第1332話 お披露目後半!マリー先輩もアルルも最高だ!
装備のお披露目会はまだまだ続いて、後半に突入する!
「続いてはこのギルドに巫女さん登場!? しかも狐耳のおまけ付きで最強か!? 元〈エデン店〉子ども従業員リーダー――巫女狐のカグヤや!」
「〈金箱〉産の巫女装備って性能全然違うんだね~。見た目も豪華だしすっごく強そうだよ!」
「「「おお~!」」」
カグヤの姿は――やっぱり巫女服だった!
〈ダン活〉ではなぜか〈木箱〉産や〈銀箱〉産装備でも巫女服があるのだが、〈金箱〉の巫女服はバージョンアップのパワーアップ。その名も〈
前の巫女服はシンプルなちんまいミニスカ巫女だったが、今度の巫女服は改造度が増し増し。
ミニスカ巫女は変わらず、ノースリーブにアームカバーと巫女袖。足は黒の
以前は杖装備だったが、今は赤色の宝石のようなタリスマン装備に換装していた。
「パワーアップ巫女さんです!」
「わ、シェリアちゃんが復活したよ!?」
「生きてた!」
後ろがまたざわめいていたが俺は構わずスクショを撮る。
カグヤも可愛いぞ! パシャシャシャシャシャ!
「はいはーい。それでは続いて――え? そろそろ男子も入れろ? ほいほいわかったわ。ちゅうことでここで唯一の男子君に登場してもらいましょう~。意外に〈エデン〉には居なかった!? 鉄壁のガチタンク装備を身に包む、ヴァン君の登場や!」
「これはうちが手がけた最高傑作やで!」
マリー先輩とアルルの言葉が終わると、メルトの「出番だ。行け」という微かな声と共に鎧の騎士が登場する。
「「「「おお~!?」」」」
ヴァンが登場したとき、会場ではざわめきが木霊した。
その姿は、まるで物語の主人公が来ているようなシンプルにかっこいい騎士鎧だったからだ。それは〈
全身白を基調とした金属製鎧で覆われ、背中には白いマント。
左手には巨大な白のタワーシールドの両手盾、右手には普通は両手で使う様な2メートル近い杖が握られている。
「迫る敵は、自分が払うであります!」
「「「おお~!」」」
「かっこいいぞヴァン!」
決めゼリフまで用意してきた!
きっとメルトの仕込みに違いない。メルトは割とこういう凝ったことをするのだ。
いや~、かなりかっこいい、ガチガチのガチタンク装備だった。
アルルが自信作というのも頷ける。
ヴァンの雰囲気が騎士っぽいからこそ、この鎧のチョイスなんだろうなぁ。
おっとスクショを撮らなければ。パシャパシャ。
「さーてお次は、おっとこちらは〈エデン〉で唯一の留学生! 遠路遙々本校に来て勉強するどころか驚かされる毎日でちょっと心配な、クイナダはんや!」
「それはどういう、いえ。事実なんだけど! ほ、本当にこんな良い装備もらっちゃって良いの!?」
「ええのええの、それ貸与やから。詳しくはセレスタンはんに聞いてな~」
なんだかおっかなびっくりで出てきたのは、クイナダだ。
「「「かっこいい~!」」」
「そ、そう、かな? 似合ってる?」
「似合ってるよ~」
女子からの評価がとても高く、クイナダが緊張しながらも照れるような表情をしている。プライスレス。
クイナダの装備は留学してきたときのピンク色の改造和風装備を、今度は黒を基調としてバージョンアップさせたような見た目の装備だ。〈
相変わらず和服にスカートという奇抜さ、かっこよさを兼ね備え、黒の上着に赤のスカートを履き、和服には何かの花の絵が白色で描かれていた。
頭のポニーテールに刺さった
武器は薙刀だったが、今装備しているのは青竜刀に近い巨大な黒刀武器である。
いやぁ、そんなもんぶん回されたらマジでひとたまりもないぞと思わせるようなゴツい武器だった。しかし、それがかっこいい。パシャパシャ。
ちなみにこれも貸与品なので、貸すだけです。気に入ったら買ってね!
