第13話 閑話シズクの特訓風景
次の日、カズマはロシーナに戻り、ローズマリーとシズクはバランの用意した水晶の中での特訓を始める事になった。
ローズマリーの方は最初の2週間と最後の1週間のみ参加で自分自身の魔法の確認をする為に、シズクは基本から魔法の勉強に入る事となっていた。
「ローズとシズクさん。準備良いかな?」
「良いわよ。」
「はい。準備完了しました。」
「それでは水晶に手を触れてくれ。それで中に入れる。」
2人は水晶に手に触れると光輝いて段々小さくなって水晶の中に消えて行った。
光が消えると二人は目を開いた。
水晶の世界は野原一面になっていて大きい屋敷が立っていた。
そこから二人の人物が出てきた。教師人形とメイド人形である。
「初めましてローズ様。シズク様。私が教師のバラーンでございます。」
「初めまして。私がメイドのバーランと言います。」
....バラーンとバーランって安直な名前を付けているなあ..って二人は思っていたのだった。
「マズはこの屋敷の説明をしますね。住居は2階となっています。各部屋にはお風呂とトイレが常設していますので。1階には大広間が2つありまして1個は教室でもう1個は図書室となっています。シズク様は教室を使って授業します。ローズ様は図書室を使われるそうですが? 間違いありませんか?」
「そうだよ。図書室を使わせていただくわ。」
「ローズさん。別々に行動する訳ですね?」
「そう言う事よ。ここにある図書室は帝都にも置いていない書物が多くあるし、私の魔法知識の確認でもあるのよ。大分魔法を使っていないからね。先日の魔物との戦いで身に染みているのよ。」
「私は教室でバラーンさんから魔法の基本を受ける事でいいのですね?」
「はい。その通りになります。その前に荷物を各自の部屋に入れていきましょう。その後食事をした後で授業となります。」
2人は各自の部屋に入って荷物を置いて2階にある食堂に向った。
そこで二人は簡単な食事をした後、各々の持ち場に行くのだった。
シズクは教室に入って真ん中の机と椅子へ向かって着席した。
机にはシズクの計画表が書いている紙があった。
中身を確認すると下記の通りになっていた。
計画表
①最初の1か月
朝7時起床・朝食
8時 教室にて基礎魔法の講義
12時昼食
13時 外にて魔法発動の練習
18時 夕食
19時 お風呂
20時 自室にて基礎の復習
22時就寝
②残り2か月
朝7時に起床
8時まで体力の基礎鍛錬
9時朝食
10時 教室にて応用魔法の講義
13時 昼食
14時 外には魔法発動と戦い方の特訓
19時お風呂・夕食
21時 自室にて自主練習
22時就寝
....どこかの合宿見たいだ.....
「今ちょうど9時なので12時まで魔法の基礎の勉強を始めます。」
ここからシズクの特訓が始まった。
ここから経過だけ言う。
最初の2週間は午前の講義は魔法の種類や発動に必要な内容を行い、午後の実地訓練はひたすら魔力操作と魔力による身体強化を行った。
次の2週間では午前の講義は魔法陣の出し方と属性魔法の魔法陣を憶える内容で、午後の実地は体力強化と魔力操作と魔力による身体強化を行った。
「ひいいい。きついわ....。」
シズクは少し疲れ目になっていた。
「シズク様は一応全属性の攻撃魔法と支援回復魔法が使えますが、支援回復魔法は問題ありませんが、属性はシズク様が使いやすい属性を強化したらいいかと思いますよ。」
「私は炎と水魔法で行きます。わからないけどイメージが簡単なので。」
「シズク様は下級と中級は詠唱なしで行けそうですね。上級以上は誰かの援護されながら魔法構築するといいかもしれません。」
そして次の2週間で上級魔法の取得と教室ではイメージトレーニングの授業を行い、残り2週間はバラーンとの魔法での実技訓練を行った。
実技訓練ではバラーンが作った魔物を倒す訓練で初級から始まり中級していくのであった。
最後の5日になるころ、シズクは午後の実地訓練を行う。これにはローズも参加するのだった。
「シズクちゃん。中級までクリアしたんだ。すごいわ。」
「今日から、上級クラスの戦いなので、もっと気を引き締めないと。」
「さすが、愛する人の為に頑張るっていいもんだわ。」
ローズはシズクを茶化したのだが、シズクの顔が真っ赤になって行くのを見て
....あらあ? 本気見たい....相手が結構堅物だからねえ....頑張れシズクちゃん....
と上級クラスの実践を行うのだった。
最終日
2人は朝食を食べているとバラーンが二人に話をするのだった。
「お二人様は、今日が最終日となっています。朝食後、最終課題を行います。対戦相手は....仮想魔族でドラゴンです。私が作るドラゴンは以前バランが戦ったドラゴンをモチーフにした物です。」
「「え?」」
2人は驚く...。ドラゴンと戦うの?...
朝食後、外で最終訓練が始まる。
バラーンはドラゴンを出したのだった。
それは黒いドラゴンであったのだ...。するとローズは、
「これって爺が一番苦戦した相手じゃあないの?」
「はい。でもカズマ様はこれを分殺したと言われていましたよ。」
「「.....」」
2人は黙り込んだ...。
「それでは最終実施訓練開始!」
先ずはドラゴンのブレスが二人に向けて放って行った。
2人は最初に身体強化と結界魔法を出してブレスを防いで、シズクは支援魔法で魔法力強化とドラゴンに身体低下の魔法を出していく。出す準備の間はローズが氷魔法でドラゴンに攻撃をしていく。
「ローズさん。準備できたので出します。」
「わかったわ。私は上級で攻撃するね。」
ローズは氷魔法「アイスブリザード」を放つ。
ドラゴンの口が氷で固まり、それを見たシズクは身体低下の魔法を出してドラゴンの基本能力を下げた。
「シズクちゃん。私が封じるからとどめを刺して!」
「はい!」
「いくわよ。「アイスロック」!」
ローズの出した氷魔法は一時的にドラゴンを氷に覆われる魔法であった。
その間シズクは魔法を構築して数秒後、
「「ファイヤ・インフェルノ」!」
この魔法はシズクが開発したオリジナルの炎魔法であった。
ドラゴンの周りに魔法陣が出て数万度の炎がドラゴンに降りかかって行く....。
10秒後にはドラゴンが灰になって行くのだった。
「すごいわ。シズクちゃん。」
「よかった....。初めて使ったので失敗すると思っていました。」
最終訓練は終了して二人は元の世界に戻って行った。
「おかえり。二人とも。」
「ただいま。バランさん。」
「シズクさんは自分で魔法構築できるようになったんだ。」
「はい。」
「さっきカズマから連絡が入ったので明日、迎えにくるそうだ。」
「あら。カズマ君ってシズクちゃんが心配になっていたんだ。この果報者め。」
ローズはシズクに抱き着いた。
「やっぱ。その大きな胸が原因かも...。そりゃあ!」
ローズはシズクの胸をモミモミしていく。
「止めて下さい。ローズさん。」
「おーい。ロリババア。ひがむな。ひがむな。」
「うるさいわ! この爺!」
なんやかんやで騒いでいく3人であったのだった...。
△△△△△△△△△△△△
次から更新が遅れる場合があります。
楽しみにして下さい。
「面白い」「次の話を待っている」って思っている方は是非フォローをお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます