魔銃士物語

第11話 魔銃士の力

迷宮から出たカズマはワイバーンに変身したジルバをみていた。

ジルバはカズマを見て驚いて

「貴様！　生きていたのか？」

「見ての通りだ。」

「カズマさん。あの魔族の仲間がカズマさんに襲って来ていませんか？」

「ああ。いたぞ。ブルードラゴンだったなあ。まあ倒したが。」

「「「え？」」」

その場にいた全員が驚く。

するとローズマリーが声を出して

「...カズマ君。ブルードラゴンって災害級の魔物だよ。」

「あの「青龍」部隊の副隊長ノルザックが死んだだと？」

「ああ。そこのトカゲ野郎は何だ？　あいつの仲間か？」

ジルバはカズマが持っている２丁の魔法銃を見ておびえ始める。

「貴様...まさか...貴様は一体何者だ！」

喚くジルバ。

「俺の名は元「地球防衛軍特攻隊長」の神崎一馬だ。お前らからは魔銃士「黒龍」と呼ばれているのだがな。」

「まさか...「破滅龍」バハムート様に怪我を負わせた奴....だったのか...。」

「ほお。あいつこの世界にいたのか？」

「まずい...。バハムート様にご報告しないと..退散する...。」

怯えながら逃げようとするジルバ。

「逃がさん！」

カズマは魔法銃で白い球を数発撃った。するとジルバが白い球体に閉じ込められた。

「破れない....。」

「「結界弾」だ。そこから逃げる事も出来ないぞ？　さあて教えて欲しいのだが？」

カズマはジルバに尋問を開始する。

「お前達のドン。バハムートと他の仲間は何処にいる？」

「言わん...。死んでも言わんぞ！」

「残念だがお前はもう終わりだ」

カズマは魔法銃を剣モードに切り替え足元から青く光って飛んでジルバに向って切り込んだ！

「「十字剣」」

ジルバは十字に斬られて消滅して行ったのだった。

「ふう。」

カズマはため息をつき、ローズマリーとシズクの所に向った。

「大丈夫か、二人とも。」

「ボロボロだけど...大丈夫だよ...。」

「私も大丈夫です。」

三人はその場を離れて一旦冒険者ギルドに戻っていった。

支店長室にはカズマとローズマリーとシズクが座っていた。

ローズマリーが最初に声を出したのだった。

「カズマ君。助かったよ。教えて欲しいのだけど？」

「何を教えて欲しいのだ？」

「なんで君が「破滅龍」バハムートの事を知っているの？」

「話は長くなるのだが。良いのか？」

「いいわよ。」

「分かった説明するよ。」

カズマは説明を始めて言った。

「支店長には少し話をしたと思うが、俺は元々この世界の人間ではない「地球」と言う世界から来たのだ。ちょうど１５年前に俺の世界では「悪魔」と言っているけどここの世界では「魔族」が俺の世界を侵略して来たんだ。「破滅龍」とは５年前に戦って奴をあと一歩までの所で逃げられたのだよ。どうやら俺がいた世界で「異界門」と言う物がこの世界にもあるようだな？」

「確かに「魔界門」はあるが？」

「それは何処にあるのか？」

「１００年前には今の帝都にあったのだよ。今は封印して門自体は無くなっているわよ。」

「ここ５年の間で魔力量が高い人が居なくなった事件とかあったはずだが？」

「この世界では冒険者の死亡率が高いので居なくなると言うより最終的には死亡説が多いかと思うよ。」

「奴らはその辺を上手に利用していたと思う。シズクさんの魔力量っていくらかわかるのかな？」

カズマはシズクに尋ねた。

「私にはわかりません。ステータスでは体力と魔力の量が分からないので。」

「なら私のスキル<精霊眼>で見てみるけど？　私の<精霊眼>は魔力量がわかるのよ。」

「支店長。シズクさんの魔力量をみてくれないか？」

「いいわよ。スキル<精霊眼>発動！」

ローズマリーは<精霊眼>を発動してシズクの魔力量を確認していったのだった。

「.....すごい....魔力量が５００万ほどある....私の約２０倍あるわね....。」

ちなみにローズマリーの魔力量は約２５万でカズマの魔力量は約２０万ほどであったのだ。つまりシズクは魔力量が多すぎる為に魔族に狙われているのだった。

「シズクさんは魔法は使えるの？」

「初期の回復魔法しか使えますが？」

カズマからシズクへ提案を出す。

「シズクさん。俺からの提案だが魔法量が多いければもっと攻撃魔法とか支援魔法とか回復魔法とかを覚えたらどうだ？　自分自身を守るために。」

「私も同意見ね。シズクさんが色々な魔法が使えれば魔族に対抗できるはず。」

ローズマリーも同じ意見を言った。

「私。もっと魔法が使える様にしたいです。カズマさんの助けになるかと思っています。だけど...教えてもらえる人がいないのです..。」

「院長先生はどうなの？」

ローズマリーは尋ねる。

「これは俺の想像だが、院長先生はシズクさんを逃がす為に孤児院を解雇したと思う。理由は教会関係者に魔族がいる。それと領主の所にも魔族がいるはずだ。つまり領主は魔族に脅迫されているかと思う。その理由は娘エリーゼ嬢だろうな。支店長が魔法を教えたらいいのでは？　元賢者だし。」

「私では無理よ。教えるのは。されどうしようかな？」

全員が考えるとカズマは思い出した様に一個の可能性があると結論が出たのだった。

「シズクさん。俺に心当たりがある。あの人なら教えて貰えるはずだ。明日、その人に会いに行こう。行く方法は俺が持っている。」

「私も連れていってくれる？」

ローズマリーがカズマにお願いをした。

「いいぞ。支店長にも関連あるかも知れないから。明日の昼、ここで待ち合わせしよう。」

カズマはそう言って解散してギルドから出るのであった。