第949話 順位予想?解説のユミキさんどこが勝ちますか?




「さあああああやってきましたーーー! Sランク戦で熱くなったのがついさっきのはずなのに、まだまだ熱は治まらない! 今度はAランク戦〈拠点落とし〉の開催だーー!! 実況は再びこのキャスと!」


「スティーブン。そして特別ゲストのユミキさんでお送りさせていただきます」


「〈調査課3年1組〉のユミキよ。〈エデン〉の活躍を見に来たわ」


「ユミキさん〈エデン〉以外も見てあげてくださいね」


「でもでもスティーブン君、なんで私たちここにいるの!? さっきSランク戦の実況していたはずなのに? こんな大役2連続なんてしていいのかな?」


「良い質問ですキャスさん。それはこのAランク戦の実況をする予定だった方が謎の腹痛で来られなくなってしまったためです。そこでスケジュール的に途中で試合終了となって時間的に余裕のあった僕たちに話が回ってきたようですね」


「因果な話だね~。というか謎の腹痛って何さ!? 何か悪いものでも食べたの!?」


「いえ、ここまで注目されている〈拠点落とし〉を実況するのに、精神が耐えられなかったとか」


「まあ、かなりの大企業さんや大物さんたちが来ているものね。その方々にはしっかり療養してもらいたいわね」


「貧弱!」


「これは手厳しいですね」


「とまあ、そんなわけでSランク戦に引き続き、私たちが実況、解説をすることになったけど! まずはスティーブン君、概要説明!」


「そうですね。今回はAランク戦〈拠点落とし〉です。Bランクに位置する18の戦闘ギルドが6席あるAランクの座を競うバトルロイヤル形式ですね」


「つまり生き残りが6ギルドになった時点、もしくはタイムアップ時にポイントの高かった6ギルドがAランクに昇格するということね」


「うんうん。さすがはスティーブン君とユミキさんの解説は簡潔で分かりやすいね!」


「ありがとうございますキャスさん」


「では、会場のみなさんも気になるあれ、行ってみましょうか! ずばり、勝ち抜く6ギルドはどこだと思うスティーブン君、ユミキさん!?」


「来ましたね。会場もとても気になっている様子ですので、解説していきましょう。参考となるものがあります。Bランクにはそのギルドの数の適度さ、そして注目度から非公式ではありますが、ランキングなるものが存在します。これは多くの学生からアンケートを取りまとめているため割と正確な予測が立てられております。では取りまとめている学園ニュースの情報員、ユミキさんにこの後は紹介してもらいましょう」


「いいわよ。今回のAランク戦は戦闘職のBランクギルドが全て集まり対戦するために、この非公式ランキングがとても参考になると思われるわ。つまり一位~五位のギルドが勝ち抜く可能性が高いということね。ちなみにこのランキングは学園ニュース〈学園の鳥〉が学生の要望や意見を纏めたものなのでそれなりに信憑性があると思っていいわ」


「あれ? 五位? 六位の間違いじゃないの?」


「いえ、五位までであっているのですよ。実は月の初めごろにBランク入りしたとあるギルドがランキングに加わっておりませんので」


「読めたよ! 〈エデン〉でしょ! 今話題沸騰中のあのギルド!」


「はい。〈エデン〉はこの〈拠点落とし〉の優勝候補です。当然勝ち抜き枠に入っていますね。ランキングにはなぜかランクインしておりませんが」


「というより評価がつけられなかったというのが真相ね。何しろ寄せられる意見や評価が軒並み〈エデンは一位〉としか書かれていないのだもの。そのため〈学園の鳥〉では〈エデン〉を評価規格外と認定していたわ」


「まあそうなるよね! 分かりみしかない! ではでは~その非公式ランキングの一位から五位までを発表してもらいましょう!」


「ではまず一位から行きましょう」


「あ、一位から行くんだ!? 五位からじゃないんだ!?」


「〈エデン〉のおかげで一位を最後に回しても悲しいことになりそうだものね。スティーブンさんに任せるわ」


「では第一位。これは〈サクセスブレーン〉がランクインしています」


「〈サクセスブレーン〉といえばこの夏から急に話題沸騰してきたあのギルドだね!」


「はい。〈サクセスブレーン〉は驚いたことにこの夏からBランクギルドに名を連ねたにも関わらず非公式ランキングでは一位に認定されているギルドです。数々のギルドから様々な交渉やスカウトで上級職を引き入れ、今ではその数なんとBランク異例である14人、いえ、先日さらに増えて15人が上級職へと至っているとか。現在最もAランクに近いギルドといえます」


