第1333話 チーム分け。赤チームのメンバーは精強です!
「やっぱり本校に来て初のギルドバトルの相手が〈エデン〉ってとんでもないって思うんだよ? この気持ちを誰かと共有したい」
「えっと、アレを使って防いだらこうして……ブツブツ」
「カグヤカグヤ、お気を確かにもつですの!」
「はっ!」
ギルドバトル試合当日、新メンバーたちはガクガク震え状態の渦中にいた。
クイナダは未だにあのやっばい〈エデン〉同士でバトルするのかと戦々恐々で、いつもは明るいカグヤですら上級職の立ち回り方を詰め込みすぎてややパンク気味な状態。
サーシャもカグヤの肩を抱きながら正気に戻していた。
現在、第三アリーナ控え室。
すでにチームは分かれ、〈22人戦〉のために別々の控え室に入って最後のミーティングが始まろうとしていた。
「みなさん、準備はよろしいですか!」
「よろしいわリーナ! 相手チームには悪いけど、ドカンと決めてやるわよ!」
「はい。たくさん予測もしましたし、ゼフィルス殿を一泡吹かすこともできると思います」
「しかし油断はできない。なにしろあのゼフィルスだ。ここに集まった全員の対策を練っていると考えていい」
「ん。だいじょび、全部ぶっちぎる」
しかし2年生組はやる気満々。会場の出入り口に立ったリーナの言葉に、ラナ、エステル、リカ、カルアが燃えていた。
新メンバーにはちょっと眩しすぎる光景。
「ゼフィルスさんとは別チームになってしまいましたが、勝てるでしょうかシャロンさん?」
「とりあえず本拠地は任せてよアイギスちゃん。こっちにはリーナちゃん、ラナ殿下、私、カタリナちゃんのオンパレードが固めまくってるから。安心して当たって砕けてきて!」
「それやられてますよね!?」
まあまあほどよく緊張しているメンバーもいる。
そう、今アイギスが言ったように、ここの控え室はいわゆるリーナチーム。
ゼフィルスのいない、赤チームである。
しかし、だからだろうか。メンバーはかなり充実していてシャロンの言うとおり本拠地を固めるいつもの要塞メンバーが勢揃いしていた。
一度は〈ミーティア〉に抜かれたことはあるものの、あれからだいぶ改善もしたし、いくらゼフィルスでも30分で本拠地陥落は無理じゃないかなというのがシャロンの予想だ。
まあ、その予想は裏切られる気がうっすらしているのは気のせいとしたいところ。
「2年生のみなさんは凄いですわねクラリス。私ももっと見習わなくてはいけませんわ」
「いえ、ほどほどで十分だと思いますお嬢様。これ以上心が強くなられたら私では抑えきれなくなってしまいますからね?」
「アイギス姉さま、なんでみなさんはそんな平気そうなんでしょうか? 私は震えて仕方ありません!」
「えっと、別に緊張していないわけではないのですよ?」
緊張していないと言えば嘘になるが、今までどんな試合でも乗り越えてきた者たちだ。場数を踏んできた数が違う。これが現在の2年生メンバーと1年生メンバーの差だ。
「まあ、相手はあのゼフィルスだ。もちろん他にも優秀なメンバーが揃っているが、こちらだって何重にも策を講じてある。そう簡単にやられはしないぞ、安心するといい」
「たはは~。メルト様の言うとおりだよ! 防御も攻勢もがっつり仕上げてきたもん、そう簡単には負けないから安心してね!」
「【大罪】持ちの先輩の言葉は安心感ありますの」
「たはははは~」
「…………」
珍しく1年生を慰める(?)メルト、しかしサーシャの言う大罪はミサトのことである。
一応作戦参謀としてリーナと作戦を決めてきたのはメルトなのだが、なぜかミサトの方が安心感があった様子だ。頑張れメルト。このギルドバトルで1年生に優秀だとアピールするのだ。
「では、改めてポジションを確認いたしますわね! まずは防衛担当ですが、シャロンさんを軸にカタリナさん、ラナ殿下、そしてわたくしが担当いたしますわ! ハンナさんから受け取ったアイテムなどもあります。このメンバーで守り切りますわ。みなさんは安心して作戦通り動いてくださいまし!」
さて、ここで赤チームのメンバーを紹介しよう。
リーナ、ラナ、エステル、カルア、リカ、シズ、パメラ、メルト、ミサト、アイギス、シャロン、カタリナ、フラーミナ、ロゼッタ、ラウ、カイリ、ノーア、クラリス、アルテ、サーシャ、カグヤ、クイナダの以上22名。
防御も攻撃もバランスの良い構成だというのがお分かりいただけるだろうか。
ギルドマスターのゼフィルスとサブマスターのシエラこそ別チームだが、リーナの言うとおり本拠地を強固に守れ、強力な突破力もある布陣だ。
本拠地が安心なら自由に動くことができる。
むしろシャロンのいないゼフィルスチームに攻勢を仕掛けられるだろう。
「そして攻勢メンバーですが、エステルさん、アイギスさん、ロゼッタさん、アルテさん、〈エデン〉の〈乗り物〉持ちメンバーもこっちに揃っていますわ。さらにカルアさんやパメラさんのような〈エデン〉でも最高クラスのAGI持ちも揃ってます」
リーナがそう安心材料を告げてみんなの緊張を鎮めていく。
そう、メンバー構成を見てみると、なんと〈戦車〉持ちのメンバーがほぼ軒並みリーナチームに所属しているのが分かるだろう。
さらにカルアやパメラなど、足の速いメンバーもリーナチームだ。
電撃戦し放題、本拠地に引っ込めば追撃もされにくいというとんでもないメンツである。
さらには集団をインビジブルできるカイリ、一騎当千の働きができる武将や王系のリカ、ラウ、ノーア、クラリス、クイナダなど強力なアタッカーも多数だ。
もちろんメルトも忘れてはいないし【大罪】のミサトもいる。かなり強大な布陣であることがわかるだろう。
「1年生メンバーは初のギルドバトルということですので、まずはアタッカーを経験してもらおうと思いますわ。しっかり固まって動き、各個撃破されないよう気をつけてくださいまし」
「「「「はーい!(ですの)」」」」
「良い返事です。では、そろそろ移動時間ですわね。初動は〈南西巨城〉と〈北東巨城〉で激突しますわ。みなさん、このフィールドは対人戦が起こりやすいフィールドです。くれぐれも気を付けてくださいまし。赤チーム、行きますわよ!」
「「「「おおー!」」」」
リーナの宣言直後、足下に転移陣が現れてメンバーはみな赤の本拠地へ飛ばされる。
試合開始のブザーが鳴るまで、もうあと僅か。
――――――――――――――――――
後書き! チーム分け!
白チーム。
ゼフィルス、シエラ、シェリア、ルル、セレスタン、レグラム、サチ、エミ、ユウカ、ノエル、ラクリッテ、オリヒメ、エリサ、フィナ、ルキア、アリス、キキョウ、ヴァン、ナキキ、シュミネ、ミジュ、トモヨ。
赤チーム。
リーナ、ラナ、エステル、カルア、リカ、シズ、パメラ、メルト、ミサト、アイギス、シャロン、カタリナ、フラーミナ、ロゼッタ、ラウ、カイリ、ノーア、クラリス、アルテ、サーシャ、カグヤ、クイナダ。
これはある意味ゼフィルスVSいつものゼフィルス戦法。
ゼフィルスは自らのゼフィルス戦法に勝てるのか!?
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