「では次行ってみようか~。言動がもう年下とは思えない。慈愛と面倒見の良さで子どもたちを魅了する保母さん。むしろお母さん。シュミネはんや~!」
「お母さんではありません。でも保母さんの呼び名は良いかもしれませんね」
そう言いながらやってくるシュミネ。ステージの奥からは「私たちは園児ってことっすか!?」「不服」と声が聞こえてきた気がしたが、気のせいかもしれない。
シュミネの姿は黄緑色と橙色を基調としたワンピースのようなデザインだった。いや、よく見れば
何枚か色違いの服を重ね着しているような色合いで、威厳があるように見え、守護する者としての貫禄すら出ているように感じた。
エルフのような民族衣装にも近くまさに【世界樹の番人】のシュミネにぴったりな装備だ。これは〈
頭には植物の蔓でできた三つ編みカチューシャ、首下のリボンの中心には黄色の大きな花がある、チャームポイントだな。
ケープを羽織っているので袖があるか分からないが、手には黄緑色のハンドドレスがつけれていた。
前の武器は杖だったが、今はタリスマンに換装し、カグヤとは違うエメラルドグリーンに輝く宝石のようなものとなっている。
すげぇ。かっこいいとも、可愛いとも、美しいともつかない装い。でも似合っている。
これは凄いぞ! パシャパシャ。
「どや、かなり要望を叶えたと思うで」
「さすがはマリー先輩だ! ――シュミネ、凄く似合ってるぞ」
「ありがとうございます」
後ろ姿は村娘にも見える服装なのに前を向けば威厳すら感じる、マリー先輩の本気を垣間見たぜ。
「ほな、次行ってみよか~。残りは2人、続いてはアルルと同じドワーフ。ただこっちは戦うドワーフさんっちゅうことでアルルがやたら気合い入れてたで!」
「もちや! ドワーフでも戦闘で大活躍出来るっちゅうことを見せてほしかったんや!」
「期待が重くのしかかるっすよ!?」
「ということでナキキはんの登場や!」
続いて登場したのはナキキ。
なんだかおっかなびっくりだ。気持ちは理解できる。なんかアルルの目力がすごいもん。
ナキキは、一見軽装に見える露出の高い装備を着ていた。一言で言うと、砂漠に住んでいそうな民族衣装と形容すればいいだろうか。名前もまんまで〈
橙色を基調とし、少しだぼっとした長ズボン。上はヘソ出しというかお腹丸出しで胸から上のみしかない短い服装備。そこにいくつも革ベルトがくっついていてなかなかにゴツい見た目だ。腕と靴は金属とレザー系。全体を見ると、タンクなのに全然鎧部分が無いように見える。でも鎧装備なのが〈ダン活〉のすごい所だ。
装備は右手にデカいウォーハンマー系の両手槌。左手にはタワーシールドの両手盾を装備している。
盾で防ぐも良し、ウォーハンマーで破壊し吹き飛ばしても良しだ。
うーん、こうロリで軽装な見た目で大型武器を軽々と振り回す姿はマジでロマンを感じる。パシャパシャ!
これの制作者はロマンを分かっているな! 俺はマリー先輩とアルルにグーを送った。
もちろんグーで返されたよ。
「さて、いよいよ最後になったな! ラストはこの子、こんな見た目で強すぎやない? 聞いたこともない
「やっと出番。どう?」
「「「おおー」」」
「可愛いー」
「よく似合ってるぞミジュ!」
最後に登場したミジュは、なぜかお疲れ気味だ。
待ち時間が長かったのかもしれない。
そしてその姿は、ナキキやカルアと比べてもさらに軽装だった。
下はゴツいベルトのレザーショートパンツ、上は胸とお腹のちょっと上くらいしか覆えていない服と言っていいのか疑問な装備。しかし上着に大きな緑色のレザーコートを着ており「こいつ、エージェントか!?」という只者では無い風格を見せていた。小物でサングラスを掛けているところもとても良い。
両の拳は肘まで覆う金属とレザー製で、足もレザー系に加えて金属の膝当てを装備していた。
「……むふ」
あ、ちょっと嬉しがっていますねミジュ。
疲れたみたいな雰囲気を出していてもやっぱりミジュだった。
そんなところもみんなに人気だ。パシャパシャ。
「以上や! 兄さん、どうやこの出来は?」
「素直な感想をお待ちしているで!」
「もうマリー先輩もアルルも最高だ! よーし、今日はこのまま打ち上げにするぞーー!」
「昨日もやったのに!?」
「それは明日ね。まずは新装備の慣らしにいかないと」
「そ、そんなー」
マリー先輩とアルルにダブルでグーを出すも、打ち上げはシエラに明日、つまりギルドバトルの終わりまで我慢を告げられた。残念。
しかし、これで全員上級装備だな。レベルは足りていないが、装備の充実は出来た。これで新メンバー組もそこそこ戦えるだろう。
ギルドバトル当日が、とても楽しみだ!
そしてあっという間に練習ギルドバトル当日がやって来た。
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