リーピング

【作品情報】2007年 アメリカ 監督: スティーヴン・ホプキンス


【あらすじ】

 大学教授のキャサリンは様々な宗教的奇跡といわれる現象を科学的に解明する第一人者として活躍している。ある日、ルイジアナにあるヘイブンという小さな町で教師をしているダグがキャサリンをねてくる。


 ダグの依頼はヘイブンの町で起こっている異変を解明して欲しいというものだった。キャサリンは助手のベンとともに調査に赴く。

 

 ヘイブンの町では川が真っ赤に染まっていた。そこで不思議な少女に出会う。ハエが大量発生し、家畜が次々に死ぬ、バッタの大量発生という異変が次々に起こる。


 これは本当に出エジプト記にある十の災いなのか。少女は呪われているのか。思いがけないラストに向けて災いは加速していく。


【見どころ】

 出エジプト記の十の災いをテーマにした宗教要素のあるホラー作品。災いの表現映像が秀逸で、次は何が起きるのか思わずワクワクしてしまう。


 キリスト教宣教師だったキャサリンは信仰を捨てて、奇跡と呼ばれる現象を科学的に証明するという興味深い役どころ。なぜ信仰を捨てたのか、恐ろしい映像で明らかにされる。暗いトーンの中にフラッシュバックにも似たスーダンの光景は印象的。


 アメリカの小さな田舎町で起きる災いと何かを隠している町の人々、少女は本当に呪われているのか、ダグの本当の目的は何か。ミステリー要素も相まってラストまで目が離せない。


【感想】※ネタバレ含

 ホプキンス監督は「エルム街の悪夢5」を撮影しており、印象的な映像作りが巧いと思う。今作もリアルで恐ろしい災いの表現がとても秀逸だった。ちなみに出エジプトの十の災いは以下の通り。

 ・川の水が血に変わる

 ・蛙の大量発生

 ・ぶよ大量発生

 ・アブ大量発生

 ・家畜が疫病で死ぬ

 ・腫れ物ができる

 ・雹が降る

 ・イナゴの大量発生

 ・暗闇がエジプトを覆う

 ・長子が死ぬ

 いかにも神罰のようだが、この流れをキャサリンが科学的に証明する場面は目からウロコ。

 暗い過去を持つキャサリンの演技も良かった。人の良い助手のベンは癒し。


 オカルト的な出来事を科学で証明しようとし、その説明がつかなくなるという恐怖がリアルに感じられて見応えがあった。アメリカの田舎町という不気味なロケーションも良かった。ラストの火の玉が振ってくるという無茶ぶりには目を剥いたが、アメリカ映画らしい派手な演出だとこうなるのかという気もする。

 映像が素晴らしいので時々観返したくなる作品。

 

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