第3話 ロシーナの冒険ギルド

カズマ達はロシーナの街200メールトルの地点にいた。

ロシーナの西側から大きな橋が長く続いているのに驚く。

「カズマ殿。あれはロシーナから帝都に向っている鉄道専用の橋だ。」


「ほほお。鉄道か。」


「此処から帝都経由で他の都市にも鉄道で物資を送っているのだ。特に海産物中心に。あと他の都市から物資が届くのだ。」


「何で橋で移動している。ああ、魔物対策か?」


「そうだ平原に線路を引くと魔道列車が魔物に襲われるので橋を建設したのだ。橋も魔道具を埋め込んだ橋で魔物防止の魔道具が入っている。」


「なるほど。魔道列車には一般の住民の移動は出来るのか?」


「魔道列車には貨物専用と貴族専用がある。貴族専用は帝都からの呼び出しに使っている。一般の住民は主に馬車での移動が多い。」

とアンジェリカはカズマに鉄道の内容を説明しているとロジーナの通用門の前に到着したのだった。

通用門には両端に重装備の門番が立っていた。


「ここは私が行こう。」

アンジェリカは馬車から降りて門番所に向い話をしていく。


「私はアンジェリカ=ハワードだ。エリーゼ様の護衛でここに戻って来た。通して欲しい。」


「これはアンジェリカ様。分かりました。お通り下さい。馬車を操作している者ははエリーゼ様の下僕じゃあないかと思いますが?」


「先ほど盗賊団に襲われてしまって騎士が8人とメイド2人と下僕が死んでしまってそこのカズマ殿に助けてもらったのだ。カズマ殿の亜空間収納に死んだ騎士達と盗賊団の頭の首をだしたいのだが?」


