第161話 笛二回目の使用とレアボスの説明。
「さて、今から笛を吹きます!」
「私が吹くわ!」
「ダメ」
「なんでよ!」
取り出したるは超激レアアイテムの1つ〈レアモンの笛(ボス用)〉。
これを吹けば70%の確率でレアボスをツモる事が出来るスペシャルアイテムだ!
過去に一回だけ使用し、その時は〈エンペラーゴブリン〉と盛大に遊んだ。今回も遊び尽くしてやる!
そんなスペシャルアイテムを、何故かラナが吹くと言い出したので却下しておく。
「ちなみにこれはギルド共有アイテムじゃなく、俺の個人の物だから。そこんところよろしくな」
「むう。それなら仕方ないわね」
理由を告げたらおとなしく引き下がるラナ。この意外に素直なところが美徳である。可愛い。
この〈レアモンの笛(ボス用)〉はソロで挑んだ時のドロップなので俺個人の物扱いだ。悪いがこれは譲るわけにはいかないな。
ちなみに同じく当てた〈幸猫様〉はギルド設置型アイテムなので誰の所有とか関係無しにギルド行きだ。おかげで日々魔の手にさらされ続けている。今は他のぬいぐるみたちのおかげで随分緩和されたが、たまに気がついたらラナの膝の上に居たりするので油断ならない。
「それで、今回のボスは? 確か通常の敵は〈竹割太郎〉だったわよね?」
「レアボスだから強いよね。私の魔法で戦えるかな?」
「強さはどれほどでしょう? 確かレアボスは一段格上のステータスを持つと言われていますが。中級クラスのボス、という事でしょうか?」
何故かシエラ、ハンナ、エステルが軽く手を上げるポーズで聞いてくる。何そのお
ほら、ラナも参加しようと何か質問を考えて、でも思い浮かばなくて頭を抱えているぞ?
「一遍に言い過ぎだ。1つずつ答えてやるからちょっと待ってくれ」
「思いついたわ!」
「ややこしくなるから後で聞く」
結局ラナも同じポーズで参加し、参加していないのは俺だけになった。ちょっと寂しい。
「まずシエラからな。今回のレアボスは〈
ブツブツ何かを唱えながらセグウェイに乗って迫ってくる歌舞伎顔のからくり陰陽師。これもなかなかの迫力があるな。
前回の〈竹割太郎〉が火、氷、雷属性を使う物理型アタッカーだとしたら、今回の〈陰陽次太郎〉は魔法型アタッカーだな。
「単体だが、例のセグウェイに乗っているから移動速度がかなり速い、移動砲台でガンガン魔法を放ってくるぞ。近接攻撃でデカいダメージが入るとバックで逃げる特性があるせいで近接アタッカーやタンクが中々捕まえられない厄介な相手だ」
まあ、やり方次第だがな。考え無しに追いかけっこすると中々捕まえられないという話だ。
「次にハンナの質問だが、INT263で中級魔法ならかなりのダメージだな。普通に戦えるから安心しろ」
「よかった~」
ハンナは〈マザーマッシュ〉狩りのおかげで【錬金術師LV47】に上がりRESが263まで上がった。〈マホリタンR〉を使えばINTと入れ替わって魔法アタッカーのできあがりだ。
あと、ハンナは【錬金術師】で作製した毒アイテムを多数所持している。前回の〈毒茸の岩洞ダンジョン〉で大量の毒をゲットしたからな。それを元に『調合』『錬金』したアイテム群だ。しかし、相手はからくり型モンスターで毒無効を持っているのが辛いところ。毒アイテムのお披露目はもう少し先だな。
「次にエステルの質問だが、その認識で合ってるぞ。レアボスは一段格上のステータスを持つ。一足先に中級下位ダンジョンのボス相当の相手とやり合えるわけだな」
全員がLV40を大きく超えて3段階目ツリーまで解放しているので問題なくやり合える相手だ。
じゃなければここまでわざわざ来ないしな。
「了解しました」
エステルも納得したように手を下ろすと最後のラナに向き直る。
「最後のラナの質問だが…、忘れた。なんだっけ?」
「まだ伝えてもいないわよ!」
そうだった。だが即興で思いついた質問だ。たいしたことないに違いない。
「その〈ほんのうじ太郎〉? の〈ユニークスキル〉ってなんなの?」
「色々ツッコミたいけど意外とまともな質問でびっくりした!」
〈
「〈ユニークスキル〉は『
つまり8本のデカい斧が降ってくると思えばいい。これまでの魔法攻撃は撃つ系が多かったが、この『太郎流・
「属性を纏ってるから結構威力あるぞ。気をつけろよ」
「分かったわ。あ、そうだ。もう一つ聞きたい事があったのよ」
「なんだ? なんでも聞いて良いぞ」
「笛って失敗した時ボスってどうなるの? やっぱり消滅して再リポップとか?」
「ちょ、これから笛吹くって時に失敗の話なんてすんなし!」
フラグが立つだろう!?
ちなみに答えはボス部屋の中は分からないだ。だって壁に覆われてるし門閉まってるからな。中が見えなければ観測しようが無い。というか、なんでそんな事が気になったの?
その後、作戦会議をして笛を吹いてボス部屋に入ったところ。
「ビビビビビィ!」
「ほらフラグ立ったままじゃねぇか! エステル先生、やっちゃってください」
「は、はあ。分かりました」
出迎えてくれたのは通常ボスの〈竹割太郎〉だった。多分そうだと思ったよ!
ラナぁぁ!
「ビビビ……ビィィ……」
エステルに任せて1分後。セグウェイ破壊からの、集中攻撃、スリップダウンを取ったところで、エステルの〈ユニークスキル〉『姫騎士覚醒』を使ってフルボッコにして片が付いた。
エフェクトの海に沈んでいく〈竹割太郎〉は「そんなーもう終わりー」と言っていた気がしたがきっと気のせいだろう。
ちなみに、俺の指示に最初は困惑していたエステルだったが〈雷オヤジモード〉を打倒して今は満足げな顔をしている。
「さ、次行ってみよー」
次こそはレアボスを引き当ててやる!
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