第15話 暗殺

カズマはここ2日で教会と領主の会話を録音している魔道具を再生して聞いていた。


「領主の執事ハイゼンと教会の神官ギリオンとグラゼルが魔族で間違いないな。」


カズマは考える。

先に何処から処理をした方が早いのかを..。

「先に領主で次に教会がいいかも知れんなあ。」

今日の夜に領主宅で、次の日に教会に侵入して魔族を倒す事にしたのだった。


次の日の夜、カズマは領主宅の外にいた。

「入り口は近衛騎士が見張りしているから、何処から入ったらいいのかな?」

カズマは屋敷の周りを見て一か所侵入出来る所を発見した。

そこは馬車が置いている小屋であった。

丁度、馬車が領主宅に着いて中に入ろうとしていた。

すばやくカズマは馬車の下に潜り込んだ。

馬車は屋敷の中に入って馬車小屋に着いた。

馬車からアンジェリカとエリーゼが出て来たので、馬車の下から声をかけたのだった。

「お二人さん。そのまま聞いて下さい。」


「カズマさん。何処にいるのですか?」

エリーゼはキョロキョロ見渡していると


「エリーゼさん。そのままで聞いて下さい。」


「はい。」


「屋敷に魔族がいます。その魔族が領主様を脅迫しています。」


「それは誰ですか?」


「執事のハイゼンです。」


「まさか....。」

2人は驚く。


「そのまさかです。領主様に確認したので間違いありません。そこで相談ですが、これを領主様の部屋に置いて欲しいのです。」

とカズマは一個の石をエリーゼ達の足元に転がした。


「これは?」


「防音結界の石です。それを領主様の部屋の近くに置いて下さい。」


「わかりました。」


エリーゼ達が中に入っているのを確認してカズマは馬車の下から出て気配を消して屋敷の中に入っていった。

領主の部屋に着くとエリーゼが植木鉢の中に防音結界の石を置いているのを確認して石に魔力を注ぎ中に入って行った。


「誰じゃ!」


「昨日は失礼しました。カズマです。」


ヘルマンは驚きもしないでいたが、ハイゼンは驚きを隠せなかった。


「ハイゼンさん。もうバレているよ。あんたが魔族だって事が。」


「なんだと!」

カズマは机の下に設置していた石を取り出して


「この石は録音が出来る石でね。再生してみようか?」

とカズマは再生をしたのだった。


『ハイゼンさま。シズクさん拉致の件は、誰が実行するのですか?』


『それは私の部下で行う。お前はそこで待機するのだ。あの女を捕まえたら後は我が主が復活して此処を支配するからな? お前は我の操り人形として言う事を聞け。いいな? じゃないと娘はどうなっても知らんぞ?』


「と言う訳でハイセンが魔族であるのがわかった。ちなみにシズクさんを捕まえた魔族と俺を殺そうとした魔族はすでに俺が始末した。観念しろよ。」


「あははは。此処には近衛兵がいるのだぞ? 我が言ったらお前なんか.....。」

ハイゼンが言う前にカズマはナイフでハイゼンの首を切り落とした。

首から緑色の血しぶきがでてハイゼンは倒れた。


「何故...首が斬れるのだ...しかも再生できないとは...。」


「言い忘れたが、そのナイフは聖なるナイフでね吸血鬼に最も効果がある物なのだよ。だから、残念だがお前はもう終わりだ。」


「ぐはあああああ.....。」

ハイゼンは灰となって消えて行くのであった。


「ふう。領主様。ここの魔族は全滅しました。俺の<魔眼>で確認しましたので大丈夫ですよ。」


「....助かったのか?」


「はい。エリーゼ達入っていいよ。」

カズマは扉を開けてエリーゼ達が入って来た。


「お父様!」


「エリーゼ。すまない。」

2人は抱き合って涙を流していた。


「後は教会にいる魔族でここロシーナの魔族がいなくなるかと。アンジェリカさんんは此処を頼みます。終わったら説明するので。」


「分かった。カズマさん。」

カズマは領主宅を後にして教会に向った。

カズマは教会に忍び込んで司教の部屋に着いた。


「こんばんは、司教さん。」

マーベラス司教は驚きを隠せないでいた。


「お前は誰だ?」


「俺の名前はカズマだ。もう知っていると思うが?」


「シズクを助けた冒険者か?」


「ああ。」


「シズクを渡しなさい。じゃないとお前は此処で死んでもらうぞ?」


「おい。魔族がいるだろう? さっさと出てこいギリオンさんよ。」


「ほほう。私が居るのが分かるのか?」


「気配でわかるさ。なんなら其処に行こうか?」

カズマはナイフを持って素早くマーベラスの後ろの影に向っていく。

その影にカズマのナイフが切り込み、ギリオンの思われる首が落ちてくる。


「残念だがお前はもう終わりだ。」


「ぎゃあああああ。」

ギルオンの悲鳴が轟いて消滅していくのだった。


「司教さん。他にいるだろう? 確か名前はグラゼルっていう奴が?」

マーベラス司教は座り込んで顔が引きつっていた...。しかも下半身の周りには水浸しになっているだった.....。


「ひいいいいい。グラゼル様は此処にいない。」


「何処にいるのだ?」


「知らん! 私は全く知らんだ!」


「なら、残念だがお前はもう終わりだ。」

カズマはマーベラスの首にナイフで切り込んだ。

マーベラスの首から血しぶきが大量に出て、マーゼラスは死んでしまった。


「まあ。大体の予想は出来る。バハムートは大きいから山脈当たりにいるみたいだな。」


カズマはバハムートの居場所が山脈の山頂にあると予想していたのだった。

それは元いた地球で戦っていた時にバハムートが富士山に籠っていたのを憶えていたのだった。

「確か明日、支店長がバランさんの所に行く予定だったはず。ギルドに確認するとしようか。」


カズマは教会を後にしたのだった。

その時、後ろから一人の影が見ていたのだった....。

それはシズクが居た孤児院の院長先生であった...。


「あのギリオンが瞬殺されるとは。中々やるもんだ。」

院長先生はそう言って消えて行くのであった..。


△△△△△△△△

遅くなってすいません。

いよいよカズマがハバムートとの対決が始まろうとしています。

どうぞお楽しみして下さい。



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