第4話 ロシーナの街ブラブラする

冒険者ギルドから出たカズマは、

(まあ。取り合えず街を見て回ろうか? 確かここは商業地区って言ったいたよな。だったら他に特別の地区があるはず。)

カズマは東に向って歩いて行くのだった。

東地区には一般住民が住んでいる地区になっていた。


(ほお。結構多いんだな。まるで中世ヨーロッパの街の風景にそっくりだ。)


更に歩いていくと教会らしき建物と隣には古びた建物があった。

カズマは教会らしき建物に入って行った。

中に入ると大広間になっていて神官らしい人々がお祈りや雑談などしていた。

すると一人の神官がカズマの元にやって来た。


「当ユグドラシル教会にようこそ。ご用件はなんでしょうか?」


「此処は教会で合っているのか?」


「左様でございます。ここでは信者の方が来てお祈りとか回復支援をしているのです。」

カズマはその神官に色々と教えてもらった。

このユグドラシル教会は、女神アニスを信仰している教派で本部は王国の王都に置いているの事、回復支援をしてもらうには金貨1枚必要である。お祈りは銀貨1枚で教会の大昼間でお祈りしていると言うのだ。信者からのお布施と各国の援助によって教会の運営を賄っている。隣にある古い建物は冒険者が亡くなった子供や此処の住民で病気とか亡くなった子供達を預かる孤児院だとその神官は言った。


「孤児院の子供達の世話をねえ。良いことをされていますね。」


「そういわれると嬉しいですよ。」


「後、教えて欲しいのだが。俺はこのロシーネに来たばかりなので街の仕組みを教えていただきたい。」


「わかりました。先ず通用門に入って女神アニスの像がある噴水を中心に西には商業区画。東には住民区画、北には領主様と他の貴族がいる区画。南は護衛騎士と近衛騎士がいる区画となります。一般市民と冒険者達は騎士区画と貴族区画には入れません。」


「ありがとう。助かりました。お布施としてこれを。」

とカズマは銀貨10枚をその神官に手渡すと


「ありがとうございます。女神アニス様のご加護がありますように。」


神官は立ち去って行ったのだった。


(ついでに孤児院でも見て行こうか。)

カズマは隣の孤児院に行った。

孤児院は古い2階立ての建物で庭は雑草が多く茂っていた。門にある呼び鈴を鳴らすと、若いシスターが出てきた。

...このシスター。俺の亡き妻に似ている...。

若い女性は髪と目が黒色でとても綺麗な女性でカズマの妻だった雫に瓜二つであったのだった。


「孤児院にようこそ。ご用件は何でしょうか?」


「ロシーネに来たばかりなので色々と街を見学している所だ。教えて欲しいのだが。此処には孤児は何人いるのだ?」


「此処には1歳から14歳までの子供達が約50人在籍しています。」


「その割にはここの建物が古いと思うのだが?庭の手入れも出来ていないし。」


「それは...。此処にはお世話をする人が私と他ののシスター3人と院長先生を入れて5人しかいません。」


「隣の教会から人の援助とお金の援助とかあるのか?」


「いいえ。人の援助はありませんが、お金の援助は2か月に一度だけ援助があります。」


「いくら援助してもらっているのだ?」


「はい...。金貨5枚です。」


「なんだと? そんなに少ないのか? この人数だと月金貨10枚はかかるはず。」


「私と院長はこの孤児院の出身であります。以前は領主様からの寄付を頂いたのですが、今は教会経由でのお渡しになっているのです。」


「確か15歳で成人だな?」


「はい。15歳になると此処を出て行くのです。他の都市や村に出て行くのです。たまに、孤児院出身の人が野菜とか古着を頂いて何とかやり繰りしているのです。」

あまりにも酷い経営だった。

カズマは考えて結論を出してシスターに話をする。


「これを受け取ってくれないか? 孤児院の寄付として少ないかも知れんが?」

カズマはシスターに金貨50枚を渡した。


「え? そんなに多く...。ありがとうございます。大事に使います。」


「たまにここに来てもいいかな?」


「はい。」


「明日にもお伺いするよ。」

とカズマは孤児院を後にした。

時間は夕方になったのでカズマは「満月亭」にむかった。

「満月亭」は冒険者ギルドの隣にある建物で中に入ると太った女性が受付していた。


「すいません。冒険者ギルドから報告にあったカズマと言います。一部屋お願いしたい。」


「あら。あんたがカズマだね。ギルマスから聞いているよ。夕と朝の食事つきで銀貨10枚だよ。」


「それじゃあ。銀貨10枚。」


「ありがとう。部屋は2階の奥の「夕月の間」だよ。2時間後に夕食が出来るから1階の食堂に来てくれよ。1階の奥に供用浴場があるから使ったらいいわよ。」


「ありがとう。女将さん。」


カズマは2階に上がって「夕月の間」に入って荷物を置いた。

(確かバランさんから宿に入ったら防御結界をしておけって言っていたな。)


カズマは防御結界を張って1階の食堂に行き夕食を食べた。

その後、共用浴場で体を洗い。部屋に戻ってベットに座った。


「明日は家を借りて、その後は孤児院に状況確認しないとな。俺が出来る範囲はやろう。地球にいた頃もやっていたように。」

カズマがいた地球で傭兵をしていた時、戦争で親がいなくなった孤児をカズマが経営する孤児院に保護していたのだった。その孤児院は日本の政府が管理してもらっている。だからこそ。孤児院の事が気になっていたのだった。


「もう。寝るか明日は色々するべき事が多いからな。」

とカズマはベットの中に入って寝たのだった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る