058
あー、うーん? えーっと……。
知ってて言わなかったとか、後で責められるのもイヤだしな。先に教えておこう。
「アローズ殿、あの子は男の子ですよ?」
「それが何か?」
うぇっ、即答!? なんでそんな、俺がおかしいみたいな目で見るの!?
まさかアレか、ここって戦国時代みたいに『おホモだち』が当たり前な世界なの!? 衆道やったるどーなお国柄!?
「ライアン殿、皇国では同性愛は一般的なのですか?」
「ん? ああ、一般的とまでは言えねぇが、好きな奴はそこそこいるな。少し大きめの街に行けばソレ専門の娼館もあるくらいだしよ。まぁ、俺は普通にお姉ちゃんのほうが好きだけどな。あの乳のデカい姉ちゃんなんてメチャ好みだぜ」
お前の好みなんて聞いてねぇ。
とりあえず、普通が普通なんだな。けど、それなりにそういう趣味の奴はいるのか。
そういえば、クリス自身も娼館に売られるって話をしてたな。売り買いされるってことは、そこに需要があるって事だもんな。男娼に需要があるってことだ。クリスを男娼って言うのは凄く違和感があるけどな。
ああ、アローズは元傭兵だったな。軍隊とかは男所帯だから、そういうのが多いって聞くよな。そうか、アローズはそっち側だったか。言われてみればそんな気配がしてたようなしてなかったような。
まぁ、俺はライアン側だ。お姉ちゃんのほうがいい。オッパイは大きくても小さくても、丸くても尖ってても気にしないけどな。
オッパイに貴賎なし! これは後世に残すべき名言だ。けど、チ〇コに需要なし! 自前のだけで十分。
はっ!? まさかとは思うけど、衆道で枯れ専なんていないよな!? いや、あり得るのか!? お爺ちゃんは立たないから、掘られる専門になる!?
街に潜入しているアーサーが危ない!? お尻を隠せ、娼館には近づくな! エロ河童に尻子玉を一発抜かれるぞ!
なんて怖い世界だ。そんな趣味の奴がいたら喜んで大魔王の称号を譲ってやるよ。混沌すぎだよ、お前が大魔王だよ。勇者だよ。どっちだよ?
うーむ、しかし、どうしたものか。
クリスは
まぁ、クリスが俺に向ける好意は、子供が母親に向けるような、恋愛じゃなくて親愛の情だろう。ママに甘えたいの? うふっ。
そういう意味では問題ないとも言える。泥沼の情事には発展しないだろう。というか、そういう事態に俺を巻き込まないでくれ。
だって、関係者が全員男だぜ? 泥沼っていうか、白濁沼の情事だよ。うおっ、我ながら嫌な想像をしてしまった! サブイボが!
まぁ、相変わらず実際には出来てないんですが、サブイボ。そんな気がしただけ。
まぁ、ヒトの恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて三ハロンって言うしな。プリチーにダービーされちゃうぞ? ウマ娘には蹴られてもいい。ただしゴルシ以外。
当面は見守るしかないか。やれやれ。
◇
よし、いい感じに鍋もおたまも振れてる! 四本指の扱いにも大分慣れてきたな!
作る量が増えたから、軍用の炒め鍋も丁度いい感じだ。
あれ、ギーに新しい鍋を作ってもらう必要無くなった? いや、まだキキの離乳食調理用が足りてない。それは喫緊だ。すぐにでも作ってもらわないと。
俺が作ってもいいんだけど、只飯食いを養うのもな。出来る仕事があるならやってもらわないと。特にオッサンは働け。
よし、肉にも野菜にも火が通ってきたな。ここでニンニクと唐辛子、塩を振って味付け。そして仕上げの出汁アンド水溶き片栗粉! うむ、いいとろみが出てきた。
そして、完全に野菜に火が通りきらないうちに火を止める! これでシャキシャキ感のある野菜炒め餡の完成だ。
この餡を、太めに切って茹でてから焼いた麺にかける! カンスイが無いから細めのうどんっぽいけど、まぁ、それは仕方がない。
これで塩餡かけ焼そばの完成だ! うーむ、美味そう! オイスターソースか醤油があればもっと美味くなりそうだけど、無いものねだりしても仕方がない。これはこれで美味そうだからいいのだ。
よし、亜空間経由で皆に配膳だ。みんなー、今日のお昼は焼そばですよー。
いやしかし、ゼブは本当に良い拾い物だったな。実に良い味付けができるようになった。
なんていうかこう、食材の旨味を引き出すっていうの? ピーマンの苦味の中に隠された甘味引き出すっていうか、そんな感じ。ピーマン無いけど。
四本指っていうのにちょっと違和感があったけど、小指と薬指が同時に動いてると思えばどうってことはない。草だった頃に比べたら雲泥の差だよ。
バイ〇ハザードシリーズとスト〇ートファイターシリーズくらい操作性が違う。今なら昇〇拳、小足見てから余裕です。
まぁ、マジ肉弾戦闘向きのオークに料理させてるとか、人材の無駄遣いっぽい気がしなくもないけど、こいつに作らせると料理が美味いんだからしょうがない。適材適所だ。
「まー」
おん? おお、キキか。どうした? ご飯はさっき食べただろ? 足りなかったか? それじゃ、特別にこの餡かけ焼きそばの残りを出汁で煮てと。風魔法でササっと冷やして離乳食ソフト麵の完成! 塩は控えめになっております。さぁ、おあがりよ!
「きゃーっ、うだーっ!」
そうかそうか、美味いか。うんうん、父ちゃんはキキの喜ぶ顔でお腹がいっぱい……でもないな。俺も、っていうかゼブにも飯を食わせよう。身体がデカいから食う量も多いんだよな。畑の拡張も考えないといけないかも。
けど、ゼブのおかげでハリーに余裕が出来たのはありがたい。掃除や洗濯が捗る。やっぱり家事は家族で分担するべきよ。主夫は大変なのよ! 聞いてる、ヤギママ!?
くっちゃくっちゃ
うん、聞いてないね。いつも通り。
おっ? あー、とうとう来たか。お客さんだ。
いつかは来るだろうとは思ってたけど予想より遅かったな。そんなに離れてないのにな。来ないならこっちから行こうと思ってた。
それじゃ、お出迎えしますか。
ようこそ、ネコ耳君たち。
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