第10話 誘拐未遂
カズマが迷宮に潜っている頃、ローズマリーとシズクは話をしていた。
「シズクさん。カズマ君とはイチャイチャしているの?」
「イチャイチャなんかしていません!」
「なんだあ。男女が一つの屋根に一緒に住んでいるから、もうやちゃったのか思ったのよ。」
ローズマリーは顔が引きずっているシズクをニタニタ笑いながら女子会話をしていくのだった。
「そろそろカズマ君は21階層に着いた頃だと思うけど?」
「そうなんですか?」
「カズマ君ってナイフを持っていたから元は暗殺者だと思うんだけど。」
「私はそうは思わないのですが? ちょっとジルーバさん。何をするのですか?」
シズクはジルーバがシズクの首元にネイフを突き刺しながら
「シズクさん。俺達のアジトに来てもらいますよ。いひひひ。」
「ジルーバ。手を離すのじゃあ。お前達どうした?」
ローズマリーは護衛の冒険者の動きがおかしいのに気づいた。
「ほほう。さすが元四大賢者でありますか。この冒険者達は既に死んでいるのですよ。私がアンデット化にしていますので。」
「ジルーバ。お前は何者か?....まさか魔族か?」
「私の名はジルバ。あの方の配下でございます。」
「あの方って誰の事なのじゃあ?」
「あの方は「破滅龍」と言ったらどうします?」
「「破滅龍」じゃあと。あいつは5年前に死んだと聞いているのだが?」
「いいえ。死んではいませんよ。あの方は5年前にある世界を征服しようとその世界に行ったのだが。そこで大きな代償を放ってここに帰って来たのです。」
「「破滅龍」が何故シズクを狙うのだ?」
「この女は魔力量が膨大であるのでねえ。あの方の生贄なんだよ。貴方も賢者なので生贄にしましょうか? いひひひ。」
「なら抵抗されてもらうぞ。 「アイスニードル」!」
ローズマリーからアイスニードルがナイフを持ったジルバの手に刺さった。
ジルバはナイフを落とした。
「シズク。早くこっちに来なさい。」
「はい。ローズマリーさん。」
シズクはローズマリーの傍に向った。
「カズマ君が戻るまで抵抗させてもらうわよ。」
「それは無理だと思いますよ。賢者様。私一人で来ると思っているのですか?」
「それはそう言う事だ?」
「あのカズマって冒険者にはもう一人私の仲間が殺している頃ですよ。なんせ相手は、ブルードラゴン隊の副隊長ですのでね。」
「まさか...あの青龍の副隊長って災害級のレベルじゃないか?」
「だから言ったでしょ? Cランク冒険者より強いって。」
「カズマさんは来ます。絶対に。」
「なんでそう言えるのだね。お嬢さん。」
「カズマさんは何者かわからないけど、たぶんあの方の天敵だと思うので。」
「そうだね。ジルバさん。人間変化は魔族の力を半分しか発揮出来ないよね。その状態なら私一人でも倒せるわよ。」
「この姿では、ちょっときついかもですね。なら本来の姿になりましょう。」
ジルバは光輝いて魔族の姿に変わる..。その姿は灰色の龍に似ていた。つまりワイバーンである。
「私はワイバーン隊隊長のジルバでございます。瀕死までの状態にしてあの方の屋敷に連れて行きます。」
ジルバとローズマリーとの戦いが始まったのだった。
「シズクさん。絶対にこの中から出ないで下さいね。この結界は3重にかけているのでワイバーンの攻撃にも耐えられるはずだよ。」
ローズマリーはシズクに防御結界を施した。
ジルバの口から巨大な火弾を多数放つ。ローズマリーはそれをよけながら得意の魔法で攻撃をかけて行く。
「アイスニードル!」
氷の矢がジルバの火弾に向って相殺されていった。
「なかなかやりますね。ならこれはどうですか?」
ジルバはアンデット化した冒険者に向って光の弾を放つと冒険者の姿がゾンビ化したワイバーンに変身したのだった。
ローズマリー対ジルバと3体のワイバーンゾンビとの戦いになって、ジルバ達が一斉に火弾をローズマリーに向って放って行った。その数100以上。
ローズマリーはアイスニードルを連続発動して火弾に対抗していった。
最初は相殺されていたが段々とローズマリーの魔力が落ちて来てとうとうローズマリーに火弾が命中していった。
....ドバアアアアアアン!
「きゃああああ!」
「ローズマリーさん!」
叫ぶシズク。
「大丈夫だよ...。防御結界を使っているから。」
「さすが大賢者ってことか。防御結界を使いながらの攻撃するとは。」
「そうでもないよ。私も奥の手を使おうかな? 行くよトカゲ達!」
「トカゲではないわ! 全員ブレスの準備しろ!」
ジルバはワイバーンゾンビにブレスの準備をさせていく。
ローズマリーも魔法陣を描き魔法を構成していく。
「全員ブレス放て!」
「行くよ! 「アイスブレス」!」
ジルバ達のブレスを放った同時にローズマリーも氷のブレス魔法を発動した。
ズドオオオオオオオオオオン!
大きな音と煙が蔓延していった。
煙が消えていくと、ジルバのみ立っていて他のワイバーンゾンビは全滅していたが、ローズマリー自身もボロボロの状態になっているのだった。
「ローズマリーさん。大丈夫ですか?」
「はあはあ。.....もう魔力は殆どないわ....。」
「此処までやるとは....。俺も少しはダメージを食らっているなあ..。」
ジルバは更に火弾を準備していた。
「そろそろ終わりにしょうか。これを食らいな。」
ジルバから多数の火弾をローズマリーに向って放った。
ローズマリーは魔力が無くなり動けない。
「ローズマリーさーーーーーん!」
悲壮な声を出してシズクは叫ぶ!
火弾がローズマリーに命中しようとした時、迷宮の中から光の弾がジルバの火弾を相殺されていく。
ジルバとローズマリーとシズクは迷宮の入り口を見る。
入り口から一人の人物が出てきたのだった。
「シズクさん。支店長。大丈夫か?」
「「カズマさん(君)!」」
カズマが両手に魔法銃を持って姿を出したのだった。
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