第6話 シズクと言う女性

シズクSide


私の名前はシズクと言います。

年は22歳で孤児院でシスターをしていました。

私はロシーナから約500キロほど離れた今は無い村に生まれました。

両親は農民で毎日畑に出てお野菜を育てていました。

私が5歳の時、村に多数の魔物の軍勢が襲って来て私以外村全員死んでしまいました。生き残った私は救助に来たロシーナの騎士達によってロシーナの孤児院で15歳なるまで過ごしました。

孤児院では15歳になると孤児院から出て行かなくなり私は冒険者として生きて行く事に決めました。

理由は私には他の人と違い回復魔法と攻撃魔法が使えたのです。

魔法は院長先生が教えてくれました。

院長先生は、昔ある国の宮廷魔法士でしたが、戦争で孤児が多くなったのを機会にロシーナで孤児院を作りました。

私は冒険者になった後、基本は薬草採取をしてたまにパーティを組んで魔物討伐をして生計を立てていまして、報酬の2割を孤児院に寄付をしていました。

18歳の時、初めて好きな人が出来てその人のいるパーティに加入しました。

20歳になった約2年間は好きな彼と一緒にいられるのがうれしかったです...。

そうあの日が来るまでは....。

20歳の冬の日、私達はロシーナの迷宮の調査の依頼を受けて迷宮に来ました。

調査は順調でしたが、20階層で大変な出来事が起こったのです。

ロシーナ迷宮は主に20階層まではランクCの魔物が多くいました。

その当時私だけCで彼と他のメンバーはBランクだったのでCランクの魔物との戦いには慣れていました。

20階層に降りた途端、周りが真っ白になり沢山のAランク対象の魔物..オークジェナルが私達のパーティに襲い掛かってきました。

次々と仲間が死んでいくのを見ながら私は震えていました。

最後に生き残った彼が私を1回だけ使える転送魔道具で逃がしてくれました。

それが彼を見た最後だったのです...。

その後、迷宮は封印されてしまいました。

私だけが生き残りしかも体はオークジネラルに切られた跡が残っていました。

呆然としている私を見て院長先生が私をシスターとして孤児院に来ないかと言われ私は孤児院にシスターとして働きました。

孤児院での仕事は大変でしたが子供達の笑顔を見て心が休まる気がしていました。

22歳になった年、教会の司教様から孤児院の援助を打ち切ると言われました。

これからどうしたらいいのかと思っていた時、一人の男性がやって来て援助金として金貨を沢山いただきました。

その方の名前はカズマ様と言って今日冒険者になったっと言われていました。

なら私も冒険者を再活動して孤児院に援助しようと考え冒険者ギルドに行き確認をしました。

しかし、私のギルドカードは既に失効していて再発行は出来ないの事、再登録しても一番下のGランクから始めないといけないって言われました。

Gランクではほとんど稼ぎがありません。

そこで他に方法がないか尋ねると受付嬢のヘレンさんが、使用人の募集があると教えていただきました。

報酬は月金貨5枚で住み込み可能と言う事でギルドの一室で面接を受けました。

そこで以前に孤児院に援助してもらったあの方...カズマさんがいたのでした。

カズマさんは私を見てすぐに私を住み込み使用人として雇って下さいました。

カズマさん。本当に感謝しています。これからはカズマさんのお世話を存分にしていただきます。

しかも、カズマさんは死んだ彼に瓜二つ....。これは運命でしょうか?

と私はそう思いました....。


カズマSide


初めてシズクさんに出会ったのは孤児院であった。

彼女の顔を見て俺は驚いた....。死んだ妻、雫にそっくりだと。しかも名前も同じシズクとは。

その後俺は家を買ってリフォームした後、使用人を雇とうとギルドで面接をしたのだった。

最初の3人は<鑑定>したが希望に合っていないと思った。

最後に入った女性を見てビックリしたのだった。そう彼女...シズクさんだったのだ。

理由を聞いてすぐに彼女に決めてしまった。

俺の妻、神崎雫は俺が自衛隊に入隊した際の同期だった。

その当時俺は25歳、妻は22歳だった。

同じ班になってからお互いに好きになり、2年後に結婚をしたのだった。

俺が30歳で妻が27歳の時、妻に子供が出来て妻は自衛隊を退官して大阪市に自宅を買って二人で生活をしたのだった。やがて生まれる妻の為に頑張ろうと思った矢先、悪魔達が約2000の軍勢が大阪を襲撃したのだった。

その当時俺は東京で悪魔退治していたのだった。

基地に戻ったら大阪が襲撃されたと聞いてすぐに大阪の自宅に着くとそこは焼け野原と化していたのだった。

俺は妻を探して...そして見つけた...妻の死体を...。

妻はお腹をかばいながら倒れていた..。しかも頭とお腹には穴が空いていたのだった。

俺はその場で発狂して怒り狂っていたのだった...。

その後この世界に飛ばされ一人でこっそり生きようと思ったら、妻と同じ女性がいたのだった。


△△△△△△△△△


カズマとシズクは家に着き中に入り大広間に座っていた。


「一応住み込みの使用人になるけど、いいのですか?」


「もちろん。私は宿がないので助かります。夕ご飯作りますね。これでも料理には自信がありますよ。」

シズクは微笑みながら夕ご飯を作りにキッチンに入った。

1時間後夕ご飯が出来て二人で食べるのだった。


「これは。本当に美味しい。」


「うれしいです。カズマ様」


「カズマ様って恥ずかしいからカズマで呼び捨ての方で言ってくれないか?」


「なら。カズマさんと言いますね。」


「それで良いよ。シズクさん。」


更にカズマはシズクに尋ねる。


「シズクさん。もしよかったら冒険者登録して一緒に活動しない?」


「私再登録するとGランクですよ。」


「パーティ組んだら俺がリーダーなのでCランクにあるから。それと討伐報酬も出たら割り勘でしよう。そうすれば孤児院の援助になるしね。」


「はい。」


「明日はシズクさんの冒険者登録をして依頼を受けよう。」


「分かりました。」


「あと、先にお風呂に入って。俺は後から入るので。」

と分かりましたとシズクは言った。

カズマはもう一度シズクを鑑定した

名前 シズク 22歳 女性

レベル60 

職業 元冒険者 元シスター 大賢者エネロールの弟子


身長165センチ 体重50キロ

バスト88/ウエスト56/ヒップ78


....なんでいつもながらスリーサイズ表示するのだ??


あと賢者エネロールって書いてあるが、バランさんに聞いたことある。

確かこの世界で3人の大賢者がいたってその一人がバランさんで後はエネロールと言う人とエルフでローズマリーって言っていたな?


まあ。そこは置いといてあのシズクさんはマジで亡き妻に瓜二つだ...。

そう思ってシズクのお風呂が終わった後、カズマはお風呂に入った。

そして明日の計画を決めて二人は別々の部屋に寝るのだった。


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