バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ

【作品情報】2021年 アメリカ 監督: ヨハネス・ロバーツ


【あらすじ】

 アメリカ合衆国中西部に位置するラクーンシティ。製薬会社アンブレラ社の工場が存在していたが、そのほとんとが移転し街はさびれ、貧困な住民しか残っていない。

 アンブレラ社の研究が住民に健康被害を及ぼしているという情報を受けたクレアはかつて幼少時代を過ごしたラクーンシティに兄クリスを訪ねる。

 クレアの話に取り合わないクリス。そのとき、街にサイレンが鳴り響き、住民は自宅待機するようアナウンスが流れ始めた。同時に森の奥に佇むスペンサー邸で警察署の同僚が消息を断つ。クリスはジル、ウェスカーらとともに森の奥に佇むスペンサー邸へ向かう。

 そこで彼らが見たものは―


【見どころ】

 カプコンの超有名ゲームの映画化作品。ゲームバイオハザード1と2を元にしている。これまでのポール・W・S・アンダーソン監督の「バイオハザード」シリーズとは異なり、ゲームをベースにしたキャラクター、シナリオとなっている。


 ゲーム中のシーンや効果を多用したシナリオで、ゲームを遊んだ人には懐かしさを思い起こさせるのではないだろうか。ホラーとガンアクションが融合したドキドキハラハラの展開はゲームファンには楽しい作品。ゲーム原作という限られたシナリオの中で、ホラーシーンやアクションを盛り上げている。


【感想】※ネタバレ含

 私は初代バイオハザードを遊んで、こんなに怖いゲームが未だかつてあっただろうかと心から感銘を受けたことを覚えている。初めて白い顔のゾンビが振り向いた時の恐怖たるや、今でのあのドキドキ感は忘れられない。科学的な要素がありながら、舞台は古い洋館という設定も興味をそそられた。


 そういうわけで、バイオハザードは大好きなゲームなのでこれまでのアンダーソン作品も観ている。本作はそれとはまた違ってゲームキャラをメインにした物語になっており、1と2を融合させたところが目からウロコだった。


 キャラクターの外見に意見がある方もおられるかと思うが、クレアは特に好きですね。ウェスカーはあの完璧人間ではなく、人情味があったのが意外だった。夜だからグラサンかけないのか、いつかけるのかなと思っていたらラストに上手いことやってくれましたね、ちょっとにんまりしました。


 作品全体としては、よく作ってくれたと素直に拍手したい。コロナでなければもっと予算があって収入も見込めたんじゃないかなと思ってしまった。映像はなかなか良かったんだけど、大作映画の余裕が観られなかったところがそう感じてしまう。画面作りがこじんまりしているところとか。アップなカットが多いのはそうなのかなと。


 ホラーシーンは結構良い演出だと思った。火花で一瞬ゾンビの顔が見えるシーンとか、分かっているのにドキドキした。ヘリがスペンサー邸に突っ込む場面はそうきたか!という興奮する見せ場だった。ポール・W・S・アンダーソンがプロデューサーだからハッとするアクションは彼の演出なのかなあと思った。


 ところで、続編はあるんでしょうかね。あるなら観たいですね。




 

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