第6話 どうしてこうなった?
「お おはよう佐和」
「う うん。おはよう萌」
「・・・・」
「・・・・」
「きょ 今日もいい天気だね」
「え?あ、うん でも曇ってない?今日・・・?」
翌日の学校。
今日は部活の朝練で普段より早い時間の登校だ。
昨日のデートの事とか色々と佐和に話を聞きたくて、どうやって話しかけようかと考えてたんだけど昇降口でいきなり佐和と出会ってしまった。
色々と考えていたはずなのにうまく言葉が出てこない。
って言うかなんで私天気の話とかしてるの・・・そそもいい天気でもないし。
「そ そうだね。ははは・・・」
「・・・その・・・デートの件聞きたいんだよね」
「う うん。その・・・どうだった?」
「楽しかった・・・何かごめん」
そっか。楽しかったのか。
そうだよね。
雄二って女の子に優しいし多分デートコースとかも凄く考えたんだよね。
私と出掛ける時は、いつも適当な感じなのに・・・
「謝る必要なんてないよ。私が佐和にお願いしたんだし・・・
そ それで付き合うことになったの?」
「・・・告白とかはされなかった。でも、また今度遊びに行こうねって」
「そっか・・・」
そうだよね。
いきなり最初のデートで告白とかしないよね。
でも・・・今度は雄二からデート誘ったんだ。
応援するって決めたんだから"良くやった!"って雄二に言ってあげるべきなんだろうけど・・・
「萌。萌は私がデートに行ってもいいの?」
「え?」
「だって萌は日吉君の事が好きなんでしょ?
昨日デートの後考えたんだ。日吉君っていい人だし多分またデートしたら私も好きになっちゃうんじゃないかなって」
「・・・雄二は佐和が好きだから」
「それは萌の本心じゃないよね?いつもの萌らしくないよ?
萌は本当にいいの私が日吉君と付き合っても?」
「・・・・」
いいわけないじゃない!
私だって・・・雄二の事が好きなんだもん。
「嫌だ・・・雄二が誰かと付き合うなんて・・・」
「だよね。それでこそ萌だよ。
じゃあさ萌も日吉君に気持ち伝えなよ」
「え!?」
「今までずっと一緒に居たのに気付いてもらえなかったんでしょ?
多分、告白しなきゃ日吉君気が付かないよ」
そうかもしれないけど・・・佐和の事が気になるって言ってるのに私が告白したって・・・振られるだけじゃん。
「・・・でも」
「日吉君さ・・・デートしてるときに何度か考え事してたんだよね。
多分、萌の事を考えてたんじゃないかな」
「私の事?そんな・・・」
「直接は言わなかったけど、隣町のショッピングモール。日吉君と一緒に行ったことあるんでしょ?」
「うん」
確かにあそこは映画や買い物で何度か2人で行ったけど。
折角佐和とデートしているのに私の事なんて。
「幼馴染って・・・萌と日吉君の関係って、私がどう頑張っても慣れない関係だよ。正直ちょっと羨ましい。日吉君だって萌の事を特別に思ってるとは思うよ。
この間春姫も言ってたでしょ?甘えてるんだって。私もそう思う」
「佐和・・・」
「最近少し距離をとってるみたいだけど日吉君何だか元気ないよ?」
え?そうなの?
雄二が?
「だから、佐和も周りに変な気を遣わずにね」
「う うん」
「で、結果はどうであれ、そこからが勝負よ」
「ん?勝負??」
「どっちが日吉君に振り向いてもらえるかってね♪」
「え?ええ?」
「そりゃそうでしょ。私だって日吉君の事が好きになってきちゃったし♪」
「はは・・そうなんだ」
「あ、話し込んじゃったね朝練遅れちゃうから急ご!!」
「あ、待ってよ佐和!!」
って何だか色々と流されちゃったけど私も雄二に告白するの?
で、佐和が恋のライバル?
えええ~~!!!
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<日吉 雄二Side>
昨日は下北さん可愛かったな。
それに次のデートの誘いも喜んでくれたみたいだし。
今日は朝練も無いのでいつもより少し遅い時間の登校だ。
萌は部活の朝練ということで今日は先に学校に行っている・・・というか最近誘いに行くと"先に行った"とかで一緒に登校出来てないんだよな。
本当・・・嫌われたのかな僕。
それにデートそのものは楽しかったけど・・・何か違うんだよな。
嬉しい事や楽しいことがあるといつも萌に話して・・・萌も何かあると僕に話してくれたし・・・それでお互い自分の事の様に喜んだりしてたけど・・・昨日は流石に萌には声を掛けられなかった。
それにそもそもの話として、僕と下北さんのデートの話を萌は喜んで聞いてくれるのか?今回のデートは萌が取り持ってくれたけど多分聞きたくないよな?
それとも"良かったね!"って喜んでくれるのかな?
あぁもう!僕はどうしたいんだ?
最近、萌に避けられてるみたいだから余計に気になる。
下北さんが気になるって萌に話したのは僕なのに。
ん?・・・そういえばあの時の萌・・・何だか態度が急に素っ気なくなったよな・・・もしかしてそのせいで?
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