第7話 チャラウェイ男と断罪者




真夜中





繁華街の明りに、

善良でない人間達が引き寄せられる。

そしてまたそこに『穢れ』も集まってくる。




「うぇいうぇいウェイウェイ!」




男達が弱そうな男を取り囲む。


「ねーヲタク君、俺たち、金ねぇんだわ」

「そーそー」

「ボクちんのお小遣い、ちっと貸してくれるだけでいんだわ」



地面に這いつくばる太った男を蹴り飛ばす。



「だからさー、金貸してくれたら、これ以上、ボコんの勘弁すっけど?」



「それ!」

「それな!」

「それ!マジウケるw」



恐怖に駆られ恐る恐る財布からお金を差し出す。



「あんがとさん」

「やっぱ俺らマブダチだわ」

「ウケるw」



お金を受け取って路地裏から出ようとしたところで、



黒い服の長身の男が

路地を通せんぼしていることに気づく。



「あ?なんだ、このおっさん」





断罪・・・ダンザイ・・・・






「あ、あんだって?」

ザシュ

という音と共に周囲に血が弾ける。

男達のひとりが頭から胴まで引き裂かれ、崩れ落ちる。



「は?」

「は?」

「チョマテヨ?」




男達は逃げる。

ひとり、またひとりと足を掴まれ路地に引きずり込まれる。


足を掴まれ、



「うわあああああ!!!」



大声で悲鳴をあげた瞬間




黒い男に『何か』が刺さる。

あれは矢?・・・






「私が前に出るから、修二は後ろからフォローお願い」


「了解」





時代錯誤な弓や刀を装備した高校生男女に助けられ、そのまま走って、目もくれず逃げる。




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