第8話 領主と教会の思惑

カズマ達が領主宅を出ていった後、ヘルマン=ローレンスは、


「さて。エリーゼよ。私は仕事をしないと行けないので部屋に戻ってくれないか? アンジェリカもエリーゼの事頼むぞ。」


「はい。お父様。」

アンジェリカとエリーゼは部屋から出て行った。

するとヘルマンはため息をついて


「はあ。ハイゼン様。カズマって男は?」


「うむ。中々の戦闘能力はありそうだが、我々には通用しないかと思うぞ? 後、あの女が此処に来たのはいい情報だった。」


「そうでありますか?」


「さっき、教会のあいつから聞いたのが。あのカズマって奴にギルド支店長から迷宮調査に行くみたいだ。あの女は自宅で待機だと聞いた。」


「それでどうされえうのでしょうか?」


「ジルバとノルザックはいるか?」

ハイゼンは後ろから黒い煙で出てくる2人の人物に声をかけた。


「「此処にいます。ギリオン様。」」


「ジルバはあの女を捕まえて私の屋敷に連れてこい。ノルザックはカズマを殺せ。」


「はい。教会のあの方からの情報だと、明日迷宮に潜るみたいです。カズマ一人で。後入り口にあの女とギルド支店長他冒険者で外を見張ると言う事です。」


「ジルバよ。一人で行けるか?」


「もちろんです。私は魔族でありますので。」


「ヘルマン=ローレンスよ。分かっているよな。もし失敗したらお前の娘を生贄にするのだぞ?」


「はい.....。」

と頷くヘルマン。

実はロシーナは2年前に魔族にて支配されていたのだった。

魔族ギリオンは執事ハイゼンとして領主を脅迫していたのだった。

その理由は領民を助ける為に娘エリーゼを生贄とするという約束で、だがその計画はカズマにとって失敗する。そこでギリオンはカズマを此処に呼び寄せて殺せるかどうかを確認していたのだった。そこにあの女<シズク>がカズマと一緒に来たので作戦を変えて行ったのだった。


「これであの方を復活できる。あははは!」


高笑いに言うギリオンだった。


教会Side


教会内にある司教室

そこには2人の人物がいた。

一人はここの教会の司教であるマーベラス司教でもう一人は...。


「マーベラスよ。お主の作戦は中々のものだぞ。」


「ありがとうございます。悪魔士官グラゼル様。」


「あの女が孤児院にいたとは灯台元暮らしでした。」


「後は孤児院を人質にしてあのシズクを貴方様の主に生贄として捧げます。その代わりに私を教会本部の重役にしていただく約束をお願い致します。」


「分かった。マーベラスよ。」


「何故、あの女が孤児院を出た理由がわかりませんが、これで良しといましょう。」

マーベラスが言うとグラゼルは


「あの院長め。やはり抜け目がないか。」


「と言いますと?」


「あの院長は過去に俺と戦った事があるのでね。俺の頬の傷はあいつからもらったんだよ。」


「そういう事でしたか?」


「まあ。良いわ。あとはギリオンが何とかするだろう。俺は屋敷に戻るとするか。」

と言ってグラゼルは煙となって消えていった。


「やっと。私にも運が巡ってきたあああ!」

と叫ぶマーベラス司教だった。

だが当のグラゼルはこう思って消えて行ったのだった。

...このバカ司教の役目は終わったな。あの女を拉致したら消えてもらうぞ....。


このロシーナは2年前、地下迷宮の20階層に封印されていた魔族であった。シズクのパーティがそれを破って復活した。

魔族達はシズクをある方の復活させるための生贄としてシズク以外の人を殺したのだった。シズクが逃げた後、魔族達は領主を脅迫と教会の司祭を重役と言うエサを与えて協力させたのだ。

あの方を復活した後はロシーナを壊滅される事になっていたのだった。

そうとは知らずにカズマとシズクは明日迷宮に行くのであったのだ...。





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