第483話 〈3号馬車〉〈シャインブレイカー号〉!
前書き
メリークリスマス! プレゼント+3話!!
こちら本日2話目です。本日まだ読んでいないという方はバック!
また、後書きに素敵なプレゼントを記載しております。
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その日から〈上級転職チケット〉集めのボス周回が開始された。
場所は
俺はさっそくニーコを捕まえ、そのまま「ぼくは研究がー」と叫ぶニーコを連れてダンジョンに突入したのだ。
メンバーは俺、シエラ、メルト、アイギス、ニーコの5人。
俺とシエラ、メルト、アイギスは攻略済みだが、ニーコはここのダンジョンは初めてなので第一層からの攻略だ。しかし、のんびり攻略している暇は無い。だって今日は夏休み採集日……、じゃなかった、夏休み最終日だものな!
ということで〈馬車〉が使えるエステルかアイギスにお願いしようと思っていたのだが、ちょうどアイギスが部屋にいたので誘ったらOKをもらえて今に至る。
「あのー勇者君、ぼくはね、オーケーを告げた記憶が無いのだがね? 夏休みの最後の日は自由研究をするってお約束を知らないのかね?」
「そんなこと気にしなくてもいいぜニーコ。大丈夫だ、今日はお宝をガンガンゲットする日だからな! 研究材料には事欠かないぜ!」
「わーい、ぼくの話を聞いてなーい」
「むしろ今日からずっとダンジョン週間に参加してもらうぜ! お宝、好きだろ?」
「……大好きさ。まったく仕方が無いな君は……」
なんだかニーコが乾いた笑いをしていたのが少し気になったが、大丈夫だろう。
ちなみにニーコの自由研究は〈エデン〉が持っている装備品の能力の検証だった。
それはそれで心惹かれる思いがある、ゲームの画面とリアルの現象はまったく違うのだ。が、それはいつでもできる。今は〈上級転職チケット〉の確保に力を注いでおくれ。
「やれやれ、こりゃ学生時代は研究があまりできそうにないね。ギルドに入ったのは早まったかな……」
おっとこれはまずい。ニーコに抜けられてはたまらない。
俺は特典を追加することにした。
「特典追加、俺が知っていることなら色々と教えてやるぜ?」
「それを早く言いたまえよ! では道中この装備品の詳しい使い方を教えてもらおうじゃないか!」
俺の持つ情報爆弾の威力を知っているニーコの目に輝きが戻った。
よかったぜ。ニーコにはまだまだダンジョンで頑張ってもらわなければならないのだ。
話が一段落したところで〈馬車〉を出し終え、準備の終えたアイギスが話しかけてきた。
「お待たせいたしました。〈シャインブレイカー号〉の準備が出来ました」
見ると金色に光る〈最上級からくり馬車〉、〈エデン〉の中では〈馬車3号〉に分類される〈シャインブレイカー号〉が鎮座していた。
これは夏休み中に寡黙な先輩、もといガント先輩に〈最上級からくり馬車〉の作製を依頼しておいたものだ。
見た目は〈1号〉の〈サンダージャベリン号〉と似ているが、少し違う部分を設けてある〈シャインブレイカー号〉の方は、御者席と助手席の上に日陰を作るようにして新幹線の頭のような楕円の突起が2つ生えているのだ。
なんだかパカッと開いてミサイルでも撃ちそうなかっこよさがある。
また、負けじと〈サンダージャベリン号〉の方も一部オプションを取り付けてあり、稲妻型の角が馬車と馬に付けられていた。馬がユニコーンに進化していた。
ちなみに効力は特に無い。見た目がかっこよくなっただけだ。うん、馬車が雷を帯びていそうでちょっと強そう、に見えるな。
さて、それはともかくだ、準備が出来たようなので出発しよう。
「よし、じゃあ行くか。メルトとシエラ、ニーコは中に入っていてくれ。俺は助手席で道案内するから。――アイギス、頼むぞ」
「はい! お任せください!」
前半はシエラたちに、後半はアイギスに向けて告げ、準備に動く。
「これが〈シャインブレイカー号〉か、内装も結構違う。なんだか、生活環境が整ってるな?」
メルトは初めて入る〈シャインブレイカー号〉内をキョロキョロ見渡していた。
そこにシエラが並ぶ。
「最上級の〈馬車〉のスキルには『テント』があるから、今後利用するかもということで不便無く使えるように整えてもらったのよ」
うむ、シエラの言うとおりだ。
やはりあの合宿は無駄ではなかったな。
一度ダンジョンの中で過ごしたことで色々思うところがあった様子だ。
この〈馬車〉だって、別にキャリーするだけなら最上級で作る必要は無かった、むしろ〈2号〉があったので作ることすらしなかったはずだ。しかし、合宿で女子は〈馬車〉で、男子はレンタル仮設テントで過ごしたことに少し思うことがあったらしく、もう一つ〈馬車〉を最上級で作ることになったのだった。つまり〈シャインブレイカー号〉は男子用の〈馬車〉ということだな。
ということで、晴れて女子用となった〈サンダージャベリン号〉もこの夏休みで内装を大きく改装している。ぬいぐるみがたくさん置いてあったのは眼の錯覚だろう。
「勇者君? 道中に教えてくれるという話ではなかったのかね? 君がそっちに行くと会話が限定されてしまうのだけど?」
「ま、そういうこともあるさ」
ニーコがジト目で見てくる。
おお! ニーコのジト目か!
うむ、ニーコのジト目も良いものじゃないか。
内心少しテンションが上がりながら俺は助手席に座り、しぶしぶニーコは〈馬車〉の中に乗り込んだ。
その後は襲い掛かってくる恐竜モンスターを
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後書き失礼します!
書籍化&コミカライズ化・同時決定!
詳しくは近況ノートへ!!
次話は本日14時投稿します!
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