独断と偏愛の映画紹介

事故物件 恐い間取り

【作品情報】2020年　日本　監督： 中田秀夫

【あらすじ】

売れない芸人の山野ヤマメは相方の中井からコンビ解消を言い渡される。放送作家として再スタートを切った中井は京阪テレビの松尾プロデューサーに事故物件に住む企画を提案、ヤマメが事故物件に住むことになった。

ヤマメのお笑いのファンで、メイクアップアーティストの梓は事故物件であるヤマメの部屋で霊を目撃する。カメラ映像にも白いもやが撮影されており、番組は騒然とする。

手応えを感じた中井はヤマメと共に事故物件に住み、企画を支援する。部屋に取り憑いた赤い服の女の呪いか、井は交通事故に遭う。その後も家族に不幸が続いた中井はヤマメに事故物件に住むのを止めるよう訴える。

書籍の発売や番組レギュラー獲得で人気を得たヤマメはその意見を聞こうとしなかった。やがて、ヤマメに東京進出の話が舞い込み、さらなる危険な事故物件に引っ越しをすることになって･･･

【見どころ】

ホラーファンなら「事故物件」と聞いただけでワクワクしてしまうのではないだろうか。作中では芸人のヤマメがネタを求めて事故物件を渡り歩くので、次はいったいどんな物件かという楽しみと、ヤマメを心配する中井と梓の人間模様がどうなっていくのかが気になるところ。

ホラー映像はホラーを見慣れていなければ、ほどほどに怖いといった感じ。事故物件に住むというネタとストーリーを楽しみたい作品。

【感想】※ネタバレ含

「事故物件」というネタに惹かれて飛びつきましたね。賃貸の部屋というのは前回の住人がいったいどうなったか、何が起きたのかというのは分からないわけで知らぬが仏としみじみ思った。事故物件を探すときの悪徳な不動産屋とのやりとりも面白かった。

いろんな物件を巡るオムニバス的な楽しさと、淡々と事故物件を探し続けるヤマメが自分に忠告をしてくれる人たちを無視してどんどんまずい方向にエスカレートしていくところがどうなることかとドキドキして目が離せなかった。

ラスボスのゲームっぽい造詣と、最後の戦いは目が点になってしまったところもあるが、フラグ回収としては良かったと思う。