悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-

【作品情報】2022年 アメリカ 監督:デヴィッド・ブルー・ガルシア


【あらすじ】

テキサスの片田舎のゴーストタウンを再生し、理想の街と作ろうとやってきた若者たち。高圧的な保安官、差別発言をする老人に出会い、保守的な空気に戸惑いつつもうち捨てられた町に到着する。

一軒の廃屋に足を踏み入れた若者たちは一人の老婆と出会う。彼らと言い合いになった彼女は興奮して倒れ、搬送途中で死んでしまう。


女性の死をきっかけに50年前に若者を惨殺した恐ろしい殺人鬼、レザーフェイスが復活。若者たちは次々に殺害されていく。


その頃、若者の悲鳴を聞いたある女性がショットガンで武装し、ゴーストタウンに向かっていた。


【見どころ】

タイトルに劣らないゴア・スラッシャームービーに仕上がっている。というか、実はゴアは得意では無く、指の間から覗いて観ていたので、偉そうなことは言えないのだが。


本作が九本目という意外にも長寿シリーズものではあるが、本作は過去作品を知らなくても楽しめる作りとなっている。


人間の顔の皮を剥ぎ、それをマスクにした殺人鬼がチェーンソーを振り回すという設定はとにかく恐怖。

出会ったら終わり、という絶望感に若者たちに同情するしかない。


ゴアな見どころとしては、バスの中にいる若者たちをレザーフェイスがチェーンソーで惨殺するシーン。若者たちの絶叫と血糊がすごい。微妙にギャグ風味で始まるシーンだが、笑えないのである。


また、1作目の生存者サリーがレザーフェイスと対決するシーンも過去作品を観ている人なら胸熱では。しかし、結果は・・・


【感想】※ネタバレ含

「悪魔のいけにえ」はリブート版だけ観たことがあり、それはメチャクチャ怖かった。本当にギャグ要素がない、悲惨さと恐怖が漂う本格ホラーだった。それにとにかく痛い。テキサスの田舎町には絶対に行きたくないと思ったものだ。


今作を観ようと思ったのは、生き残りの女性が登場するという「ハロウィン」のような展開が面白そうだと思ったからだ。しかし、それは無惨にも裏切られるのだが。レザーフェイスは強い。


女性二人が最後まで生き抜くために戦うのだが、これまでのホラーの主人公よりもリアルに描かれていると感じた。恐怖に絶望して諦めようとしてみたり、頑張ろうと奮起したり、女性二人組みというのもユニークだった。やや間延びした印象があるが、最後にレザーフェイスを倒し、町を離れようとした場面はカタルシスも感じられた。


レザーフェイスが水中に落ちて遺体にトドメをさせなかったこと、最後に車の天井を開けたことでオチが見え見えでしたね。ラストシーンの首チョンパは逃げ切るまで油断するなというメッセージだ。


また、「悪魔のいけにえ」シリーズはスチル写真が印象的。今回も枯れたひまわり畑に立つ無表情(人皮のマスク)のレザーフェイスや、町の路地に立つチェーンソーを持つレザーフェイスのシルエットは芸術的でした。






 

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