第1326話 上級職ランクアップ! ハイシュミネ編!
話を詰めたところ、それなりに臨機応変に対応するところも出てきてしまった。
〈鉱ダン〉に行けるか否かは上級中位ダンジョンの攻略状況にもよるだろう。
まあいい。行けなければダンジョン週間で時間を見つけて行けばいいだけのことよ!
あと夏祭りのスケジュールは、なんか時間掛かったけど終わらなかった。
まあ、あと1ヶ月以上あるのでゆっくり決めてほしい。俺からは何もなし!
とりあえず夏休みにやるべきことが大体決まった!
帰省者が出ずみんな学園に残れるなんて素晴らしい!
早速行動に移る。
何しろ、〈エデン〉練習ギルドバトルを開催するのだ!
しっかり1年生を育成しないと!
ということでそれから放課後はシュミネ、ナキキ、ミジュの育成に入った。
ヴァンたちやノーアたちのパーティは他のメンバーに任せる。
ということで会議を行なった翌日。その放課後にはシュミネたちのLVは75カンストしていた。ついでに
さーて、じゃあ早速〈
「まずはシュミネからだ!」
「はい! 昨日宣言されていたとおりとはいえ、さすがはゼフィルス様。やることが大きい……」
シュミネが俺を見つめる目に熱がこもっているのを感じる。
尊敬の眼差しというやつだ。
いやぁ、参っちゃうなぁ(全然参ってない)。
場所は測定室。シュミネ、ナキキ、ミジュの3人に装備へ着替えて貰い、俺たちは4人でここを訪れていた。
3人は〈エデン店〉で過ごしてきた影響でサーシャたちみたいな「LVカンスト即〈
こほん、では気を取り直していってみようか。
トップバッターはシュミネだ。お母さんだからな。
「頑張ってっすお母さん!」
「お母さん……」
「誰がお母さんですか。2人とも、からかうのでしたらもう面倒見てあげませんよ?」
「やっぱりお母さんじゃないか?」
最近は面倒見の良さからシュミネが2人のお母さんと周知され始めている。
その影響かナキキとミジュの甘えが前より増しているらしい。
こんな感じでからかっているようで甘えまくるところを見るのも少なくないほどだ。
シュミネ的には
だからこそ2人も存分に甘えているみたいだ。うん、お母さんだな。3人とも歳同じだけど。
「こほん。ゼフィルス様。どうぞお気になさらず続けてください」
「了解。――2人ともおとなしくしてような」
「パパっす!」
「お父さん?」
「誰がお父さんだ」
あれだな。もうナキキとミジュは子どもモードだな。
後で気を引き締めさせよう!
しかし「パパ」、「お父さん」か……。
その呼ばれ方はちょっと悪くないと思ったの秘密にしておこう。
というわけでシュミネに向きなおる。
「ではまずシュミネの上級職だが、俺は【世界樹の番人】に就いてほしいと思っている」
「【世界樹の番人】……ですか」
下級職、高の中の【アルフの守り手】。その上級職は、高の上【世界樹の番人】。SUPは35になる。
これが結構重要な
能力的には結界と回復特化だが、結界はミサトみたいなバリア系とは違う系統で幻術系結界の適性が高い。『迷いの森』の上位ツリーはギルドバトルで猛威を振るっていたな。競技中に相手を妨害する手段が増えるって結構大きい。
サポート系
タンクとの相性も良く、非常に便利で人気が高かった。
〈エデン〉のヒーラーとしても是非欲しいところ。
また、【アルフの守り手】にはもう1つ【エンシェントサンクチャリエ】というバリアや幻術系結界など様々な結界に特化した魔法系のデバフタンクへ向かう道もあるのだが、こちらは上級職、高の中なのでスルーで。
果たしてシュミネは?
