第93話 ステータス回!〈姫職〉組、2段回目ツリー取得




 【盾姫】は二段階目のツリーでヘイトを取る〈スキル〉が2つ解放される。

 『ガードスタンス』と『シールドスマイト』だ。


 『ガードスタンス』は『挑発』と違い、無差別にヘイトを取ってしまうので注意が必要だ。


 今までシエラは『挑発』を巧みに使い、4体のモンスターの内3体のヘイトを狙って取り、残りはアタッカーに任せるなど立ち回っていたが、『ガードスタンス』は戦闘中のモンスター全てのヘイトを稼いでしまうためその辺の調整は出来ない。

 それでも『挑発』の届かない遠距離にいる敵などに有効なため取得してもらう。

 今後は弓を使ったり、魔法を遠距離から使う敵も増えるからな。


 もう一つの『シールドスマイト』は単体攻撃スキルだ。つまり1体からしかヘイトを稼げない。

 こちらはボス用だな。攻撃が当らないといけないのもネックなので、セオリーとしてはすでにタゲを取っている相手に使った方が事故は少ない。攻撃範囲も狭いからな。

 こちらももちろん取らせる。


 後はカットスキルや状態異常耐性系も取得させる。

 『ファイヤガード』『フリーズガード』『サンダーガード』『ライトガード』『カオスガード』の5つのガード系。敵が属性攻撃を使ってくるモンスターならタフに耐えられるスキルだ。

 LV1で20%も属性ダメージをカットしてくれるのでなかなか重宝する。ちなみにアクティブスキルだぞ? これでパッシブだったらぶっ壊れだからな。


 最後は『状態異常耐性』だな。俺の〈天空シリーズ〉のシリーズ特典にも付いているアレだ。タンクが状態異常になったらシャレにならないので優先的にLV10まで育ててもらおう。とりあえず今は使用可能アクティベートにだけしておく。

 俺のはLV3で固定なのが辛いところだ。LV10まで育てたい!


 とこんな感じで各種取ってもらい、ステータスもメモに書き込んでもらった。

 それがこちらだ。

 ――――――――――


名前ネーム:シエラ

人種カテゴリー:「伯爵」「姫」「女」

職業ジョブ:【盾姫】LV12→LV20

SUPステータスアップポイント:合計20P獲得

制限:〈VIT+5 or RES+5〉

【HP 228/228→410/410】

【MP 110/110→140/140】


【STR 20→30】

【VIT 100→110】

【INT 10】

【RES 40→100】

【AGI 20→25】

【DEX 20→25】


【SUP 0P→160P→0P】

【SP  0P→8P→0P】


《スキル》

『挑発LV5』『ガードスタンスLV1』new

『シールドスマイトLV1』new

『シールドバッシュLV1』


『カバーシールドLV1』『ファイヤガードLV1』new

『フリーズガードLV1』new『サンダーガードLV1』new

『ライトガードLV1』new『カオスガードLV1』new

『状態異常耐性LV1』new


『受盾技LV5』『流盾技LV5』


『幸運』


《魔法》

無し


《ユニークスキル》

未取得


《装備》

〈鋼華メイス〉右手

 『通常攻撃威力上昇LV5』

〈盾姫カイトシールド〉左手

〈盾姫装備一式〉頭、体①、体②、腕、足

 ――――――――――



 HPが400を超え、VITとRESが100を超えている。これは硬い。

 同レベル帯では絶対これより優秀な数値は出せないだろうと断言出来るレベルだ。


 ちなみに〈制限〉の〈VIT+5 or RES+5〉、orの付いた制限はどちらか片方を任意で選べという意味になる。前回はVITに、今回はRESに規定数を振って満たしてきた形だ。

