第42話 陰謀


ロンドルの話を要約すると、ワネが城を襲撃したのは3日前の夜だったという。



 その日はベッチョ大尉が「今夜は嫌な予感がする」と言ったことで、普段より多くの警護が配属されていた。



 そこに姿を現したのは顔を仮面で隠した一人の男だった。



 各階に5人配置されていたので、侵入者が1人だと知った時は護衛兵達の間で拍子抜けした空気が漂った。



 しかし、それは大きな間違いだった。その侵入者は怪物じみた強さで護衛兵を蹴散らしていき、あっという間に王室のある最上階まで辿り突いた。そこには最後の砦としてベッチャ大尉率いる5人の兵士長がいて、そこで激しい闘いが始まった。




 激闘の末に侵入者を捕らえて、仮面を剥いだらワネだったという。




 二階と三階を襲撃している時にも仮面が外れて、そこでワネの顔を確認した兵士が多数いた。



 ワネは国王暗殺未遂及び護衛の兵士を6名殺害したことにより、王前裁判の後に即斬首が言い渡されるとのことだった。



 ※ ※ ※



「なんだそれは・・・ワネがそんなことするワケないじゃないか・・・」




 キトが唖然とした様子で呟いた。ここでも冷静だったのはヴォンだった。



「それで、その王前裁判とやらはいつ行われるんだ?」




「それが・・・」




 ロンドルが言葉を句切った。



「今夜だそうだ。もう、すぐに始まる」



「なんだと・・・?」さすがのヴォンも驚いた様子だった。




 よしっ!声を張り上げたのはキトだった。




「とにかくワネを助け出せばいい!話は全部それからだ!」

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