「ほう、ほうほうほう! でも15人! それが少ないと感じてしまうのはとあるギルドに毒されているからかな!?」


「こらこら、ここで〈エデン〉の話に行くと話が脱線するわよ」


「では二位に行ってみましょう」


「おっと失礼! スティーブン君お願いね!」


「第二位は〈筋肉は最強だ〉ですね。通称マッスラーズという呼び名の方が有名でしょうか」


「以前は第一位だったのだけど、一つランクを下げているわね」


「はい。少し前の〈転職制度〉で全員が【筋肉戦士】に就いた異例のギルドです。LVがリセットされてしまったため順位を二位へと落としましたが、それでも二位までにしか下がらなかったとんでもないギルドでもあります」


「みんなのトラウマ製造機、なんてあだ名が付けられているって聞いたことあるよ!」


「そして第三位、以前は〈カッターオブパイレーツ〉という名の強力なギルドがランクインしていたのですが、〈エデン〉に食べられてしまい今はCランクに落ちてしまいました。そして繰り上がってきたのが〈新緑の里〉ですね」


「エルフのギルドだね! 人数が少ないって聞くけど!」


「はい。エルフさんはどうやら特殊な環境を必要とするようで、その設備を整えているためエルフ以外に枠を使うわけには行かないと、他の種族は参加できないことになっているわけですね」


「それで人数が少ないのか~、確か25人いないんだっけ?」


「現在23人ですね。この〈拠点落とし〉のため無所属の人を2人入れたのか、それとも23人で出場しているのか、それは分かりません」


「私の情報によれば、臨時でも加入はさせていなかったようよ。23人ね」


「おっと、ユミキさん情報ありがとうございます」


「23人しかいないのに三位判定とか、四位以下のギルドさんもうちょっと頑張って!」


「では続いて、第四位ですね。ここは〈氷の城塞〉ギルドです」


「第四位! なのにごめん、あまり聞いたこと無いギルドだね!? え? Bランクは全部知っているはずなのに本当に聞いたこと無いんだけど!?」


「キャスさんご明察ね。実は〈氷の城塞〉は少し前までDランクにいたのよ」


「え!? Dランク!?」


「そうよ。それで先月ギリギリでCランクに上がったのだけど、〈エデン〉の要塞本拠地を見て覚醒。一気に化けて一昨日Bランクに至り、それが切っ掛けで非公式ランキング第四位まで上がってきた今とても勢いのあるギルドよ」


「制度上、ほぼ最短期間で昇格してきたギルドでもあります」


「なんと!? つまりは1ヶ月ちょっとでDからBランクへ駆け上がったということ!?」


「ええ。もし勝ち残れば1ヶ月ちょっとでDからAランクに至った最短昇格ギルドホルダーの名を手にするかもしれないわね」


「ほう。注目のギルドですね」


「なんか熱いねそういうの! 是非〈氷の城塞〉には頑張ってほしいな!」


「では最後、第五位に行ってみましょうか。第五位は――ギルド〈世界の熊〉です」


「出たね~、あの熊さんギルド!」


「名前は癒し系ですが、普通に強いです。パワーではどこのギルドにも負けません。六位の〈ハンマーバトルロイヤル〉ギルドと〈決闘戦〉をして大差を付けてパワーで勝利したのは記憶に新しいですね」


「熊人さんがクマにまたがって駆けてくるもんね~。あれはすごかったよ」


「熊騎兵ですね」


「クマはボスに多いモンスターだからかなり強いのよ。テイムされたクマの実力は並じゃないわね」


「偽グマも多いけどね」


「そしてここに〈エデン〉が加わって、この6ギルドがAランクに進む可能性が高いギルドというわけですね」


「解説ありがとねスティーブン君! ユミキさん! では次にスティーブン君から見た、勝ち抜き候補ギルド、注目のギルドを言っていきましょう!」


「いいですね。さきほど言ったのはあくまで非公式ランキングの上位の話。〈拠点落とし〉で勝ち抜けるかはまた別の話ですから。どんどん行きましょう。ユミキさんから見た勝ち抜くギルドの候補も是非教えてほしいです」


「構わないわよ。まず注目なのは――」



〈順位〉Bランク非公式ランキング〈公開〉

〈サクセスブレーン〉    一位

〈筋肉は最強だ〉      二位

〈新緑の里〉        三位

〈氷の城塞〉        四位

〈世界の熊〉        五位

〈ハンマーバトルロイヤル〉 六位

〈弓聖手〉         七位

〈集え・テイマーサモナー〉 八位

〈サンダーボルケーション〉 九位

〈表と裏の戦乱〉      十位

〈炎主張主義〉       十一位

〈明るい光の産声〉     十二位

〈零の支配〉        十三位

〈ダンジョンライフル〉   十四位

〈中毒メシ満腹中〉     十五位

〈ミスター僕〉       十六位

〈クラスメートで出発〉   十七位


〈エデン〉   評価規格外――S位




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る