あとがき

羅生門が嫌いです。

芥川先生がそもそも好きではないですが下人が特に嫌いです。

正確に言えば、羅生門という作品に込められたメッセージは面白いと思いますが主人公が嫌いだと作品が好きになれません。

(ここでのメッセージというものがChibiの私見をバキバキに割って湯煎して混ぜて冷凍庫で一晩寝かせて固めたものであることに留意してください。)


ご挨拶が遅れました。Chibi(チビ)と申します。2つサイコロを投げて積が14になるくらいの確率で高身長です。

この度は「ダンジョンズ・インク」を最後まで読んでいただいてありがとうございます。心の底からの感謝を。

そうでない方、つまり恐らくはあとがきから読む派の方はネタバレを含み得るあとがきにお気をつけくださいませ。


普段私がどんなことを呟いて、もといほざいているのかご存知ない方のために。

「ダンジョンズ・インク」の原案は私がデザインし没に至ったRPGゲームです。当時の私から聞くところによると、ダンジョンの運営と会社の探索を同時に進める画期的な()ゲームだったらしいですよ。

折角でしたから短編として小説化しましたが、公開の予定はありませんでした。

カクヨムの登録をしたので折角だから投稿しよう!からの改稿、書きたいことが増えたので話数増やして・・なんてしていたら、2章あたりで収集がつかなくなりました。(早すぎると思う)


冒頭の話に戻りましょう。羅生門は、都の中と外、下人の生と死、何より人間の理性と感性を繋ぐもの。それらの間の葛藤だと思うわけです。果てに主人公は、感性を尊重して盗人になることを決意します。

この逆の結末を遂げるのがニナナであり、彼の目の前に現れる人物たちこそが下人に影響を与える老婆の役を買って出てくれました。


長年やりたかったエンディングが書けて満足ですが、当然ニナナは下人なんぞより酷いヘイトを喰らうべきです。利を重んじて義を踏みにじったわけですから。しかし私は彼をむしろ愛したい。

日常の裏に希望が隠れているとは限りませんが、それは絶望でもありません。


主人公の考えの変化とともに文体が変化する、という気づかれるかも分からないようなトリッキーなギミックを採用したせいで

文字数に制限ができた上、

掘り下げたかったキャラクターやら、技術開発部のアイテムやらが多く残りました。それに株式会社というくらいですから株式のシステムも。

透明化するヘリコプターが最初ポンと出てきて混乱されました?私もです。自分で自分に混乱させられました。

次があるならもっとライトなノベルにしたいですね。


さて、設定集を作るか迷った末に作らなかった私ですが、一つだけ明言しておきましょう。

この世界の通貨、ゴールドについて。100ゴールドでリンゴが3個買えることから円とゴールドの価値の重さの関係が分かります。リンゴの値段は様々ですが公式には、大体ゴールドに3をかけると円になります。

これを知った上で読み直すと2話の時の待遇のやばさ、2章のカジノの事件のレベルを始めとして様々な発見が得られるはずです。是非どうぞ。


最後に。作中の勇者たちに素晴らしいゲーミングネームを貸してくれた友人諸君、


勇者ああああ

いのうえこーじ

DTime

カンダンサ先生

Noppo

パセパトゥー

(登場順・敬称略)


作品に生き生きとしたエネルギーを与えてくれてありがとう。世界最強の男、期待のルーキーに当選した人はともかく。ポッと出てすぐ消える彼とか、変な勇者に囲まれて苦労の絶えない彼とか、何より裏切り者とか戦闘狂とかになった皆さんには特に感謝と謝罪の意を表します。反省はしても後悔はしていない。


そして、この作品を読んでくれた全ての方に感謝します。魔王が出てくるRPGゲームをやるときは、是非ダンジョンズのことを思い出してください。それから、気が向いたら外伝を書くかも。彼らのことを忘れないであげて下さいね。


愛を込めて。Chibi.

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ダンジョンズ・インク Chibi @Chibi_crafter

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