 付け加えると自動振りがされないので任意で規定数に振るまで他のステータスにSUPを振れなくなるため注意が必要だ。


 シエラもラナと同じく職業ジョブLV12の時からSPを貯めておいて貰ったためここまで一気に8スキルも使用可能アクティベートする。

 今後は『状態異常耐性』のLVを上げてもらうのが優先だな。

 【盾姫】のユニークはLV40、三段階目のツリーで解放なのでまだ取れない。


「どうだ?」


「そうね。今後を見越してとの事だけど。つまりこれは、次にこのスキルやステータスが必要になってくるモンスターが相手ということよね?」


「そういうことだ」


 【RES】と属性ガードスキル、それに状態異常耐性も取らせたとなれば次に行くダンジョンが想像出来たのであろう。シエラの顔色が若干悪い気がする。

 もしかしたら、シエラはアレが苦手なのかもしれないな。まあダメな時は俺がタンクを務めるから安心してほしい。


「いつか行かなくちゃいけない壁だもの。乗り越えてみせるわ」


 シエラが格好いい。しかもこういうセリフが似合うんだよな彼女は。

 ま、無理をさせないよう気をつけておくとしよう。




「次はエステルか。待たせたな」


「構いません。私は教えをもらう立場なのですから」


「ま、気楽にな」


 神妙な顔をしているところ悪いが【姫騎士】で俺が最強だと思っているルートはかなり特殊だ。

 実は二段階目が解放されたとしてもエステルに取らせるスキルは多くない。

 本命はもっと先なので今はSPをたんまり貯金してもらう事になってしまう。つまり、劇的に強くなれない。

 出来る事が多くなったラナやシエラに置いてきぼりを食ったみたいな感覚になると思うのだが…大丈夫だろうか?


 もっとも、この件についてエステルは俺に全幅ぜんぷくの信頼を置いていて、「全てゼフィルス殿にお任せいたします」、と言われている。まあ、うん。嬉しいんだけど、責任重大だなぁ。

 だってアレ、騎士系のルートにあるくせに全然騎士じゃないから。エステル、家から破門されたりしないでくれよ? もしされたら言い出した責任は取るつもりだけどさ。


「それで、どのスキルを取ればよろしいのでしょうか?」


「ああ。まずは『プレシャススラスト』と『レギオンスラスト』だな」


 『プレシャススラスト』は光属性を纏う物理突攻撃だ。属性を纏っている分『ロングスラスト』よりダメージは上がる。


 次の『レギオンスラスト』はなぎ払いと連続突きを組み合わせた攻撃スキルで小範囲攻撃だな。所謂「前列にダメージを与える」系だ。

 槍の〈スキル〉の中では貴重な複数体に攻撃出来るスキルなのでとても重宝する。


 『プレシャススラスト』の方はLVを5まで上げさせる。

 〈スキル〉〈魔法〉はLVが5の倍数の時、倍率が二倍でドンするのでLVを上げるなら5まで育てておいた方が良い。

 例えば俺の『身体強化』はLV1の時〈各ステータス5%上昇〉の効果を持ちLVを1上げるたびに5%ずつプラスされていく。するとLV4の時〈20%上昇〉なのだが、LV5の時は効果が2倍になるため〈30%上昇〉という形になる。LV10の時も同じだ。


 ただ10まで育てることはそうそう無い。まずはLV5でストップさせておくのがセオリーだ。


「そして次に「騎士」の代名詞とも言えるスキル、突撃系の『騎槍突撃』だ」


 『騎槍突撃』は騎乗状態ならスキル威力が上がる非常に強力なスキルだ。これは騎乗していない状態でも使える。その時は普通の突撃だな。今後を見越して手に入れておく。


「今回はこの3つだけになる。不満はあるか?」


「ございません。いつも感謝しています」


 今回、ラナもシエラも8つも〈新魔法〉〈新スキル〉を取得したのにエステルだけたったの3つだ。

 悪いとは思うが今は耐えてほしい。


 ステータスも振ってもらい、メモを書き込んで貰って確認する。

 ――――――――――


名前ネーム:エステル

人種カテゴリー:「騎士爵」「姫」「女」

職業ジョブ:【姫騎士】LV12→LV20

SUPステータスアップポイント:合計20P獲得

制限:〈STR+5〉

【HP 126/126→192/192】

【MP 80/80→140/140】


【STR 100→150】

【VIT 40→70】

【INT 10】

【RES 40→60】

【AGI 40→60】(+15)

【DEX 20】


【SUP 0P→160P→0P】

【SP  6P→14P→3P】


《スキル》

『ロングスラストLV5』『騎乗LV1』

『プレシャススラストLV5』new

『レギオンスラストLV1』new

『騎槍突撃LV5』new


『両手槍の心得LV5』


『幸運』


《魔法》

無し


《ユニークスキル》

未取得


《装備》

〈リーフジャベリン〉両手

 『AGI+15』

〈姫騎士装備一式〉頭、体①、体②、腕、足

 ――――――――――


 エステルはSTRをメインに上げつつ、他のステータスもそこそこ高く平均的に振るスタイルだ。俺たちがタゲ取ってタンクをするとは言っても範囲攻撃を避けられないこともあるため防御力は欠かせない。

 それに〈制限〉が結構厄介でSTRに振りすぎると、いざ他のステータスが必要と言う時に上げにくい状態になってしまうため、こうやって適度に振っておいた方がカバーしやすい。無難なステ振りだな。


 あと【姫騎士】のユニークスキルも三段階目のツリーで解放なのでまだ取れない。


 とりあえずこんなところだろう。


 次は俺とハンナ。最後にカルアだな。




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