031
おっと、そうだ。試さなきゃいけないことがあるんだった。色々あって忘れてたよ。
これを試さない事には、俺の異世界生活は始まらないと言っても過言ではない。かもしれない。
よし、行くぞ! ドキドキ……。
「ステータスオープン!」
――――
名前:ボン=チキング
種族:魔王樹(若木)
年齢:二歳
HP:★★★★★★★
MP:★★★★★★
腕力:★★★
体力:★★★★★★★
知能:★★★
敏捷:★★
技巧:★★★
技能:『最適化』『体外思考』『疑似知覚』『成長促進』『毒生成』『毒耐性』『水生成』『風魔法』『体内時計』『形状変化』『言語理解』『光魔法』『並列思考』『眷属化』『時空間魔法』『魔素変換』
称号:『大魔王』
眷属:『ジャガイモ』『ネコ麦』『ハエトリカラシナモドキ』『▼キキ』『▼ヤギママ』『ハイランド・ルフ(オス・四歳)』
特記:『激甚災害指定個体』
――――
うおっ、出たっ! 半分諦めてたのに、アッサリ出やがった!
ふむう。意外にシンプル? 名前、種族、年齢、能力値とスキル、称号か。
HPやMPもあるけど……全部星表示? 数値じゃないんだな。上限はいくつなんだろう?
HPと体力だけやたら多いな。体力バカってか。うるせぇよ!
他に比べて敏捷が低いのはしょうがないな。豆の木だから。ってか、あのキレキレアクションでも星ふたつなのか。
うん? 技能のトップに覚えの無いのがあるな。最適化? はて?
うーん……分からん! まぁ、悪い効果は無さそうだし、気にしなくてもいいだろう。字面的にきっと、何かをグッドでベストにしてくれるんだろう。知らんけど。
眷属のハエトリカラシナモドキって何だ? ……ああ、あのクレソンっぽいのか! そういや、ネコ耳に献上されて眷属になってたな。
むっ? ということは、光魔法と水生成、成長促進を使えば、冬でもクレソンっぽいのが食えるってことか? おおっ、キキのご飯にバリエーションが増えるな!
うん? よく見ると眷属の表示が妙だな? 種族名と固有名のふたつがある? 植物は種族名だけ、キキとヤギママは名前で、鳥は種族名と年齢、オスメスの表示だな。何の違いだ?
おっ、キキとヤギママのところはセクションになってる。開くと?
――――
名前:キキ
種族:ワーキャット(メス)
年齢:〇歳
HP:★
MP:
腕力:
体力:
知能:★
敏捷:
技巧:
技能:(『成長促進』)(『毒耐性』)(『言語理解』)
称号:
眷属:
特記:『ボン=チキングの眷属』
――――
ほほう、なるほど。眷属のステータスも見られるわけね。
ふーん、赤ちゃんだとステータスに星が付かないこともあるのか。それくらい低いって事だな。そりゃ、赤ちゃんだもんなぁ。むしろ、HPと知能にひとつ付いてることが驚きだよ。
技能にカッコが付いてるな。これ、俺の影響ってことかな。
けど、数が少ないな。なんでだ?
……もしかして、パッシブなやつだけか? それで、疑似知覚とかの必要ない技能は消えてるって感じだったり?
体外思考は何で消えてるんだろう? あっても問題ないと思うんだけど……うむ、分からん! 分からんことは気にしない!
それじゃ、ヤギママは……っと。
――――
名前:ヤギママ
種族:ディアボロス・ゴート(メス)
年齢:五歳
HP:★★★★
MP:★
腕力:★★★
体力:★★★
知能:★★
敏捷:★★★
技巧:★
技能:(『成長促進』)(『毒耐性』)(『言語理解』)
称号:
眷属:
特記:『ボン=チキングの眷属』
――――
おんや? 元
いや、俺が規格外なのか? いやぁ、それほどでもあるけど! なんてったって大魔王だもんな! ♪なんてったって大魔王~、わたしは大魔王(YOU ARE 大魔王)♪ ってか!