「もちろんです。以前からゼフィルス様が言っていた【世界樹の番人】ですね。喜んで就かせていただきます」
「その言葉を待っていた!」
ふう、安堵。
実は【世界樹の番人】に就くことは前々からシュミネに打診していた。
というより【アルフの守り手】になる前に【世界樹の番人】にならないか? と提案し、その下級職である【アルフの守り手】に就いてもらったのが真相だったりする。
新メンバーの中で、なぜエルフであるシュミネが下級職、高の中である【アルフの守り手】に就いたのか、実はそこに理由があったからだ。
以前、同じ【アルフの守り手】のエイローゼルという現在のAランクギルド〈新緑の里〉のギルドマスターをスカウトしたこともあったが、これは断られていたんだ。
ようやく【アルフの守り手】、そしてその上級職【世界樹の番人】がギルドに加わってくれた! これで色々安心出来る。
早速シュミネに【世界樹の番人】へ〈
「準備するのはやはりこれ、〈精霊の果実〉だ」
「! これほど貴重な物を、持って来てくださったのですか?」
「これがないと〈
【世界樹の番人】に就くには〈精霊樹の幼い実〉や〈精霊の果実〉などの「神」カテゴリーの〈実〉が必要である。
これは以前ドロップした〈精霊樹の成樹〉の実だな。
復活系アイテムの素材、〈精霊の果実〉が採取できる上級のギルド設置型アイテムだ。
これは〈救護委員会〉で管理されているのだが、この前行ったら3本に増えてたんだ。〈救護委員会〉も順調に〈金箱〉をドロップしている様子だ。
「それを食べてくれ。そのままパクリと」
「え?」
「それは加工すると復活用アイテムにできるが、果実だけでも使用はできる。その場合はただのHP回復アイテムだがな。さ、パクッと食べてしまいなさい」
「は、はい!」
リンゴにも似た〈精霊の果実〉をパクリと囓るシュミネ。
するとパリンと果実が砕けるようにしてエフェクトに散る。
おお~。ポーションとは演出が違うんだな。
使用するにはポーションなどのように飲食が必要だったのだが、料理アイテムというわけではなく、薬系のアイテムなのでこういうエフェクトになった様子だ。
ここにニーコが居れば「興味深い、勇者君、研究のために100個くらいくれたまえ」とか言いそうだ。
「え? あれ? 砕けてしまいましたが、これでよかったのでしょうか?」
「シュミネは今HPマックスだから何も起こらない感じだが、条件は使用するだから問題は無い。ちゃんと使用できてるぞ。続いて〈
「天進……。エルフがハイエルフに進化するときに使う天の宝玉、ですか」
「ん? 【世界樹の番人】はハイエルフなのか?」
「はい。世界樹を守護するのはハイエルフであると私のいた里にも言い伝えがあります。【世界樹の番人】はハイエルフですね」
「ほう! それは初めて聞いたぞ!」
新しい〈ダン活〉情報ゲット!
〈ダン活〉では【ハイエルフ】と書かれているものはみんな
だが使う〈宝玉〉は進化を促す類いの〈
なぜ【世界樹の番人】に〈
「では、使わせていただきます」
シュミネが〈
うむ。美しいエルフがそれをやると、相変わらず
エルフはシェリアに続いてまだ2人目だけどな。
取り込んだシュミネが一息入れて顔を上げたところを見計らい〈上級転職チケット〉を渡す。
「後はそれを持って〈竜の像〉に触れるだけだ」
「はい。いってきます!」
しっかりと頷いたシュミネは俺から〈上級転職チケット〉を受け取ると、〈竜の像〉へタッチする。
すると、しっかり【世界樹の番人】が現れていた。
一度俺に目配せしてくるシュミネに親指を立ててゴーサインを送る。
コクリと頷いたシュミネがジョブ一覧に目を戻し、一拍おいてタッチした。
他の一覧がフェードアウトして消えていき、【世界樹の番人】がシュミネの上に輝く。
「おめでとうシュミネ。これでシュミネも上級職だ」
「おめでとうっす」
「おめ」
「ふふ。ありがとうございます。これからも誠心誠意頑張りますね」
これで〈エデン〉のヒーラー枠もだいぶ埋まったかな!
――――――――――
後書き失礼いたします。
SUP35について。質問があったのでここに記載します!
・これは「下級職、高の中」→「上級職、高の上」になった
・ちなみに「下級職、高の上」→「上級職、高の上」になるとほぼSUP36以上になります。(覚醒の光発動)
・例外はアルルのような生産系のみ。生産系は最大で35までなので「下級職、高の上」→「上級職、高の上」になってもSUP35となります。(覚醒の光は無し)
以上となります!
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