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「さぁ、それじゃビシバシいくわよ! お嬢さんたち!」
「えー……っと? パパイヤさん、何してるの?」
「何故バレた!?」
【変態】
これか? この髪の毛か? ちょっとキャラ性にこだわりすぎたか?
ちなみに、見た目はちょっと背の高い渡辺◯美で、髪型は天パを後頭部でまとめてポンポンみたいにしている。服装はガチ目のメイド服だ。意外とメイド服が似合うな、渡辺直◯。
「いや、メガネが一緒だし?」
メガネかーっ! そういやメガネはオーバルの黒縁のまま変えてなかったな。失敗失敗。
いや、メガネって掛けてる本人にはほとんど見えないんだよね。なんとなくボヤっと見えるくらい。
なんなら、掛けてることすら忘れてた。だってコレ、度が入ってない伊達メガネだもん。
「それと、匂いかな?」
「えっ、
マジか。
なんだろう、マメ臭? まさか加齢臭じゃねぇよな? まだそんな年齢には……大丈夫、大丈夫なはずだ!
「ううん。僕は好きだよ、パパイヤさんの匂い」
おおう、笑顔がやっぱり可愛いな。こんな笑顔で『好き』とか言われたら、勘違いして堕ちる奴が続出するぞ。恐ろしい子。
でも勘違いするな? この娘は男だ。両脚の間には俺と同じモノが付いてる。
いや、草に転生した当初の俺には付いてなかったけども。◯辺直美になっている今も付いてないけども。
あれ? なら問題ない? のか?
「はぁ〜、凄いですね。アタシは言われなければ気づきませんでした」
「アタシも」
ふむ、
ということは、クリスが特別なだけだな。名持ちだからスペックが高いのかもしれん。恐ろしい子。
「でもソレ、どうやって変装してるの? 顔の形が全然違うし、そのオッパイも本物っぽいよね?」
「ああ、そういう
「へぇ〜、【変態】かぁ。凄いね!」
うむ、効果は凄いんだよ。名称が良くないだけ。おまわりさんがすっ飛んでくるレベルで良くない。
「幹部全員ということは、マーリン様も使えるのですか?」
「私ですか? もちろん使えますよ。ほら」
お姉さんからマーリンに話が振られたから、マーリンでも変身してみせる。
もちろん、変身シーンはクルクル回りながら白フラッシュだ。パンツやオッパイが見えたら、日曜の朝に放送できなくなっちゃうからな!
「ふむ、こんなところでしょうか?」
変身完了! 右手に持った指示棒を左の掌にパシッと叩きつける! ちょっと痛かった!
今回はアンジェリー◯=ジョリーっぽい外見にしてみた。デキる大人の女っぽいだろう?
服装はもちろんメイド服。髪はブラウンで、頭の天辺近くでお団子にまとめている。
今回はメガネも変えてみた。ラウンドの黒フレームから、スクエアのシルバーフレームだ。
全体的にみて、行儀に厳しいメイド長っぽくなってるはず。ビシバシいきますわよ?
「っ! マーリン様!?」
「信じられない……」
うむ、お姉さんもお嬢さんもびっくりしているな。さもありなん。全くの別人だからな。
「髪の毛があるわ……」
「普段から頭だけ【変態】してればいいのに」
そこかよ! もっと別に見るところがあるだろう!? 抜群のプロポーションとかさぁ!
あと、マーリンの頭はハゲてない! 生やしてないだけだ!
「コホン。ともかく、これからは私たちふたりが貴女たちにメイドとしての作法を教えていきます。この姿のときは、私のことはマーサと呼ぶように」
「アタシはライチだよ。ビシバシいくから、覚悟するようにね!」
「「「はい、よろしくお願いします!」」」
うむ、良い返事だ。
それじゃ、俺が王国や皇国の貴族家から盗んできたメイド術のアレコレ、しっかり叩き込ませてもらおうか。
◇
「ライチさんって言うんですか! 大魔王様の幹部にこんな美人が居られるとは存じませんでした! オレ、ライアンって言います! これからよろしくお願いします!」
集落の役所で三人の訓練をしていたらライアンに見つかった。そして
どうやら渡◯直美はライアンのストライクゾーンど真ん中だったみたいだ。こいつ、オッパイ星人だと思ってたんだけど、ポッチャリストだったんだな。オッパイ以外も大きいほうがいいと。
まぁ、ふくよかな女性に魅力を感じる層っていうのは一定数いるから、そういうこともあるだろう。
問題は、
……女性陣(クリス含む)の残念そうな、面白そうな、いたたまれなさそうな視線が刺さっている。ライアンは気付いていない。
正体を明かすべきか否か……隠し通すか。メイド教育が終わったら、別の任務で旅立ったとでも言っておこう。
どうせ実らない恋だ。綺麗なまま思い出にしてやるのが思いやりというものだろう。
ライアン……可哀想な子。
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