第21話 閑話③シズクの覚醒とその後

特訓最終日、シズクは外に出ていた。

其処にはオリビア院長先生と大賢者バランとギルド支店長のローズマリーが座っていた。

「お疲れ様。シズクさん。」

先ずはローズマリーが声をかけた。


「お久しぶり。シズク。」

続いてオリビアが声をかけた。


「.....お久振りです。院長先生。」


「どうじゃ? 上手くできたかのう?」

バランは尋ねるとシズクは、


「はい。上手く行きました。それであの人は?」


「それは...次の国に向ったよ。」


「あの人らしいわ...。」

シズクは諦めた顔をして言った。

するとローズマリーは


「あの人って。カズマくんの事?」


「もちろんですよ。あと院長先生....義母さん。」


「シズクさん。記憶が戻ったのね。」


「はい。バランさんに封印を解いてもらいましたので。」


「そうなのね。」


「それより。バランさん。今あの人が持っている銃はバランさんが改良したのですか?」


「そうじゃが?」


「やっぱり....。」

シズクは下を向いて言った。


ローズマリーはシズクにカズマの銃について尋ねる。

「カズマの銃に何かあるの?」


「はい....。実は.....。」

シズクの一言がこの場を驚愕させていくのだった。


「あの銃で戦うのは後100回ぐらいしか持ちません..。」


「それ、どういう事?」

オリビアは驚いてシズクに尋ねる。


「それはこの世界の金属で改良した銃では、本来の能力の半分しか出ないのと100回で壊れる可能性があります。特に義父様が言われている人があの方だととても相手にならないと思います。」


「ワシがカズマの銃の構造を見て大部分改良したのに?」


「はい。でも私の記憶が戻ったのであれば何とかなります。」


「それって、どういう事?」


「支店長...。それはカズマの元の銃は私が最初に作った銃をカズマが恐らく改良したと思います。それをバランさんが更に改良して以前の能力が多分ですけど、5分の1ぐらいの火力になっているはずです..。」


「あれで5分の1って.....。」

オリビアは驚く。

「ええ。一馬と出会う前は私は、『地球防衛軍特殊武器開発課 河瀬雫』で『魔法銃』の開発を担当していました。一馬とは、実験する人と開発する人だったのですが、何故かお互いに気があって...それで一馬を好きになって結婚しました..。」

シズクはカズマとの出会いを話始めて次に魔法銃の事を説明していく。


「魔法銃は『異界門』から最初に出て来た悪魔を倒して出てくる魔石を元に開発した疑似魔石を搭載しているのです。その破壊力は義母様なら知っていると思いますが核爆弾の10倍に当たります。一馬の魔法銃はその疑似魔石を使用していましたが、今はこの世界の魔石を使ってバランさんが改良したかと思います。しかし、この世界の魔石では出力不足で多分一馬本人の魔法力で何とか使用出来ているかと思います。」

つまり、カズマの魔法銃は今はこの世界にある魔石を使用しているため本来の能力より出力が落ちるのと『地球』の金属で出来ている銃にこの世界の金属を混合して出来たため、100回ぐらいしか耐久性が持たないと言う事になるのだった。


「そうなると、どうしたのかのう?」


「それは、この世界の金属と魔石を利用して新しい魔法銃を作らないと行けないかと思います。幸い私の特訓が生かされると思います。」


ローズマリーとオリビアはお互いに向き合って


「それじゃあ。シズクが新しい魔法銃を作る事だね。確か、偽破滅龍の他魔石が沢山あるわ。それを元に作るのね。」


「そうです。」

シズクは魔法銃の作成に着いてその場にいる三人に説明をするとこうなる。

①錬金魔術で破滅龍の魔石とその他の魔石を使って元になる疑似魔石を作る。

魔物の魔石の数は約1000個以上は必要である事。

②この世界の金属で一番硬度が高い金属、ミスリルとオリハルコンと魔石を錬金魔法で新しい金属を作る事。

③一馬が使いやすいように出来た金属と疑似魔石を組み合わせて新しい魔法銃を作る。

①と②で必要な魔石の数は以前カズマが倒した魔物の魔石がカズマの倉庫に保管しているのでそれを使う、錬金魔法はバランとシズクが出来るので二人で分担したら問題ないと。

③に関してはシズクが新しい設計図を作成してそれを元にバランと二人で魔法銃を作る。

それを話すと

「バランさんは私と一緒に疑似魔石の開発をお願い致します。」


「分かったのじゃあ。」


「ローズさんは金属の手配をお願い致します。」


「分かったわ。」


「義母様...いや、オリビア院長先生は私の警護を頼みます。」


「わかりました。だけど、何処で作るの?」


「あの人....一馬さんの今の家で作ります。後、出来た時一馬さんに届けないと行けないので誰かいますか?」


「それなら大丈夫ですよ。一人あの子を警護している人がいるから。その人は私との念話で話が出来るし、その人と私で空間移動魔法でその人に送る事が出来るはずです。」

とオリビアはそう答えた。


「今からだとどれ位かかるのじゃあ?」


「早くて3か月ってとこですね。封印した記憶で一応設計図は残していますので。」


「さすが、カズマの奥さんね。」


「多分ですけど、あの人..一馬さんは知っていたかと思います。私が雫だと...。それで記憶が戻ったらもしかしたらって特訓が役に立つと思っているはずです。」


「明日から色々と大変になるかと思うぞ?」


「雫さん。和也も貴方の警護に入るって今念話して来たわ。」


「勇者パーティが3人いると安心だね。」

ローズマリーはそう言って


「私は金属の手配をするわ。シズクさんに届けるね。」


「ありがとうございます。支店長。」


4人は一旦カズマの家に向った。


「...一馬さん。貴方専用の魔法銃を作りますので絶対にあの人の計画を阻止してください...。私は貴方の家で待っています....。」

シズクはそう決意するのであった。


△△△△△△△△

閑話は一応終わりです。

次から新しい章の始まりになります。

カズマと元同僚との激しい戦いが開幕となります。

3月に連載開始となりますのでしばらくお待ちください。


コメントで間違っていた部分を指摘いただきありがとうございます。

修正を加えましたのでもしも、同じ様な間違いがあればもっと言って下さいね。

今度の執筆活動につなげます。

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魔銃士物語 松狼 @mute175118

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