冗談はさておき。
俺の能力値の高さは、領域支配者としてのバフが掛かってるんだろうな。周囲からかき集めた魔力で強化されてる感じ。
けど、マイ支配領域から出たエグジーたちも、特に能力が下がってる感じはしないんだよな。何故かという理由は分からないけど、仮説を立てることはできる。
ズバリ、本体の俺がマイ支配領域に
普通なら、領域支配者が支配領域から出ると領域支配者でなくなってしまう。出た瞬間に集めていた魔力が無くなって、弱体化してしまう。
ところが、俺はずっと自分の支配領域の中に居続けている。外に出ているのは分身に過ぎない。けど分身もまた俺だから、ずっとバフは掛かり続けている。
多分、そんな理由じゃなかろうか?
これ、酷いチートだな。俺だけ常に無敵モードじゃん。いや、むしろバグ? 次のアップデートで修正されること間違いなしだな。
いや、大魔王ならこのくらいの理不尽さがあってもいいはずだ。いいかな? いいとも! やられると腹が立つけど、やる側なら大歓迎だ。
人生、そのくらいイージーモードな方がいい。もっとも、転生してすぐに三回もマルカジリされたハードモード、いや、ルナティックモードでのスタートだったけどな。その埋め合わせとしてなら、まだまだサービスが足りないかもな。
このステータス、ヤギママたち自身は見れるのかね?
発声しなきゃダメってことは、言語を解する知能と文化が必要ってことだろう。なら、喋れないモンスターのヤギママには無理かもしれない。
モンスターの中には、一生自分のステータスを知らずに死んでいく奴もいるってことか。
いやいや? 俺さっき、ネコ語で『ステータスオープン』って言ったよな? ネコ語でOKなんだったら、もしかして他の言語でもOKだったり?
もしそうなら、スライム語やヤギ語があればステータスが見られるかも?
「ヤギママや、お前さんは自分の能力を見れたりするのかい?」
もっしゃもっしゃ。
ガン無視かよ。こいつは天の声さんと同類だな。塩対応過ぎて辛いです。『つらい』と『からい』を掛けてみた、塩だけに。
キキもヤギママも、眷属なのに全く意思の疎通が出来てる気がしないんだよな。俺が上位のはずなのに、俺ばっかり奉仕してる気がするし。いや、赤ちゃんとペットの世話は大人の義務だけどさ。
あれ? 眷属化の俺のメリットって何?
さてと、検証に戻るか。掘り下げても幸せになれそうにない事は掘り下げない。それが大人。見て見ぬふりともいう。
鳥のステータスが見られない理由が何なのか。これは興味深い。掘り下げる価値があるだろう。幸せになりたい。
一番あり得そうなのは『名前』だよな。名付けするとステータスが見られるようになるっていうシステム。
それじゃ、早速実験だ。
巨鳥はずっと亜空間に放り込みっぱなしだったんだよな。パパイヤが川を下りながら獲ったエビやらカニやらアノマロカリスやらを食わせてたから、死んではいない。むしろ毛艶が良くなったんじゃないか? くっ、やはり眷属と書いてペットと読むのか。
ほら、外だ。何ビックリしてんだよ、お前が支配してた針葉樹林じゃないか。ドドリアさんはパパイヤになったけど、それ以外は変わりないはずだぞ?
あっ、てめぇ! さては、手軽にエサが喰えるペットポジに味を占めやがったな!? うちにはてめぇのような大飯喰らいを養う余裕はねぇんだ! ニートは許さん、働け! 早速仕事だ、実験に付き合え!!
「命名、ガンモ」
デカいニート鳥にはお似合いの名前だ! コーヒーで酔っぱらうがよい! DASSEEE!
で、ステータスはどうかな?
眷属:『▼ガンモ』
おお、ビンゴだ! 一発で当たりを引き当てたな、さすが俺、サスオレ!
で、セクションを開くと?
――――
名前:ガンモ
種族:ハイランド・ルフ(オス)
年齢:四歳
HP:★★★★
MP:★★
腕力:★★
体力:★★★★
知能:★★
敏捷:★★★★
技巧:★
技能:『千里眼』(『成長促進』)(『毒耐性』)(『言語理解』)
称号:『荒鷲魔王』
眷属:『ハイランド・ルフ』
特記:『災害指定個体』『ボン=チキングの眷属』
――――
……え? 魔王? 災害指定個体?
……。
……え?
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