地に入り込み、戻れなくなったという事態を防ぐためだな。

 そして、現在Aランク以上で〈乗り物〉を操作できるギルドの多くは〈クマライダー・バワー〉を集めている。〈百鬼夜行〉もその1つというわけだ。


277、名無しの神官3年生

 なるほど!

〈彫金ノ技工士〉がなぜか〈マッシュルームキャラバン〉ばかり生産していて〈クマライダー・バワー〉を作らない訳はそういうことだったのかよ!

 つまりレシピは今学園が預かっているというわけか!

 そして〈百鬼夜行〉はやはり〈クマライダー・バワー〉を依頼していたのか!


278、名無しの剣士2年生

 観客席が超盛り上がってるっす!

 勇者さんの解説も相まって凄く良く理解できるっす!


279、名無しの支援先生

 うむ。さすがは1年生の頃から教員に就いていた勇者氏だ。

 解説の仕方が上手い。言葉がスッと頭の中に入ってくるようだ。


280、名無しの剣士2年生

 ということは〈ミーティア〉が危ないってことっすか!?

 このままじゃ〈クマライダー・バワー〉の突破力に蹂躙されてしまうっすよ!?


281、名無しの神官3年生

 いや待て、〈ミーティア〉の動きが妙だ。

 この状況で全員がほうきに跨がった!?


282、名無しの司書2年生

 勇者「ふっふっふ。刮目して見よ! これからすんげぇことが起こるぞ!」


283、名無しの神官3年生

 うお!? 【司書】の文字起こしか!

 勇者、何を知ってる―――んあ?


284、名無しの冒険者3年生

 と、飛んだーーーーーー!?!?

〈ミーティア〉全員飛んだーーーーー!?!?


285、名無しの闇錬金2年生

 おーっほっほっほ!!

 あれが私が作った素材で〈エデン〉が作製したという合同製作作品!!

〈魔法使いの箒杖〉よ!!

 あれは【闇の魔女】にしかその素材を加工できないのよ!!!!


286、名無しの神官3年生

 な、なんだってーーーー!!

 というか、なんでそんなものを錬金が!?

 空を飛ぶ装備だぞ!?

 そんなもんを量産なんて―――。


287、名無しの司書2年生

 勇者「俺たちがレシピを当てたからだ。ついでに作ったあれを〈ミーティア〉に売った」


288、名無しの神官3年生

 勇者のせいかーーーーーーーーーー!!

 いやまた〈エデン〉の仕業かーーーーーー!!


289、名無しの剣士2年生

 ちょ、〈ミーティア〉が空から一方的に攻撃しまくってるっす!!


290、名無しの冒険者3年生

 こ、こんな一方的なバトルなんて、ありなのか!?


291、名無しの戦慄留学生

 震える。


292、名無しの混沌2年生

 混沌!!


293、名無しの陽炎2年生

 こりゃやべぇぞ!?

 このままじゃ一方的に終わ―――は?


294、名無しの神官3年生

 あ?


295、名無しの剣士2年生

 へ?


296、名無しの支援先生

 つ、墜落しただと!?

 いったい何が!?


297、名無しの司書2年生

 勇者「あれは【嫉妬】のユニークスキル、『羨ましいからそれ禁止』を使われたんだ。それで〈ミーティア〉の『魔法飛行』が全部禁止された。だから落ちた」


298、名無しの神官3年生

 どういうことだそれ勇者!!??

 なにその強いユニーク!?

 魔法使いはなんの対策もしていなかったようだぞ!?


299、名無しの支援先生

 魔法使いは先の〈エデン〉の練習試合で【嫉妬】を深く観察し、そのスキルに対して数多くの対策を立てていた。

〈百鬼夜行〉には同じく【嫉妬】が居たからだ。

 だが、〈エデン〉の練習試合の最中、【嫉妬】はユニークスキルを使っていなかったのだ。

 だからこそ対策出来ていなかったとみた!


300、名無しの魔殴留学生

 全員墜落ってマージ!?

 多くがダウンしちまって、さっきと逆の展開になってるじゃん!?


301、名無しの支援先生

〈ミーティア〉が次々と討ち取られていく!

 反撃しているが一気に劣勢に立たされたぞ!

 これが【大罪】職で最強と言われる【嫉妬】の強さか!


 ・

 ・

 ・


611、名無しの魔法使い3年生

 ただいま。

 負けたのだわ。


612、名無しの神官3年生

 ああ。惜しかったな。


613、名無しの剣士2年生

 もうちょっとだったっす!

 あそこで〈吸星〉さんがいなければ間違いなく〈ミーティア〉の勝ちだったっす!


614、名無しの魔法使い3年生

 いえ、負けは負けなのだわ。

 私たちの【嫉妬】の観察不足だったもの。


615、名無しの神官3年生

 あれは仕方なくないか?

〈エデン〉とかなんであの強烈な練習試合で切り札のユニークスキル使わなかったんだ? 手加減しているようには見えなかったんだが。


616、名無しの支援先生

 温存していたのだろう。

 今回のことで分かったと思うが、真の奥の手はここぞというときまで隠しておくのだ。

 あれだけ激しい練習試合なら温存なんて考えられないなんて考えている時点で、相手の術中に嵌まっていると言っていいだろう。


617、名無しの剣士2年生

 魔法使いさんはこれからどうするっすか?


618、名無しの魔法使い3年生

 私? 私はどうもしないわ。

 これまで通りよ。卒業までにもう一度くらい再戦したいわね。


619、名無しの神官3年生

 おお!!

 さすがだ魔法使い!

 3回目の敗北でも諦めないその姿勢、なかなか出来るもんじゃないぞ!


620、名無しの魔法使い3年生

 ありがとう冒険者。


621、名無しの神官3年生

 ちょっと待って!?

 俺は神官だ!?


622、名無しの魔法使い3年生

 ……間違えたのだわ。

 そう、見間違えたのよ。

 決して神官と冒険者が同列の四つ子なんて思ってないのだわ。


623、名無しの神官3年生

 俺と冒険者の野郎が同列の四つ子に見られてる!?

 いったいどういうことだよ!? というか四つ子!?


624、名無しの支援先生

 うむ。大丈夫かと思ったが、割と尾を引いているようだな。


625、名無しの剣士2年生

 魔法使いさんもう休むっす!

 そして明日からはまた元気にダンジョンに挑むっすよ!


626、名無しの魔法使い3年生

 ええ。ありがとう神官。


627、名無しの剣士2年生

 僕は剣士っすよ!?




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