フリージア
【作品情報】2006年 日本 監督:熊切和嘉
【あらすじ】
近未来、戦時下の日本。犯罪被害者が加害者を処刑できる「敵討ち法」が成立していた。執行代理人の叶ヒロシは無感情に処刑をこなしていく。彼には感情と感覚がない。それは過去の出来事が原因だった。
新たな仕事で加害者が警護人「幽霊」を雇う。森の中で幽霊と対決するヒロシ。ヒロシは重症を負うが、雇い人のヒグチによって助けられる。
ヒグチは岩崎トシオへの復讐を胸に秘め、偽の敵討ち執行を手配する。トシオはヒロシの元上官だった。二人の因縁の戦いが幕を開ける。
【見どころ】
キャスティングが魅力。若き玉山鉄二さんと西島秀俊さんのガンアクションが見られるのは貴重。妙に地に足着いたディストピアな世界観が独特。漫画原作だが、映画として完結するストーリー展開となっている。
【感想】※ネタバレ含
玉山さん目当てにDVDのジャケットがカッコ良かったので視聴。長い前髪、根暗、メガネに銃で個人的に超ツボ。玉山さん本当に美形。監督にトム・クルーズ主演の「コラテラル」を参考にするよう言われて挑んだそうで、これまた私の大好きな作品。正体不明の寡黙な殺し屋を見事に演じていたところが素晴らしい。
深い狂気の世界観の漫画を二時間映画に詰め込むので、シナリオは伝わりやすく考えてあったのではないかと思う。私は未読なので映画として楽しめた。
腑に落ちないのは、ヒグチが兵器実験で弟を失って復讐したいがためにトシオを嵌めたわけだが、そのとばっちりがあまりに大きすぎる。発狂した溝口の大量殺人現場でヒグチが「助けて」と言ったときに全く共感できなかった。
トシオは大事な友を失い、関係ない人たちがあれほど犠牲になったことに罪悪感が見られないヒグチのキャラクターにまったく愛着が湧かなかった。
ヒグチも感情を無くしているので、目の前でどれだけ人が殺されても無感動なのかもしれないが、それなら「助けて」は言わない方が良かったのではないか。彼女のせいであまりにも死にすぎており、ラストのヒロシを想うイメージがさらに悪い方向に作用してしまった。
ヒグチが観客の共感を得るシナリオだったら、と思うがこれはこれでディストピアの無常感があって良いのかもしれない。
ヒグチの役者さんの雰囲気はとても良かっただけにここもう一声、と思ってしまった。
ともかく、玉山さんがひたすらカッコいいので何度でも観たい作品。
キャスティングしてくれた監督はグッジョブです、感謝。
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