「それでは隣の詰め所でお願いします。」


「ありがとう。感謝する。」


「カズマ殿。すまんが隣の詰め所で死んだ騎士達と盗賊の頭の首を出してくれないか?」


「分かった。」

カズマ達は隣の詰め所に行き、そこで死んだ騎士達と盗賊団の頭の首を取り出した。憲兵長がその首をみて


「こいつは手配の「漆黒の爪」の頭ダズじゃあないか。こいつを貴方が殺したのか?」


「ああ。その通りだ。」


「感謝する。盗賊団「漆黒の爪」はこの界隈を襲っていた盗賊で冒険者が討伐依頼をしても誰も帰ってはこなかったのだ。」


「それでは失礼する。」


「色々助かった。」


「ありがとうございました。カズマ様。あのう、カズマ様はこれからどうするのですか?」


「冒険者ギルドに向って冒険者になるつもりだ。」


「それなら父上から冒険者ギルドにこの事を報告しますね。手配済みの悪人討伐の報酬をもらえるかと思いますので。」


「ありがとうございます。エリーゼ様。」


「カズマ殿。冒険者ギルドの場所は此処から西にある商業区画の中央にある赤い建物がギルド支部になっている。」


「感謝する。アンジェリカ殿。」

カズマはアンジェリカ達と別れて言われた方向に向って歩いて行った。


ここロシーナは、帝国最大の商業都市でここから帝国の王都や他の都市に魔道鉄道を使用して物資を送っているのだった。

ロシーナの領主はヘルマン=ローレンス伯爵で領民から支持を受けている。

ロシーナではスラム街がない。理由は領主が仕事を斡旋しているのと、住民税しか税を徴収していない事だ。この街は帝国で一番住みやすいと言われている。


カズマは商業地区に入ると沢山の店が開店していた。

防具専門店、武器専門店、飲食店などなどの多彩な店の通りを進んで行くと中央に赤い建物が見えて来た。冒険者ギルドである。


「此処か冒険者ギルドか。デカいな。」

カズマは冒険者ギルドの中に入って行った。

中に入ると大勢の冒険者と思われる人々がいて、掲示板を見ている人、受付に報告している人など様々な人が出入りしていた。


「新規冒険者受付」と書いてある場所にカズマは向った。

そこには少なからずの冒険者になりたい人が並んでいたのだった。

カズマはその列の後ろに並んだ。しばらくするとカズマの番になったのだった。


「いらっしゃい。新規受付ですか?」

と20代半ばの美女が聞いて来た。


「はい。新規受付をお願いします。」


「分かりました。私は新規受付担当のヘレンと言います。」


「俺はカズマと言います。よろしくお願いする。」


「それではこの用紙にご記入して下さい。」

受付嬢のヘレンに従って用紙に記入する。


「カズマ様ですね。最後にこのギルドカードに一滴血を垂らして下さい。」


カズマは持っていたサバイバルナイフに指を少し切り一滴血をカードに垂らした。

するとカードが光ってその後消えて行った。


「カズマ様。これで登録は終わりました。ギルドの説明してもいいでしょうか?」


「はい。何分初めてなのでよろしく頼む。」


「では。説明に入ります。」

とヘレンは説明を始めて行くのだった。

先ず冒険者にはレベルがあり一番下がGで一番上がAになっている。その上にはSランクがあるがそれは各ギルド支店長の紹介があって尚帝都にあるギルド本部の承認が必要とされている。

Sランクの冒険者は各国1人か1パーティしかいないの事。ここレシーナでは最高でBランクの冒険者が10名いるの事。

ランクを上げるにはポイント制になっていてランク事に達成ポイントが決まっていいる。

Bランクまではポイント制でAランクはギルド支店長の承認がいるのだった。

ギルドでの決まりごとは

①ギルド内の揉め事は一切行わない

②依頼は同ランクの依頼しか受けれない。

③Bランク以上の冒険者は強制依頼がありこれを拒否することが出来ない。

④依頼の横取りや依頼の未達成の場合はポイントが減りそれが無くなるとギルドカードの剥奪する事になる。

主な内容を聞いた。


「カズマ様は最初はGランクになります。最低Cランク以上になるようにお願いしますね。Cランク以上になりましたら色々な特典とか個人依頼があるますので。」


「分かった。それと魔物の素材とか魔石の買い取りはここで出来るのか?」


「はい。隣に「素材買い取りカウンター」がありますのでそこで申しつけて下さい。」


「討伐依頼の場合は何か証明する物が必要になるのか?」


「いいえ。そのギルドカードに倒した魔物が記憶されますので安心して下さい。」


「わかりました。それでは聞いていいかな?」


「恐らくここに報告が入っているかとわからないが盗賊団の壊滅の報告が来ているかと思うが?」


ヘレンは奥に行って確認をしていった。

10分後飛んで来る。


「カズマ様。すいませんがギルド支店長がお呼びです。支店長室に案内致します。」


「分かりました。」

カズマは答えると周りから騒めきが出てくるのだった。


「いきなり支店長が対応って初めてじゃないのか?」

となど色々言われてながらカズマは支店長室の案内させる。

ヘレンが支店長室の前に立つと


「支店長。冒険者カズマ様がいらっしゃいました。」


「うむ。入っていいよ。ヘレンちゃん。」


カズマは中に入るのだった。


支店長室は地球での社長室と同じぐらい様式になっていて

支店長と受けられた席には25歳ぐらいの銀色のロングの美女が座っていた。

カズマは<鑑定>をしてその人物を確認した。


名前リーチェ=ハロルド 150歳 女性 種族ハーフエルフ

レベル90

職業 冒険者ギルドロシーナ支店長 元賢者


身長170センチ 体重45キロ

バスト90/ウエスト50/ヒップ80


....いつもながらスリーサイズ表示しているのだ? しかもハーフエルフかあ。

150歳には見えん.....。

とカズマは思っていると


「あら。<鑑定>持っているの? 見ちゃだめだよ。君。」


「初めまして。カズマと言います。」


「私はここの支店長のリーチェ=ハロルドよ。次からリーチェでいいわ。」


「リーチェさん。ここに呼ばれた理由は?」


「領主様から報告にあってあの「漆黒の爪」を全滅したって聞いてね。どんな人かと思ったのよ。まあ。普通の中年さんだったのね。」


「はい。中年ですけど?」


「なかなかいいわあ。貴方。それでその功績であなたをCランクにしようかと思っているのよ。言い忘れたけどギルドカードに登録する前の魔物討伐の結果もカードに記録しているので貴方のカードを見せてちょうだい。」


