第8話 割に合わない仕事




夜守の仕事ははっきりいうと割に合わない





命を賭けて「穢れ」と戦うからだ。

多少の安全策があろうと


どう考えても割に合わない。



夜守の仕事をする奴は、どこか頭のネジが飛んでいる。







$$$








壬屋子と修二は穢れと対峙する。

ここ数日、夜守界隈を騒がせている大物「断罪ギロチン」




断罪・・・・ダンザイ・・・ダンザウェイ・・・ダンザウェイ!・・・・・・




壬屋子は穢裁刀を構え、修二は弓を引き絞る。




放たれた矢は断罪ギロチンを正確に射抜く。

矢はあくまで穢れの動きを鈍らせるだけで致命傷にはならない。


間髪入れずに壬屋子は刀を振り下ろす。




空をきる刀




穢れは長い足で驚くほど身軽にそれを避ける。


(速い)




身体を捻り、

ボッという音と共に、腕を矢のように伸ばす。


予想もしなかった穢れの動きに虚を突かれ、一瞬止まる動き、

そして、腕は、少し離れた場所に居た修二の体を貫いていた。



「く・・・は」




「修二!!」




「俺に構うな、敵から目を離してんじゃねーよ!」


仲間の負傷に気が動転した壬屋子の隙・・・

それを穢れは逃さない。




しまっ・・・




大きく振りあがった、穢れの腕、斧の様な刃の形、

自分の頭をかち割られる未来が壬屋子の中ではっきりとイメージとして浮かぶ。



なんとか穢裁刀を滑り込ませて防ぐ。

重い重い一撃、ビキビキと刀にヒビが入る音


死んだと思った瞬間


穢れが自分の前から消える。



いや、何か後ろからの攻撃を避けたのか?






(ちっ、不意打ち失敗)






その男の姿には見覚えがあった。

それは、例の六畳の弟子だった。



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