第2話 どうしたもんか?
翌日
いつもの様に着替えて学校に向かうものの・・・何だか気が重い。
勢いで"仲を取り持ってあげる"とか言っちゃったけど本当どうしたもんかな。
そもそも仲を取り持つって何すればいいんだろ。
雄二と佐和のデートのお膳立てでもすればいいの?
本当悩ましい。
ちなみに普段は雄二と一緒に登校してるんだけど今日はバスケ部の朝練があるということで1人で登校している。
昨日の件もあるし正直少し気まずかったから丁度良かったかもしれない。
でも・・・もし雄二が佐和と付き合う様になったら・・・2人で登校っていうのもやめた方が良いんだろうな・・・
そんな事を考えているうちに学校に到着。
特に何を話すかとか考えていたわけではなかったけど自分の教室へと向かう途中、佐和の教室を覗いてみた。
教室の窓際一番後ろの席。
居ない・・・佐和まだ来てないのかな。
あ、でも鞄はある。来ては居るみたいね
バレーボール部でアタッカーをつとめる彼女は、背も高く席替えがあると高確率で後ろの方の席にされてしまうと前に愚痴られたことがある。
背がそれ程高くない私としてはむしろ背が欲しかったりするんだけど、まぁ高ければ高いなりの悩みもあるんだろうね。
そういえばあの時"こんな背の高い女じゃ彼氏作るの難しい"とか彼氏持ちの(船橋)千歳や(栗平)春姫に言ってたな。
・・・雄二はバスケ部で高身長。それにギリギリ佐和よりは背も高いから多分バランスはとれる。
ある意味お似合いなのかな。
駄目だな・・・仲を取り持つって言ったのに・・・まだ何だか辛い。
「教室行こ・・・」
と自分の教室に向かおうとしたところ、
「おっはよ~萌!」
と元気な挨拶と共に背中を叩かれた。
「み~な~み~ 痛いでしょもう!」
「ごめんごめん。でも良く私だってわかったね♪」
「こんな事するの南くらいだからよ」
「はは 悪かったって。それよりどうかしたのキョロキョロしちゃって?」
小学校、中学校と一緒だった親友の吉岡 南だ。
女の私から見ても可愛くて・・・惚れちゃいそうな女の子。
そして、私にとって変な気遣いもなく話が出来る親友でもある。
そんな彼女は私の雄二への想いも知ってるし、私も南の恋愛相談を受けたりしてきた。
そのお陰・・・というわけではないかもだけど彼女の告白は上手くいって、羨ましいことにいつも彼氏さんと仲良さげにしている・・・全くその幸せを少しは私にも分けて欲しいわ。
「う~ん。佐和に用事があったんだけど・・・」
「居ない・・・みたいだね。今日は朝練無いんでしょ?」
「うん。鞄はあるから来てるとは思うんだけど」
「あ、じゃあ隣のクラスじゃないかな?ほら千歳と春姫のとこ」
「あぁ仲いいもんねあの3人」
確かにそうかも。
佐和と千歳、それに春姫は同じ中学出身で大体いつも3人一緒にいる。
1年の時は私と南も含めてみんな同じクラスで仲良くしてたんだけど2年に進級したときに千歳と春姫はA組、佐和と南がB組で私がC組になっちゃったんだよね。
ちなみに雄二はB組で佐和と南と同じクラス。
・・・佐和と雄二が同じクラスにならなければ。
はぁ・・・考えても仕方ないか。
「隣のクラス行って見れば?」
「後でいいや。もうすぐホームルーム始まっちゃうし。
急ぎの用事じゃないし、どうせ部活でも会うからね」
(それにそもそも会って何話すかとかもあんまり考えてなかったし・・・)
「了解♪佐和には萌が探してたってだけ伝えとくよ」
「ありがとね♪じゃ」
と今度こそ自分の教室に戻ろうとしていると
「あ、萌・・・」
「雄二・・・」
バスケ部の朝練で先に学校に行っていた雄二が教室に入ってきた。
一瞬目が合ったけど何となくお互い視線を逸らせてしまった。
「お おはよう」
「う うん。おはよう・・・」
なんだろう。何だかいつもみたいに気軽に話せない。
何だか嫌だな・・・こんなの。
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<吉岡 南Side>
萌の様子が変だった。
普通にしようとはしているけど何だか表情が硬かった。
それに日吉君との距離感も変だった。
いつもは、ふざけた口調ながらも仲良さげに話しをしてるのに今日は余所余所しいというか・・・喧嘩でもしたのかな?
それに佐和?朝からなんの用事だろ。関係あるのかな?
何だか気になるな~萌には色々と借りもあるし。
しゃーない!・・・とりあえずは身近なところから事情聴取ね。
そう思い私は窓際の席に座る日吉君のところへと向かった。
「ひ~よ~しくん」
「え、あ、吉岡さん。な なに?」
何で私を見て慌ててるのよ。
日吉君も反応おかしくない?
「萌と喧嘩でもしたの?」
「え?い いや別に・・・そんなこと無いけど」
「無いけど?どうしたの?」
「い いやその・・・昨日萌に・・・な何でもない。あ、先生が来たぞ」
「え? うん」
何か隠してるなぁ。
日吉君も様子が変だ。
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