「そうぞ。」

カズマはカードをリーチェに渡した。


「えーと。ゴブリンが52体とオークが25体とオーガ12体???。しかも単独討伐だってえええええええ!」

驚くリーチェと隣にいたヘレン。


「ヘレンちゃん。」


「はい。支店長。」


「ヘレンちゃんは、今からカズマ君専用受付嬢になりなさい。命令です。無論、いつもの受付と兼任だけどね。カズマ君が来たらカズマ君優先で頼むわよ。」


「うそ! 初めてです。一人の冒険者専任は。分かりました。」

とヘレンはやったーと喜ぶ。どうやら冒険者専任だと給料が上がるらしい。


「魔物討伐の実績と盗賊団の壊滅をポイントにしたらCランク達成しているので、今日からCランク冒険者となるわよ。Bランクに上がるには後少しで上がれるわよ。」


「分かった。」


「久々の将来Aランク以上の期待の新人だわ。それと一つ質問していい?」


「どうぞ。」


「貴方。異世界に来たのね。」


「そうだ。」


「やっぱり。報告書を見たらわかったのよ。あの盗賊の頭を秒殺できるなんて、あの盗賊の頭ね元Aランクの冒険者だったのよ。前の領主と共謀して色々悪さしてから冒険者を剥奪して牢屋に入れたら脱獄して盗賊になったのよ。」


「結構有名な奴だったのか?」


「そうよ。あと最後に聞いてもいい?」


「どうぞ。」


「この盗賊以外に何人殺したの? 前の世界も含んで。」


「言ってもいいのか?」


「いいわよ。言って。」

(まあ。前の世界では殺しとかあまりないと聞いたから少ないでしょう。)


「約2万人だ。悪魔と言われる者入れると10万以上だ。」


「「え? マジ.......。」」

ヘレンとリーチェは青ざめる。


「俺は前の世界で「傭兵」をしていた。つまり「戦争専門の兵士」だ。敵を倒すのが俺の仕事だ。」


「初めて.....見るわ。まあ、良いわ。何で異世界から来た言う理由は、100年前に魔族戦争があって魔族の大将を倒したのが異世界から来た勇者だからよ。私はその勇者とパーティを組んでいたのよ。」


「そうか。俺は自分から人を殺さない。だけどこの世界に来てやりたい事は、のんびりと旅をしたいだけだ。」


「わかったわ。話は終わりです。」


「では失礼する。」

カズマは支店長室を出ていった。

リーチェは

(本当に戦闘専門の方わね。魔族との戦いは本当に出来るのかわからないけど...。もし魔族を倒したらまさに救世主だわ。今の勇者はダメダメだもんね....。)

と思うのだった。


カズマは買い取りカウンターで魔物の素材と魔石を取り出した。

買い取り受付の男が査定に入って30分後。


「査定結果は合計金貨100枚と銀貨30枚です。あと手配盗賊団の報酬は金貨400枚となります。」


「ありがとう。」

カズマは報酬を受け取った。


「あと、教えて欲しい。お勧めの宿はあるのか?」


「それなら長期滞在用の家がありますけど? 月金貨5枚でありますよ。宿を取るよりいいかと思います。特典で通いの家政婦さんがいるのでどうですか?」


「それでいいよ。当分は此処にいると思うので。」


「それでは明日にここギルドに来てください。専任担当が手配しますので。ここの隣に専用宿がありますので連絡しておきますよ。料金は結構です。宿の名前は「満月亭」と言います。」


「ありがとう。感謝する。」

カズマはギルドの外にでた。

一応この街を見て回ろうか。その後宿に泊まって行くかと思いながらカズマはブラブラと街を見て回るのだった。




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